二段圧縮冷凍装置 P47~P50(P47~P50)

 『上級 冷凍受験テキスト』では<9次(8次):P47~ (4.2 二段圧縮冷凍装置)>からの出題。

二段圧縮一段膨張冷凍サイクルのp-h線図と概略図
二段圧縮一段膨張冷凍サイクルのp-h線図と概略図

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

二段圧縮冷凍装置

 これから多くなるのかな?(2016(H28)/09/05記ス) 日本語の理解力が試される問題が多いので、イメージで捉えて、どんな日本語を使われても楽勝にしてほしい。 :)


全般

・低温用冷凍装置で二段圧縮方式が採用される理由は、単段圧縮では吐出しガス温度が高くなりすぎたり、圧力比の増大により機械効率が低下したりするためであり、それらを避けるために低圧段と高圧段に分けて、その間に中間冷却器を設けて圧縮温度範囲を調整する。 H25学/03 答え

【◯】 その通り!と、言うしかない。テキスト<9次:P48左 8行目~>また、<9次:P26「2.6 二段圧縮冷凍サイクル」>を開けばなお良い。

・二段圧縮冷凍装置では、高低段の圧縮機のそれぞれの圧力比ができるかぎり等しくなるようにピストン押しのけ量を選定する。 H27/ga03 答え

【◯】 そういうことなんだね。テキスト<9次:P48右 12行目~>


比較

 二段圧縮は、いろんな比較を把握しないとだめなようです。テキスト<9次:P47左>

・二段圧縮一段膨張冷凍装置では、低段圧縮機の吸込み蒸気の比体積が高段圧縮機の比体積よりもはるかに小さいので、一般に低段側ピストン押しのけ量は高段側ピストン押しのけ量の2~3倍になる。 H20学/03 答え

【×】 テキスト<9次:P47左上>ズバリ的。正しい文章は、

二段圧縮一段膨張冷凍装置では、低段圧縮機の吸込み蒸気の比体積が高段圧縮機の比体積よりもはるかに大きいので、一般に低段側ピストン押しのけ量は高段側ピストン押しのけ量の2~3倍になる。

 ぅ~む、これは難しいかも、手っ取り早いのは、低段圧縮機の吸込み蒸気の比体積が高段圧縮機の比体積よりもはるかに大きい(はるかに蒸気が薄い)と覚えておこう。(蒸気が薄いので、ピストン押しのけ量がたくさん必要ということ。)

 簡単に比較リストを作ってみました。


"二段圧縮一段膨張冷凍サイクルの低段側高段側説明用"

  • 冷媒循環量 : qmrk > qmro
  • 比体積 : ν3 ≪ ν1
     ν1がはるかに大きい(薄い)
  • 高段側ピストン押しのけ量
     qvrk = ν3 × qmrk
  • 低段側ピストン押しのけ量
     qvro = ν1 × qmro
  • ピストン押しのけ量比較
     qvrk < qvro(2~3倍)
  • 軸動力 : PH > PL

・二段圧縮冷凍装置において、圧縮機の冷媒循環量(kg/s)は高段側よりも低段側が少ないので、一般的にピストン押しのけ量(m3/s)も、高段側よりも低段側が少ない。 H26学/03 答え

【×】 二段圧縮は勉強が必須になったかもしれません。(2015(H27)/07/15記ス) テキストは<9次:P47左>正しい文章にしてみましょう。

二段圧縮冷凍装置において、圧縮機の冷媒循環量(kg/s)は高段側よりも低段側が少ないが、圧縮機吸込み蒸気の比体積(m3/kg)は高段側より低段側のほうがはるかに大きいので、両者の積であるピストン押しのけ量は、高段側 低段側よりも少ない。

 テキストによれば、「低段側のピストン押しのけ量は、高段側のピストン押しのけ量の2~3倍になるそうです。
 (><;)日本語が難しいです。

・中間冷却器を用いた二段圧縮一段膨張冷凍装置では、低段側冷媒循環量は高殿側冷媒循環量よりも少ないが、低段側ピストン押しのけ量は高殿側ピストン押しのけ量よりも多い。 H27学/03

・中間冷却器を用いた二段圧縮一段膨張冷凍装置では、低段側冷媒循環量は高段側冷媒循環量よりも少ないが、一般に、低段側ピストン押しのけ量は高段側ピストン押しのけ量よりも多い。 H30学/03 答え

【両方 ◯】 全くのその通り。テキスト<9次:P47左>。
 図の上H20の問題と読み比べてイメージしておこう。語句の選定(少ない小さい多い大きいや、比体積の関係)などで自由に受験者を悩ませられらりられらる…まする。健闘を祈る!

・二段圧縮一段膨張冷凍装置では、低段側圧縮機の吸込み蒸気の比体積が高段側圧縮機の吸込み蒸気の比体積よりもはるかに大きいので、低段側ピストン押しのけ量は、高段側ピストン押しのけ量の半分以下になる。 H28学/03 答え

【×】 図上のH20学/03の問題と比べてほしい。あなたにとっては、もうチョロいですね。問題文を正しくしてみましょう。テキストは<9次:P47左>

  二段圧縮一段膨張冷凍装置では、低段側圧縮機の吸込み蒸気の比体積が高段側圧縮機の吸込み蒸気の比体積よりもはるかに大きいので、低段側ピストン押しのけ量は、高段側ピストン押しのけ量の2~3倍になる。


コンパウンド圧縮機による二段圧縮冷凍装置

テキスト<9次:P48右>

・1台の圧縮機で二段圧縮を行うコンパウンド圧縮機では、高段用と低段用の気筒数を切り換えることにより、中間圧力を最適に制御する。 H24学/03 答え

【×】 中間圧力を定めてからピストン押しのけ量を定める、高低段の気筒数比は変えられないので中間圧力は最適値より若干ずれる。正しい文章にしてみましょう。

  1台の圧縮機で二段圧縮を行うコンパウンド圧縮機では、高段用と低段用の気筒数は定められているのでピストン押しのけ量の比は固定されている、中間圧力は最適値から若干ずれる

 05/09/22 07/12/10 08/01/27 09/03/12 10/09/24 11/08/01 12/04/10 13/10/03 14/08/20 16/11/03 17/03/21 19/05/28  22/03/31 23/08/25

修正・訂正箇所履歴

【2016/06/25 新設】(← 履歴をここに作った日

  • 8次改訂版へ見直し済み・解説見直し。(2016(H28)/11/03)
  • 「コンパウンド圧縮機 配管簡略編」を「二段圧縮冷凍装置」に変更し、コンパウンド圧縮機ページより、二段圧縮関連問題を移動。解説を見直し。(2017/03/21)
  • 二問、全般ページよりこちらへ引っ越し(H25学/01,H26学/03) (2019(R1)/09/09)
  •   H25学/01 →  H25学/03 修正。 (2019(R1)/09/10)
  •   H28学/01 →  H28学/03 修正。 (2019(R1)/09/10)
  • 画像追加など、全体的に見直し。(2022(R04)/03/31)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応。(2023(R05)/08/25)

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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