『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』 <9次:P81 (7.1 凝縮負荷とヒートポンプの加熱能力および凝縮器の種類)>(<8次:P81 (7.1 凝縮負荷、ヒートポンプの熱出力)>)からの問題です。
内容に沿って、順番に分類しました。過去問にないものは、予想問題 by echo を作成しました。
『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。
顕熱と潜熱がたくさん出てくるので(テキスト<9次(8次):P81 左上冒頭>)復習しましょ。
・凝縮器内では、圧縮機を出た過熱状態の冷媒ガスが飽和蒸気になるまで潜熱を放出して冷却される。 by echo
【×】 潜熱 とは「物体の状態が変化する場合に必要な熱量」でした、「冷媒ガス」→「飽和蒸気」物体の状態変化はありません!なので、「顕熱 : 物体の状態変化がなく温度のみが変化する」です。
凝縮器内では、圧縮機を出た過熱状態の冷媒ガスが飽和蒸気になるまで顕熱を放出して冷却される。
・凝縮器内では、圧縮機を出た過熱状態の冷媒ガスが飽和蒸気になるまで顕熱を放出して冷却される。次いでこの飽和蒸気が潜熱を放出して飽和液となる。 by echo
【◯】 今度は【◯】:) 「飽和蒸気」→「飽和液」 「潜熱 : 物体の状態が変化する場合に必要な熱量」ですね!
・凝縮器内では、圧縮機を出た過熱状態の冷媒ガスが飽和蒸気になるまで顕熱を放出して冷却される。次いでこの飽和蒸気が潜熱を放出して飽和液となる。さらに、この飽和液が顕熱を放出して過冷却される。 by echo
【◯】 今度も【◯】:D
顕熱(飽和蒸気) → 潜熱(飽和液) → 顕熱(過冷却液) ですね!!!
顕熱 : 物体の状態変化がなく温度のみが変化する
潜熱 : 物体の状態が変化する場合に必要な熱量
Φk、Φo、P、の関係を把握しましょ。テキスト<9次:P81 12行目~>
・凝縮器の、冷却過程で冷媒から放出される単位時間あたりの熱量を凝縮負荷という。 by echo
【◯】 まったくその通りです。 凝縮負荷は、Φk(kW)で表します。他に、冷凍能力Φo(kW)、圧縮機軸動力P(kW)←(開放圧縮機)。
・開放圧縮機において、圧縮途中で放熱や熱の侵入がない場合の凝縮負荷Φkは、冷凍能力Φoに圧縮機軸動力Pを加えたものである。 by echo
【◯】 Φk = Φo + P この式は必須です!テキスト<9次(8次):P81左 (7.1)式>
テキスト<9次:P81左 20行目~>
テキスト<9次:P81左下 28行目~>
・スクリュー圧縮機の凝縮負荷は、蒸発器で取り入れた冷凍負荷の熱量に、圧縮機の入力に相当する熱量を加え、潤滑油の噴霧によって冷媒ガスから除去した放熱量を減じたものである。 H20学/05
【◯】 これは、よっぽどテキストを熟読しておかないと...。まぁ、あせらずジックリ考えてみればわかるかもしれないけれど。
上級冷凍受験テキスト<9次:P81左下~右上>を勉強しよう。
Φk = Φo + P - Φm だね。
Φo:冷凍負荷 P:軸動力(圧縮機の入力) Φm:油冷却器における放熱量 (でも、しかし、これは一冷レベルで覚えておくような知識だと思うんだけどなぁ。)
・凝縮負荷は凝縮器において冷媒から放出される熱量であり、冷凍負荷と圧縮機の入力に相当する熱量との和となる。圧縮室に油噴射を行うスクリュー圧縮機の場合には、この値から油冷却器における放熱量を引いたものが凝縮負荷となる。 H25学/05
【◯】 ぅむ。H20年度と同様の問題。
テキスト<9次:P81右上 (式 7.2)> Φk = Φo + P - Φm を、理解していれば良いだろう。(スクリュー圧縮機関連の出題は増えていくかも…)
・凝縮負荷は、凝縮器において冷媒から放出される単位時間当たりの熱量であり、冷凍負荷と圧縮機駆動の軸動力との和となる。圧縮機内に冷凍機油の噴射を行うスクリュー圧縮機の場合には、この値から油冷却器における放熱量を引いたものが凝縮負荷となる。 R02学/05
【◯】H25年と違うところに下線を引いた。問題文を細かく見直しした感じ、分かりやすくなったと思う。
Φk = Φo + P - Φm
Φo:冷凍負荷 P:軸動力(圧縮機の入力) Φm:油冷却器における放熱量 ((2冷では必須になってしまいましたね)
テキスト<9次:P81右 4行目~>
・冷房や冷凍・冷蔵装置のヒートポンプ装置の加熱能力とは、凝縮器の冷却媒体である水や空気によって捨てられる熱を利用し、暖房や温水加熱に使用するための水や空気を加熱するための出力のことである。 by echo
【◯】 冷凍サイクルを利用した素晴らしいノーベル賞的な技術ですね。
テキスト<9次:P81右 10行目~>
・凝縮負荷Φkと蒸発負荷Φoの比Φk/Φoの値は、凝縮温度を高く、また蒸発温度を低く設定するほど大きくなり、冷凍・冷蔵の運転条件の場合には1.00~1.15程度の値である。 H14学/05
【×】 冷凍装置の効率の良い運転は、できるだけ凝縮温度は低く、蒸発温度は高くすればよい。冷凍・冷蔵の場合は1.3~1.5、通常の空調の場合は1.1~1.2。圧縮機があるから、1.0ということはないよね。
テキスト<9次:P81右 14行目~>
・凝縮負荷と冷凍負荷の比(Φk/Φo)の値は、凝縮温度が同じ場合、蒸発温度が低くなるほど大きくなる。 H15学/05
【◯】
蒸発温度が低くなると、冷凍負荷Φoは小さくなるから。
なぜかって?...蒸発温度が低くなるほど蒸気の比体積vが大きくなる(薄い蒸気になる)ため、
テキスト的には、<8次:P81右真中辺りまで>を読めば十分。
・凝縮負荷と冷凍負荷の比(=凝縮負荷/冷凍負荷)の値は、同じ蒸発温度の場合には凝縮温度が高くなるほど小さくなる。 H29学/05
【×】 H15年度の問題と文章の違いをお楽しみください。(蒸発温度と凝縮温度、高い低い大きい小さいが入れ替わっている。でも冷静に考えれば大丈夫かと…。)
凝縮負荷と冷凍負荷の比(=凝縮負荷/冷凍負荷)の値は、同じ蒸発温度の場合には凝縮温度が高くなるほど大きくなる。
テキスト<9次:P81右下~>
テキスト<9次:P81右 1行目~>
・空冷凝縮器は、大気の顕熱を利用して冷媒蒸気を冷却・液化している。このため夏は大気温度の影響を受けて、凝縮温度が高くなる。 H16学/05
【◯】 顕熱:物体の状態変化なしに温度のみを変化させる熱
(潜熱:物体の状態が変化する場合に必要な熱量)
テキスト<9次:P82左 1行目>からズバリ。
・空冷凝縮器は大気の顕熱を利用して冷媒蒸気を冷却、液化しているため、夏は大気の影響を受けて凝縮温度が高くなり、圧縮機の軸動力が大きくなりやすい。 H28学/05
【◯】 ぅむ。「H16学/05」と同等の問題。テキストは<9次:P82左 1行目~>ズバリ。
・空冷凝縮器は、空気の熱伝達率が大きいので、熱交換器は大きくなる。しかし、水をいっさい使わないので、他の方式に比べて構造が簡単で、据付も容易であり、欠点を十分に補う長所があるので中・小形のフルオロカーボン冷凍装置に広く使われている。 by echo
【×】 これは、長文のサービス問題過ぎますかね。 :D
空冷凝縮器は、空気の熱伝達率が小さいので、熱交換器は大きくなる。しかし、水をいっさい使わないので、他の方式に比べて構造が簡単で、据付も容易であり、欠点を十分に補う長所があるので中・小形のフルオロカーボン冷凍装置に広く使われている。
テキスト<9次:P82左 14行目~>
・水冷凝縮器は、冷却水の蒸発潜熱を利用して冷媒蒸気を凝縮する。この凝縮器は、一般に、冷却塔と組み合わせて使用する場合が多い。 R05学/05
【×】 テキスト<9次:P82左14行目>
「水冷凝縮器は、冷却水の顕熱を利用して冷媒蒸気を凝縮する。この凝縮器は、一般に、冷却塔と組み合わせて使用する場合が多い。」
・水冷凝縮器は、一般に冷却塔と組み合わせて使用している。冷却塔で消費する冷却水の補給水が必要となる。そこで、冷却水の水質管理、腐食防止、水垢の除去などの保守作業が必要である。 by echo
【◯】 テキスト<9次:P82左15行目~> この冷却水の管理や、冷却塔の保守管理維持作業がとても大変なんです。この保守作業も出題されます。
テキスト<8次:P82左 23行目~右>
・蒸発式凝縮器は空冷凝縮器と比較して、凝縮温度を高く保つことができる凝縮器であり、主としてアンモニア冷凍装置に使われている。 by echo
【×】 この問題は、3冷のH26年度に出題されたものです。
蒸発式凝縮器は空冷凝縮器と比較して、凝縮温度を低く保つことができる凝縮器であり、主としてアンモニア冷凍装置に使われている。
テキスト<9次(8次):P82上 表7.1>からの出題です。本来であれば「保安」で出題されるような問題であるが、学識の問5(凝縮器)でもこの表から出題される。(参考:テキスト<9次:P210左 (1)各種凝縮器の伝熱面積>)
・凝縮器における冷却管の熱通過率の値は、一般に、水冷凝縮器の場合が最も大きく、次いで蒸発式凝縮器、空冷凝縮器の順に小さい。 H19学/05
・縮器における熱通過率の値は、一般に、水冷凝縮器の場合が最も大きく、水冷凝縮器>蒸発式凝縮器>空冷凝縮器の順に小さくなり、空冷凝縮器の場合が最も小さくなる。 H30学/05
【両方 ◯】これは、覚えるかイメージで連想する。
テキストで確信を得る場合は、<9次(8次):P82 (表7.1 凝縮器の種類と特徴)>で読み取り比べるしかないだろう。保安編では<9次:P213 (表15.4 凝縮器の種類、特徴、(略) )>を参照しよう。表15.4をコピーして目立つところに貼っておくとか、持ち歩くとか、損はないと思う。
不等号による出題は、近年、時々使われるので戸惑わないように慣れましょう。
・凝縮器における冷却トンあたりの伝熱面積は、一般に、空冷凝縮器の場合が最も大きく、空冷凝縮器>水冷凝縮器>蒸発式凝縮器の順に小さくなり、蒸発式凝縮器の場合が最も小さくなる。 R03学/05
【×】 この問題は「熱通過率」ではなくて「伝熱面積」の比較です。注意してください。
凝縮器における冷却トンあたりの伝熱面積は、一般に、空冷凝縮器の場合が最も大きく、空冷凝縮器>蒸発式凝縮器>水冷凝縮器の順に小さくなり、水冷式凝縮器の場合が最も小さくなる。
確かに、テキスト<8次:P82上 表7.1>該当欄の数値を見ると「蒸発式凝縮器」が真ん中なんだよね。テキスト<8次:P200右下>を引用すると、 水冷式が0.6~1.2 m2、蒸発式が2.0~2.4 m2、空冷式が15 m2
と、記されている。
【9次改訂版で変わったところ】 ← 続きはクリック
テキスト<9次:P82上 表7.1>では、「伝熱面積(m2/Rt)」の欄が削除されている。さらに、テキスト<8次:P200右下>の具体的な面積の数値での説明文が削除された。
テキスト<9次:P210左 (1)各種凝縮器の伝熱面積>から該当箇所を引用しておく。
凝縮器の熱交換に必要な単位冷却トン当たりの伝熱面積は、水冷式、蒸発式、空冷式の順に大きくなり、空冷式は非常に大きい。
19/12/31 20/11/26 22/04/03 23/12/09
【2019(R1)/12/31 新設】(← 履歴をここに作った日)