蒸発式は出題数が割と多いです。でも、素直な問題に思えます。テキストを一度読んでおけば大丈夫かと思います。
「上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会」<9次:P82の表7.1、P93~94、P213の表15.4>(<8次:P82の表7.1、P93、P204の表15.1>)
9次改訂版では、構造と伝熱作用の説明が全面的に書き換えられています。令和4年度までの問題文は8次改訂版までの文章で組み立てられていますが、 令和5年度からは問題が大きく変わるかもしれません。(2023(R05)-08-12記ス)
9次改訂版を元に、予想問題(by echo)を作ってみます。(2023(R05)-08-12記ス)
テキストに沿って問題を作ってみました。(2023(R05)/08/12)
─── 構造 P82,P93~94 ───
・蒸発式凝縮器は、冷却管表面に散布した冷却水の蒸発顕熱を利用して冷却する。外気の湿球温度が高いほど凝縮温度が下がる。 by echo
【×】 テキスト<9次:P94左上>と<9次:P82左下>
蒸発式凝縮器は、冷却管表面に散布した冷却水の蒸発潜熱を利用して冷却する。外気の湿球温度が高いほど凝縮温度が下がる。
【<復習>】 ← クリック
顕熱 : 物体の状態変化なしに温度のみを変化させる熱。
潜熱 : 物体の状態が変化する場合に必要な熱量。(凝縮潜熱:温度変化なしに気体(高圧ガス)が液体に変化する。)
・蒸発式凝縮器の、上部から散布された冷却水は循環使用され、その水分蒸発量は冷却塔の場合と同じである。また、補給水が必要であり水質維持のために連続的に多量の水の入れ替えが必要である。 by echo
【×】 前半は、テキスト<9次:P82左下>から、後半は<9次:P94左上>から。
蒸発式凝縮器の、上部から散布された冷却水は循環使用され、その水分蒸発量は冷却塔の場合と同じである。また、補給水が必要であり水質維持のために少量ずつ連続的に水の入れ替えが必要である。
というわけで、「合わせた水量」云々が無くなってしまった。しかし、令和6年度でも従来と同様の問題が出題されたので留意されたい。(2024(R06)/11/28記ス)
・蒸発式凝縮器は、主として水の蒸発潜熱で冷媒蒸気を凝縮している。冷却水の補給量は、一般的には蒸発によって失われる量と飛沫となって失われる量の和に等しい。 H27学/05 R04学/05 R06学/05(「一般的には蒸発」👉️「一般的に、蒸発」、他同じ。)
【×】 テキストは<9次:P94 左上(8次:P93 左真ん中辺り)>正しい文章にしましょう。(8次改訂版テキストを参考にしたものです。)
蒸発式凝縮器は、主として水の蒸発潜熱で冷媒蒸気を凝縮している。冷却水の補給量は、一般的には蒸発によって失われる量と不純物の濃縮防止のための量、および飛沫となって失われる量の和に等しい。
・蒸発式凝縮器は、主として冷却水の潜熱を利用し、冷媒蒸気を凝縮、液化している。冷却水の補給量は、一般には、蒸発によって失われる量と飛沫となって失われる量の和に等しい。 R01学/05
【×】 これもヤバイかも。なんとなくあっているようだし。(令和元年度の問題は前半部が少し言い回しがちがう。)「不純物の濃縮防止のための量」(←大気中の不純物が混じり込む)を加えます。
蒸発式凝縮器は、主として冷却水の潜熱を利用し、冷媒蒸気を凝縮、液化している。冷却水の補給量は、一般には、蒸発によって失われる量と不純物の濃縮防止のための量、および飛沫となって失われる量の和に等しい。
・蒸発式凝縮器は、主として冷却水の蒸発潜熱で冷媒蒸気を凝縮している。冷却水の補給量は、一般に、蒸発によって失われる量と飛沫となって失われる量の和に等しい。 R02学/05
【×】 微妙に違う文面が続いて嫌んなっちゃいますね。正しい文章にしてみましょう。
蒸発式凝縮器は、主として冷却水の蒸発潜熱で冷媒蒸気を凝縮している。冷却水の補給量は、一般に、蒸発によって失われる量と不純物の濃縮防止のための量、および飛沫となって失われる量の和に等しい。
・蒸発式凝縮器では、主として水の蒸発潜熱によって冷媒蒸気が冷却され凝縮している。冷却水の補給量は、一般に、蒸発によって失われる量、不純物の濃縮防止のための量および飛沫となって失われる量の和に等しい。 R03学/05
【◯】 令和になって3連チャン!!今度は【◯】ですw。
─── 伝熱 P82,P94 ───
・蒸発式凝縮器は、冷却管内に冷媒蒸気を流れ管表面に散布された冷却水は、冷媒蒸気から熱を奪って冷却作用のほとんどは蒸気顕熱により冷媒蒸気が凝縮する。 by echo
【×】 顕熱ではなく潜熱です。 テキスト<9次:P94 7.5.2 蒸発式凝縮器の伝熱冒頭~10行目>
・蒸発式凝縮器は、主として冷却水の潜熱を利用し、冷媒蒸気を凝縮、液化している。冷却水は循環使用され、冷却水はほぼ一定の温度で循環する。よって、水冷式凝縮器に比べて凝縮温度を低くすることができる。また、冬季の外気温が低くく凝縮温度が下がりすぎる場合は、散水を止めて、空冷凝縮器として使用できる。 by echo
【◯】 ちょと長いけど正解。 テキスト<9次:P94 7.5.2 蒸発式凝縮器の伝熱10行目~17行目>
・蒸発凝縮器は、空冷凝縮器より凝縮温度を低く保つことができる。しかし、水を使用するため、水質管理やポンプなどの保守が必要となる。フルオロカーボン装置では空冷凝縮器が多く用いられる。 by echo
【◯】 題意の通り! テキスト<9次:P94 7.5.2 蒸発式凝縮器の伝熱19行目~>
・蒸発凝縮器は、空冷凝縮器より凝縮温度を低く保つことができる。よって、圧縮機吐き出しガス温度が高いアンモニア冷凍装置に多く使用されている。 by echo
【◯】 題意の通り! テキスト<9次:P94左 下から7行目>
・蒸発式凝縮器では、主として水の蒸発潜熱によって冷媒蒸気が冷却され凝縮している。冷却水の補給量は、蒸発によって失われるだけの非常に少ない補給水量でよい。しかし、冷却塔と同様に飛散水や水質管理のための補給水量が必要となる。 by echo
【◯】 ぅむ。 テキスト<9次:P94 7.5.2 蒸発式凝縮器の伝熱>の最後。
・蒸発式凝縮器は、蒸発分を補うだけの非常に少ない補給水量で冷媒蒸気を冷却することができるが、飛散する水や水質管理のための補給水量は必要である。 R05学/05
【◯】 ぅむ ❣ テキスト<9次:P94 7.5.2 蒸発式凝縮器の伝熱>の最後。
─── 凝縮温度特性 P94 ───
ここは8次改訂版と変わっていない。冷却水温度、凝縮温度、凝縮負荷、などの関係を計算式をもとに説明しているが、2種冷凍試験ではココからの出題は過去見当たらない。
なので、たぶん、1種冷凍試験で出題される領域と思われる。出題される年度があったら ───── ご愁傷様です。(2023(R05)/08/16記ス)
以下、8次改訂版(令和4年度)までの問題文となります。9次改訂版(令和4年11月発行)で結構改編されたので留意されたい。(構造や特性などは変わっていないので参考になる過去問もあるでしょう。)
・蒸発式凝縮器の冷却管表面に散布する冷却水は、冷却管の表面が全面にわたって濡れるだけの水量を必要とする。 H13学/05
【◯】 感覚的に分かる!?
テキスト<8次:P93左上9行目~>ズバリ的。
【9次改訂版について】 ← 続きはクリック
9次改訂版(令和4年11月8日改訂)では、この文章はごっそり削除されている。同様の問題は今後出題されないだろう。(2023(R05)/08/12記ス)
・蒸発式凝縮器は、冷却水の蒸発潜熱を利用して冷媒蒸気を冷却・液化している。このため空冷式と比べて、凝縮温度は高くなる。 H16学/05
【×】 蒸発式凝縮器の特徴の一つ、空冷式よりも蒸発式は凝縮温度を低くできる!これは、重要。
でも、フルオロカーボン冷凍装置では大容量でないと不経済。
テキスト<9次:P82左下~>(<8次:P82左下>)を読んで。
さらに、<9次:P82の表7.1>(<8次:P82の表7.1>)と<9次:P213の表15.4>(P204の表15.1>)を、一度じっくり見ておけば最高。
以下、9次改訂版のページは記してありません。
・蒸発式凝縮器は、冷却水の顕熱を利用して冷媒蒸気を凝縮、液化し、空冷式に比べて熱通過率の値が大きい。 H17学/05
【×】 「…冷却水の潜熱を利用して…」
「顕熱」と「潜熱」の違い・・、引っ掛からないようにね。
「上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会」<8次:P82左下>
<復習>
顕熱 : 物体の状態変化なしに温度のみを変化させる熱。
潜熱 : 物体の状態が変化する場合に必要な熱量。(凝縮潜熱:温度変化なしに気体が液体に変化する。)
・蒸発式凝縮器は、冷却管内に冷媒蒸気を流し、外面に冷却水を散布すると、冷媒蒸気から熱を奪って冷却水の一部が蒸発し、主としてその蒸気潜熱で冷媒蒸気が凝縮する。 H22学/05
【◯】 (冷却管内に冷媒蒸気を)水冷凝縮器と混同しないように。蒸発式のイメージを作り上げよう。「上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会」<8次:P93左上>
・蒸発式凝縮器では、冷却管内に冷媒蒸気を流し、外面に冷却水を散布しながら送風すると、冷媒蒸気から熱を奪って冷却水の一部が蒸発し、主としてその蒸発潜熱で冷媒蒸気が凝縮する。 H21学/05
・蒸発式凝縮器では、冷却管内に冷媒蒸気を流し、外面に通風しながら冷却水を散布すると、冷媒蒸気から熱を奪って冷却水の一部が蒸発し、主としてその蒸発潜熱で冷媒蒸気が冷却されて凝縮する。 H29学/05
【両方 ◯】 はぃ! 返事は良くても、まぁ、正しいかどうか確信がないと、本番で心配だけど。テキスト<8次:P93 (図7.19 蒸発式凝縮器)>の絵を良く見てイメージしておこう。
・蒸発式凝縮器の冷却管内を流れる冷媒蒸気は、冷却管外面に散布される冷却水に熱を与えてその一部を蒸発させ、主にその蒸発潜熱により凝縮する。 H24学/05
【◯】 ぅむ。
平成21年度の変形版。テキストは<8次:P93 (7.5.1 構造と伝熱作用)>の冒頭部分にズバリ的。
・蒸発式凝縮器は、主として冷却水の顕熱を利用し、冷媒蒸気を凝縮、液化している。冷却水は循環使用され、補給水量は冷却塔の場合と同じくわずかである。しかし、空冷式凝縮器に比べて熱通過率の値が大幅に向上しているので、凝縮温度を低くすることができる。 H23学/05
【×】 長いw 合格率14.6%魔のH23だ。 主として冷却水の潜熱を利用し
勉強してないと、顕熱、潜熱の違いに気が付かないかもしれない。ぁ、あ、あなたなら!大丈夫。<8次:P93左上>
・蒸発式凝縮器は冷却水の蒸発潜熱を利用して冷媒蒸気を凝縮しており、冷却塔を用いた場合よりも多量の冷却水を消費するが、空冷式に比べて凝縮温度を低くすることができる。 H25学/05
【×】 ぅ~ん。 正しい文章にしてみましょう。
蒸発式凝縮器は冷却水の蒸発潜熱を利用して冷媒蒸気を凝縮しており、冷却塔を用いた場合と同様に冷却水は循環使用され消費量は僅かである。空冷式に比べて凝縮温度を低くすることができる。
05/05/21 05/10/01 07/12/12 08/02/03 09/03/20 10/07/02 12/04/20 13/10/09 14/08/23 16/09/09 17/12/30 19/12/31 20/11/26 22/04/06 23/08/16 24/11/28
【2016/07/05 新設】(← 履歴をここに作った日)