『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』は、3種冷凍の講習に用いられるテキスト。もちろん、11月の全科目試験を目指す方も必須の書になります。ただし「法令」は、ありません。
知っている人は知っていますが、知らない人は全く知らないことがあります。それは、試験問題はこのテキストから出題されるということです。
よって、この「3冷「保安」攻略」は、このテキストに沿って問題をまとめ、プチ解説等に該当ページを極力わかるように記してあります。
この攻略ページから精選した問題をまとめた『超入門第3種冷凍機械責任者試験精選問題集』がありますので、お役立に立てればと思います。
なお、令和元年11月に改訂された8次改訂版は、令和3年(2021年)11月現在で「第5刷」が発行されています。重刷のごとに一部内容が変わっています。 日本冷凍空調学会に「正誤表」(pdfファイル直リンク)がありますのでチェックしましょう。
「潜熱」「顕熱」の二文字がある問題です。勉強しておけば、基礎は理解できるし美味しい問題です!『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P1>
先々、嫌になるほど登場する言葉です。頭の中でイメージして覚えてみよう。
・一般に、冷媒が液体から蒸気に、または蒸気から液体に状態変化する場合に必要とする熱を、顕熱と呼んでいる。 H12/01
・一般に、物質が液体から蒸気に、または蒸気から液体に状態変化する場合に、必要とする出入りの熱量を顕熱と呼ぶ。 H28/01
【両方 ×】 状態変化があるので潜熱です。
『初級 冷凍受験テキスト』<P1 真ん中あたり ( 一般に~
)。 【プチメモ】
メモ帳とか、iPhoneとかに、メモって持ち歩こう。
・物体の状態変化がなく温度のみが変化する → 顕熱
・物体の状態が変化する場合に必要な熱量 → 潜熱(固体→ 液体 → 気体など)
蒸発潜熱・凝縮潜熱・融解潜熱・凝固潜熱
・物質が液体から蒸気に、または蒸気から液体に状態変化する場合に必要とする出入りの熱量を、顕熱と呼ぶ。 H27/01
【×】 過去問題が全部【×】だけども、顕熱への素直な直球問題はできないのかな。 (2016(H28)/08/11記ス)
・水の蒸発潜熱は、約2,500 kJ/kgである。 H12/01
【◯】 ハイ!テキスト1ページ。
真空で0℃の水1kgを蒸気(気体)に変える熱量。2500←この数字覚えておこう。この問題も古いけども、忘れた頃(年度)にヒョッコリ出題されるかもしれない。(H26/06/17記す)
─────【8次改訂版における、この問題について】─────
7次改訂版では、
0℃(0.611 kPa)における水の蒸発潜熱は2500 kJ/kgである。
8次改訂版では、
また、10℃ (飽和圧力1.2282kPa) における水の蒸発潜熱は2477.21kJ/kgである。
このように、8次改訂版では大幅に変更されている。(理由は不明)よって、同等問題はヒョッコリ出題されないだろう。(2020(R02)/04/26記ス)
・水1kgを等温(等圧)のもとで蒸発させるのに必要な熱量を水の蒸発潜熱という。 H30/01
・液体1kgを等圧のもとで蒸発させるのに必要な熱量を、蒸発潜熱という。 R03/01
【両方 ◯】 テキスト1ページにズバリです。基本的なことなので覚えておくしかないです。
・冷媒が液体から蒸気に、または蒸気から液体に状態変化するときに必要とする熱を、潜熱と呼ぶ。 H22/01
【◯】 ハイ! テキスト<8次:P1 真ん中あたり> 物体の状態が変化する場合に必要な熱量 → 潜熱
・蒸発器で冷媒が蒸発するときに潜熱を周囲に与える。 H24/01
【×】 違います。(引掛けっぽいかな…あなたなら大丈夫。)
周囲の物質から潜熱として取り入れ、液体から蒸気へ状態変化するのです。
テキスト<8次:P2 6行目太字>にズバリ的。
時間と気力があれば解いてみてください。
・冷媒液が圧力降下するときに、液の一部が自己蒸発する際の潜熱によって、冷媒自身の温度が下がる。 H20/02
【◯】 この問題は「冷凍の原理2」ページの「冷凍サイクルとph線図」にもあります。
『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P16 15~17行>を読んで頂きたい。2冷や1冷の試験にまでも登場するこの一文は重要なもので、絞り膨張の時の冷媒自身の変化を表している。
この一文を記憶しておいても損はない。(潜熱 → 物体の状態が変化する場合に必要な熱量)3´から4まで自己蒸発する潜熱で、冷媒自身の温度が下がる。
・ホットガス除霜法は、圧縮機から吐き出される高温の冷媒ガスを蒸発器に送り込み、その顕熱と潜熱によって除霜する方法である。 H09/07
【◯】 この問題は蒸発器の除霜の問題であるが、ここにオマケ :-)
『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P90(最下行)~P91>
圧縮機の吐出しガスを取り出して蒸発器にホットガスを流して霜と溶かす。
吐き出された点から顕熱(物体の状態変化がなく温度のみが変化する)で飽和蒸気線まで除霜し、飽和蒸気線から飽和液腺まで凝縮潜熱(温度変化なしに気体が液体に変化する)で除霜する。
(霜の変化ではなく、高圧高温の冷媒ガスの変化を考える。)
・ホットガスによる除霜法では、高温の冷媒ガスの顕熱のみで霜を融解させる。 H11/07
【×】 上記解説参考
【参考 ちなみに2種冷凍問題はこんな感じ】 ←クリック
・ホットガスデフロスト方式は、除霜しようとする蒸発器の霜を圧縮機吐出しガスの顕熱と凝縮の潜熱で融かすので、除霜中の蒸発器への送風は停止しない方がよい。 H14/06
【×】 このように、2種になると一つの問題文に複数のことを問うてくる。1種になると、さらに幾つものことが問われ長文になる。
・蒸発式凝縮器は、水の蒸発潜熱を利用して冷却するので、凝縮圧力は外気の湿球温度と関係しない。 H13/06
【×】 これは凝縮器の問題で出題されるが、ここにオマケ :-)
テキスト<8次:P76 下から8行目~>を読んで、頭の中でイメージしてみよう。 外気の湿球温度に影響される。
・空冷凝縮器とは、冷媒を冷却して凝縮させるのに、空気の顕熱を用いる凝縮器をいう。 H11/06
【◯】 これは凝縮器の問題で出題されるが、ここにオマケ:-)
テキスト<8次:P74 3行目太字>を読んでね。空冷の冷媒凝縮のための冷却は空気の顕熱(物体の状態変化がなく温度のみが変化する)を用いる。
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『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/06/17)
『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(20/04/26)
【2016/05/07 新設】