『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。
8次改訂版から大幅に変わっています。下記の9次改訂版の項目(目次)に沿って問題を並べます。
過去問が見当たらない。テキスト<9次:P61~62>の「5.5.2 飽和圧力」は、わかりにくい。2冷試験問題は作成しにくいことだろう。
・単一成分冷媒の飽和圧力は、温度による上昇にともない上昇する。また、その飽和温度は、圧力による上昇にともない上昇する。 by echo
【◯】 つまり温度と圧力はともに上がったり下がったり。
こんな問題でないかも。上級テキストの文章はわかりにくいので、『初級 冷凍受験テキスト』<8次:P46冒頭>を参考に問題文作成。
・単成分冷媒の飽和圧力は温度に依存し、温度の上昇にともない高くなる。同様に、飽和温度は圧力に依存し、圧力の上昇にともない高くなる。 by echo
【◯】 これは、『上級 冷凍受験テキスト』<9次:P61右下 5.5.2 飽和圧力>の冒頭を引用して作成した問題文。
つまり温度と圧力はともに上がったり下がったり。
9次改訂版では、文章が新規に書き換えられているので、下記の過去問は参考程度にしてほしい。「沸点」と「臨界点」の過去問を精選した。(基本的なことは変わっていないが、問題文の言い回しが9次改訂版の文章と違っている。)
・単成分冷媒においての沸点(標準沸点)とは、標準大気圧 101.325 kPa(0.101 MPa)において相変化が生じる温度である。 by echo
【◯】 そうです、冷媒の相変化とは冷媒液が冷媒蒸気に変化(気化)することで、沸点は標準大気圧における気化する時の温度です。テキスト<9次:P62左 5.5.3 沸点、臨界点>の冒頭。
・冷凍・空調用として実用化されている冷媒の沸点は-50 ℃~25 ℃である。この範囲内の多くの冷媒の諸性質から用途に応じた適切なものを選択する必要がある。 by echo
【◯】 ごもっともなことで。「-50 ℃~25 ℃」は、心の奥底にでもしまっておけばよいでしょう。テキスト<9次:P62 左下>
・自然冷媒と呼ばれるアンモニア、プロパンおよび二酸化炭素の中で、標準沸点が最も低い冷媒はアンモニアである。 H17学/09
【×】 アンモニア-33.33、プロパン-42.13、二酸化炭素-78.45で、アンモニアは最も高いのである。 チョと、意外な感じ。 テキスト<9次:P63(表5.1)を見ておこう。>
臨界点での「潜熱」と「顕熱」を把握しましょう。
・臨界温度以上では、液体と気体の区別がなくなり相変化が生じない。したがって、臨界温度以上の超臨界域では潜熱のみとなり、顕熱は利用できない。 H25学/09
【×】 逆ですね。テキスト<9次:P62右 9行目~>(「区別」云々に関しては4行目~)
「臨界温度以上では、液体と気体の区別がなくなり相変化が生じない。したがって、臨界温度以上の超臨界域では顕熱のみとなり、潜熱は利用できない。」
・臨界温度とは、この温度以上では気体と液体の区別がなくなり相変化が生じない温度である。臨界温度以上では潜熱のみとなり、顕熱は利用できなくなる。 H29学/09
【×】 正しい文章にしてみましょう。テキスト<9次:P62右 4行目~>
臨界温度とは、この温度以上では気体と液体の区別がなくなり相変化が生じない温度である。臨界温度以上では顕熱のみとなり、潜熱は利用できなくなる。
・冷媒は、臨界温度を超える領域では、蒸発や凝縮の潜熱のみの利用となり、顕熱は利用できなくなる。 R05学/09
【×】 ぅむ。❤ ❤ ❤ ❤
「冷媒は、臨界温度を超える領域では、蒸発や凝縮の顕熱のみの利用となり、潜熱は利用できなくなる。」
・臨界点は気体と液体の区別がなくなる状態点である。臨界点における温度を臨界温度という。単成分冷媒において、標準沸点(K)/臨界温度(K)で定義される比の値は、冷媒の種類によらず約1.6 となる。 R06学/09
【×】 比の値なんて知らねーよ💩と叫びたい。テキストは<9次:P62右 4行目~>、比の値については<同:下から4行目>にちゃんと記されている。健闘を祈る。
「臨界点は気体と液体の区別がなくなる状態点である。臨界点における温度を臨界温度という。単成分冷媒において、標準沸点(K)/臨界温度(K)で定義される比の値は、冷媒の種類によらず約 0.6 となる。」
・一般に、標準沸点が低い冷媒ほど理論成績係数は低下する。これは、標準沸点が低ければ、それに応じて臨界温度が高くなり、冷媒液の蒸発潜熱が小さくなり、冷凍効果が減少するためである。 H24学/09
【×】 テキスト<9次:P63左下~右上>辺りを熟読。(<8次:P66左>のようなズバリ文章は、9次には無い。)
一般に、標準沸点が低い冷媒ほど理論成績係数は低下する。これは、標準沸点が低ければ、それに応じて臨界温度が低くなり、冷媒液の蒸発潜熱が小さくなり、冷凍効果が減少するためである。
・一般に沸点の低い冷媒は、同じ温度条件で比較するとサイクルの凝縮・蒸発圧力が高くなり、圧縮機ピストン押しのけ量が同じであれば冷凍能力は大きくなるが、理論COPは低くなる傾向がある。 H26学/09
【◯】 テキスト<8次:P63左~右>のようなズバリ文章は、9次には無い。<9次:P63左下~右上>辺りから読み取る。
【参考】8次改訂版から引用しておく。
沸点の低い冷媒群は,同じ温度条件で比較するとサイクルの凝縮圧力および蒸発圧力が高くなるが,所定の冷凍能力を得るための圧縮機押しのけ量が小さくてすむ,すなわち,同じ圧縮機押しのけ量に対する冷凍能力(体積能力と呼ぶ)が大きい.しかし,低沸点になると理論成績係数が低くなる傾向にある.
・一般に、沸点の低い冷媒ほど理論成績係数は低下する傾向となるが、体積能力が大きくなり、圧縮機の必要押しのけ量や冷媒の流れの圧力損失は小さくなる。したがって、使用する凝縮温度範囲により、適切な沸点や臨界温度の冷媒を選定する必要がある。 H27学/09
【◯】 ぅむ。テキスト<9次:P63左下~右上>、体積能力と圧縮機云々は<9次:P63右下~P65左上>から、読み取る。
下記の過去問題は8次改訂版までのテキスト内容で出題されていて、現在の9次改訂版は大幅に書き換えられたので、9次の該当ページを記すのが難しい。よって、8次改訂版の該当箇所を引用しておくので参考にしてほしい。
『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』8次改訂版 63ページより引用
沸点の低い冷媒群は、同じ温度条件で比較するとサイクルの凝縮圧力および蒸発圧力が高くなるが、所定の冷凍能力を得るための圧縮機押しのけ量が小さくてすむ、すなわち、同じ圧縮機押しのけ量に対する冷凍能力(体積能力と呼ぶ)が大きい。しかし、低沸点になると理論成績係数が低くなる傾向にある。
また、沸点の低い冷媒については、蒸気温度が低いときでも低圧側の圧力が大気圧以下になる運転、いわゆる負圧運転になりにくい。しかし、蒸発温度が低い場合には、圧縮機吐出しガス温度が高くなるので、比熱比の小さい冷媒が適しているが、一般に低沸点冷媒の比熱比は大きいので注意が必要である。
・標準沸点の低い冷媒は、圧縮機の押しのけ量当たりの冷凍能力が、標準沸点の高い冷媒よりも大きい。 H16学/09
【◯】 「沸点の低い冷媒ほど冷凍能力は大きくなる。」と、おぼえよう。沸点の問題は多く出題される。
・標準沸点の低い冷媒は、圧縮機の押しのけ量当たりの冷凍能力が、標準沸点の高い冷媒よりも一般に小さい。 H19学/09
【×】 惑わされないように、問題文はよく読みましょう。
標準沸点の低い冷媒は、圧縮機の押しのけ量当たりの冷凍能力が、標準沸点の高い冷媒よりも一般に大きい。
-- 雑・随想(時間があればどうぞ) --
H18年度と比べてほしい、なんとか惑わそうと問題文を作っている。(これが冷凍試験の◯◯コ(失礼)なところ、試験に言葉遊びは必要ないでしょう!?国語クイズ娯楽番組じゃないんだから!)などと、愚痴ってもしょうがないので、ま、「言葉の言い回しによって勘違いして、大失敗し、リストラでもされたら大変!だから注意しましょう!という問題を作ってくれてありがとう。」みたいな…。と、スキルアップのメシアのように考えましょう。頑張って。
・標準沸点の低い冷媒は、低温用冷凍装置に適した冷媒で、蒸発温度が低いときでも真空運転になりにくい。 H16学/09
【◯】 沸点が低い冷媒ほど圧力が高い、蒸発温度を低くしても蒸発圧力が高いので真空運転になりにくい。
7次改訂版からは「真空運転」という語句が消えている。代わりに「負圧運転」がある。ま、同じ意味なんだろうけども…。
・沸点の低い冷媒は、蒸発温度の高い冷凍装置に適した冷媒であり、その装置の蒸発温度が低くなっても真空運転になりにくい。 H22学/09
【×】 ま、そういうことだ。
テキスト<8次:P63右下>いわゆる負圧運転になりにくい
ってある辺りを<以下略(疲れ)>
・一般に、沸点の低い冷媒ほど体積能力が大きくなり、圧縮機の必要押しのけ量や冷媒の流れの圧力損失が小さくなるが、理論成績係数は低下する傾向にある。したがって、使用する凝縮温度範囲により、適切な沸点や臨界温度の冷媒を選定する必要がある。 H22学/09
【◯】 OK!
・一般に、低沸点冷媒は、高沸点冷媒と同じ温度条件で比較すると、サイクルの凝縮圧力および蒸発圧力が高くなり、圧縮機押しのけ量に対する冷凍能力が大きいものの理論成績係数は低下する傾向にある。 H29学/09 R03学/09
【◯】 覚えるしかない。健闘を祈る。
・一般に低沸点冷媒は、高沸点冷媒と同じ温度条件で比較すると、サイクルの凝縮、蒸発圧力が高く、圧縮機のピストン押しのけ量が同じであれば冷凍能力は大きくなり、理論成績係数も高くなる。 H30学/09
・一般に、低沸点冷媒は、高沸点冷媒と同じ温度条件で比較すると、サイクルの凝縮、蒸発圧力が高く、圧縮機押しのけ量が同じであれば冷凍能力は大きく、理論成績係数COPも高くなる傾向がある。 R01学/09
【両方 ×】 今度は×ですよ。正しい文章にしましょう。
一般に低沸点冷媒は、高沸点冷媒と同じ温度条件で比較すると、サイクルの凝縮、蒸発圧力が高く、圧縮機のピストン押しのけ量が同じであれば冷凍能力は大きいものの理論成績係数は低下する傾向にある。
非フッ素系冷媒は自然冷媒とも呼ばれる。以下、参考にしてください。
自然冷媒の種類 <<拡大>>
・アンモニアは、毒性と可燃性をもっているが、冷媒としては体積能力が大きく、配管での圧力損失も小さいという特性がある。 H14学/09
【◯】 短所: 可燃性・毒性ガス
長所: 体積能力大きい、理論成績係数高い、冷媒圧力損失低い。
テキスト<9次:P63右 5行目~>
・圧縮機の体積能力は、圧縮機の吸込み状態における冷媒体積当たりの冷凍能力のことであり、単位はkJ/m3で表され、沸点の低い冷媒ほど大きな値になる傾向がある。 H23学/09
【◯】 テキスト<9次:P63右下~>
・圧縮機の単位吸込み体積当たりの冷凍能力を体積能力と呼び、沸点の低い冷媒の体積能力は大きくなる傾向にある。この値を参照して圧縮機の大きさを決める。 R02学/09
【◯】 この値を参照して圧縮機の大きさを決める。
で、つまづくかな?テキスト<9次:P63右下~P65左上>
冷媒の比熱比の値が大きい小さいで、どうなるかですが、感覚的に楽勝かと思います。
・理想気体を断熱圧縮するときの温度上昇は、比熱比の値が大きい冷媒ほど小さくなり、圧縮機の吐出しガス温度も一般に低い。H14学/9
【×】 比熱比が大きいほど吐出しガス温度は高くなる。テキスト<9次:P65左 5行目~>
・比熱比の値が大きい冷媒蒸気を断熱圧縮する場合、断熱過程で比熱比の値が小さい冷媒蒸気より温度が上昇するため、圧縮機の吐出しガス温度が高くなる。 H28学/09
【◯】 ピンポン、ピンポン。(久々の出題)
22/03/15 23/12/11 24/11/28
【2022(R04)/03/09 新設】(← 履歴をここに作った日)