構造と伝熱(1) P86~P88(P86~P88)

 水冷凝縮器の「横型シェルアンドチューブ凝縮器」「二重管凝縮器」「ブレージングプレート凝縮器」の問題を集めてあります。テキストは<9次:P86~P88>(P86~P88)です。

 各々の凝縮器の、「管内」「管外」に、なにが流れているのか整理しましょう。

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

横型シェルアンドチューブ凝縮器 P86~P87(P86~P87)

 図は、シェルアンドチューブ凝縮器断面図の概略図である。シェル(円筒胴)の中に、冷却水が通るチューブ(管)が配置されている。テキストでは<9次:P87 上>に詳細図が記されている。一度ジックリ見て読んでイメージを膨らませてほしい。

横形シェルアンドチューブ凝縮器の概略図
横形シェルアンドチューブ凝縮器の概略図


シェルアンドチューブ凝縮器(断面図)概略図
横形シェルアンドチューブ凝縮器(断面図)概略図

  • 上部より圧縮機吐出しガスが入ると、冷却管で冷却され外表面に凝縮し、液滴となって落下し下部に冷媒液が溜まる。
  • 最下部の冷却管が液に浸され、過冷却を図るとともに、受液器の役目も持たせる場合がある。コンデンサ・レシーバ(受液器兼用水冷凝縮器)

 テキストでは、このシェルアンドチューブ凝縮器が水冷凝縮器の中心となって進んでいきます。

・横型シェルアンドチューブ凝縮器では、冷媒を過充填するとチューブ内の冷却液が多くなり過ぎて多くの冷却管が液に浸されてしまう。これにより、凝縮に使われる冷却管が減って伝熱面積が減少し、凝縮圧力が低くなる。 by echo 答え

【×】 テキスト<9次:P87左 16行目~>、これは後の保守管理でも散々出てきます。覚えておきましょう。

横型シェルアンドチューブ凝縮器では、冷媒を過充填するとチューブ内の冷却液が多くなり過ぎて多くの冷却管が液に浸されてしまう。これにより、凝縮に使われる冷却管が減って伝熱面積が減少し、凝縮圧力が高くなる。

・水冷シェルアンドチューブ凝縮器は、冷却管内を冷却水が流れ、管外面で冷媒蒸気が凝縮する。 H17学/05 答え

【◯】 ぅむ。「冷却管内を冷却水、管外面で冷媒蒸気」これは暗記。テキスト<9次:P86右下~P87左上>

「横形シェルアンドチューブ凝縮器」断面概略図
横形シェルアンドチューブ凝縮器(断面図)概略図

・横型シェルアンドチューブ凝縮器は、横置きされた鋼板製の円筒胴内に多数の冷却管を配置したもので、冷却管はその両端を鋼製管板に拡管して圧着されている。冷却水は冷却管の外側を流れる。 H21学/05 答え

【×】 むむ、冷却水は冷却管の内側です。冷媒が外側。テキスト<9次:P86右下>

 「拡管」というのは、管を拡げる(広げる)ということと思われる。空冷凝縮器の説明ですが<9次:P83の左下あたり>を読み図7.4を見れば分かるでしょう。頑張れー。

・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器は、横置きされた鋼板製の円筒胴内に多数の冷却管を配置したもので、一般的には冷却管はその両端を鋼製管板に拡管して圧着される。水室カバーは取り外し可能な構造になっている。 H27学/05 答え

【◯】 ぅむ。テキスト<9次:P86右~P87左>をうまくまとめた感じでつね。よく読んでイメージしておくしかないでしょう。


二重管凝縮器 P87~P88(P87)

 二重管は忘れた頃に出題される。

「二重管凝縮器の冷却管」概略図

・水冷二重管凝縮器では、冷媒蒸気の流速が遅いので、ワイヤフィンチューブなどを使用して、伝熱促進を行う必要がない。 H15学/05 答え

【×】 水冷二重管凝縮器は、二重になっている管の中(冷媒管内に冷却水管がある)を、冷媒と冷却水が逆方向に通る。冷媒の流速が早いので、ワイヤフィンチューブを用いて伝熱促進が行われる。(何となくそういうものだとして覚える・・・・。) テキスト<9次:P87>

「二重管凝縮器の冷媒と冷却水の向き」概略図

・二重管凝縮器では、冷媒蒸気は二重管の隙間を下から上へ流れ、冷却水は内側の冷却管内を上から下へ流れる。 H20学/05 答え

【×】 5年後ポツリ。(図を書いたので参考にしてください。(2019(R01)/12/14)

  二重管凝縮器では、冷媒蒸気は二重管の隙間を上から下へ流れ、冷却水は内側の冷却管内を下から上へ流れる。

 テキスト<9次:P87右側上>を読んで文章を記憶するのではなく、頭の中にイメージが浮かび上がるようにしてみよう。

・水冷凝縮器として使用されている二重管凝縮器は、同心の二重管よりなり、一般的に冷媒蒸気は二つの管の隙間を上から下へ向かって流れ、冷却水は内側の冷却管内を下から上へ向かって流れる。 H28学/05 答え

【◯】 ぅむ。

・二重管凝縮器は、同心の二重管よりなり、一般に、冷媒蒸気は二重管の隙間を流れ、冷却水は内側の冷却管内を冷媒の流れ方向と逆向きに流れる。 R01学/05 答え

【◯】 その通り。テキスト<9次:P87 図7.12>を参照のこと。

・ 二重管凝縮器は、冷媒流れ抵抗により長さが制限されるため、容量を増やすには並列につなぐ必要があり配管が複雑になるため、小容量のものに使用されている。by echo 答え

【◯】 たしかに見た目で、そう感じますね。テキスト<9次:P88左上の3行>


ブレージングプレート凝縮器 P88(P90)

 このブレージングプレート凝縮器は、H23(2011)年12月の7次改訂版から、追加された。テキスト<9次:P88>(P90)

・ブレージングプレート凝縮器の伝熱プレートは、銅製の伝熱プレートを多層に積層し、それらを圧着して一体化し強度と気密性を確保している。
 H26学/05 H30学/05 一体化し強度と 句読点があるだけ)答え

【×】 間違いは2つ。正しい文章にしておきましょう。テキスト<9次:P88左>

   ブレージングプレート凝縮器の伝熱プレートは、ステンレス製の伝熱プレートを多層に積層し、それらをろう付け(ブレージング)して一体化し強度と気密性を確保している。

 今後、このブレージングプレート凝縮器は結構出題されるかもしれません。熟読してください。

・プレージングプレート凝縮器は、一般的に小形高性能であり、冷媒充てん量が少なくてすみ、冷却水側のスケール付着や詰まりに強いという利点がある。 H28学/05 答え

【×】 冷却水側のスケール付着や詰まりしやすい感じがしますよね!?テキストは<9次:P88右上> 正しい文章にしておきましょう。

   プレージングプレート凝縮器は、一般的に小形高性能であり、冷媒充てん量が少なくてすむ。しかし、冷却水側のスケール付着や詰まりに注意する必要がある。

・ブレージングプレート凝縮器は、板状のステンレス製伝熱プレートを多数積層し、これらを、ろう付けによって密封した熱交換器である。この凝縮器は、小形高性能であり、冷媒充てん量が少なくて済むことなどが特徴である。 R02学/05 答え

【◯】 上記2つの問題文章を上手にまとめた良い日本語の問題です。テキスト<9次:P88>

 05/10/01 07/12/12 08/02/03 09/03/20 10/09/28 11/08/01 12/04/16 13/10/09 14/09/13 15/07/20 16/12/02 17/12/30 19/12/14  20/11/26 22/04/06 23/05/15

修正・訂正箇所履歴

【2016/06/29 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応。解説も少々見直し済み。(2016(H28)/12/02)
  • 「構造」内の問題で「保安」で出題された「凝縮圧力の上昇」の問題は、新規ページ「水冷凝縮器(凝縮圧力異常上昇)」作成し移動した。
  • 二重管凝縮器を、1ブロックにまとめた。(2017/03/10)
  • 「学識」問7(熱交換器・運転状態)一部の問題は、「熱交換器」ページへお引っ越し。(2017/03/12)
  • 問題分類と解説を少々見直し。(2019(R1)/06/02)
  • 図を追加、及び解説見直し。(2019(R1)/09/14)
  • 図を追加、及び解説見直し。(2019(R1)/12/14)
  • 分類など、全体的に見直し。(2022(R04)/04/05)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応(23(R05)/04/07)
  • 「ブレージングプレート凝縮器」を「構造と伝熱(2)」より移動追加。(23(R05)/05/15)

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【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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