凝縮伝熱面積の確保 P210~P211(P200~P201)

 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:15章の「15.2.1 凝縮伝熱面積の確保 P210~P211(P200~P210)」>から出題される、伝熱面積、凝縮温度についての問題があります。

  • 15.2 高圧部の保守管理 P210~P219
    • 15.2.1 凝縮器伝熱面積の確保 P210~P211
      • (1)各種凝縮器の伝熱面積
      • (2)凝縮温度
      • (3)伝熱面積と凝縮温度

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

(1)各種凝縮器の伝熱面積 P210(P200)

・空冷凝縮器の伝熱面積は、水冷凝縮器よりも大きくする。これは空気側の熱伝達率値が水側の熱伝達率の値より小さいことによる。 H16保/02 答え

【◯】 イメージして。水より空気の方が熱伝達率が小さい。なので、面積を大きくする。テキストにズバリ的にはないが、テキスト<9次:P210左 ((1) 各種凝縮器の伝熱面積)>から読み解くべきだろう。

・空冷凝縮器の伝熱面積は蒸発式凝縮器よりも大きくなる。これは空気側の熱伝達率の値が、水の蒸発潜熱を利用する蒸発式凝縮器の蒸発側の熱伝達率の値より小さいことによる。 H20保/02


・空冷凝縮器の伝熱面積は、同じ冷凍能力で比較した場合には、蒸発式凝縮器よりも大きくなる。これは、空冷凝縮器の空気側熱伝達率が水の蒸発潜熱を利用する蒸発式凝縮器の蒸発側熱伝達率よりも小さいことによる。 R01保/02 R04保/02答え

【両方 ◯】 空気の熱伝達率は小さいので空冷凝縮器の伝熱面積は大きくしなければならない。 テキスト<9次:P210左 ((1) 各種凝縮器の伝熱面積)


(2)凝縮温度

・水冷凝縮器の凝縮温度に対する凝縮負荷の Φk、伝熱面積 A、冷却水入口温度 tw1、冷却水出口温度 tw2 および熱通過率 K の間の関係から、冷媒と冷却水との温度差を算術平均とすると、凝縮温度 tk は次式で表される。
2種保安平成25年問2(tkを求める式)の問題計算式       H25保/02 答え

【×】 この問題はココに置いておくよ…。(2種にしては、疲れる問題だ)
テキストは<9次:P210右 (15.2)式>だ。
tk = Φk / K A  tw1 + tw2 / 2  だね。


(3)伝熱面積と凝縮温度

 出題数が多いです。

・冷媒を過充てんすると、受液器兼用水冷凝縮器の凝縮に有効な伝熱面積が小さくなる。 H15保/02 答え

【◯】 液冷媒に浸かされる冷却管の本数が増加してしまうため、伝熱面積が減少し凝縮温度が上昇する。テキスト<9次:P210右>、過充てん<9次:P197右下>

・冷媒を過充てんすると、受液器兼用の水冷凝縮器では凝縮に有効な伝熱面積が減少し、凝縮温度が高くなるが、液は過冷却されることがある。 H16保/02 答え

【◯】 冷却水が通る伝熱管が冷媒液に漬かされると、冷媒液は冷却水によって過冷却される。(何となく理解する。)テキスト<9次:P210右 下から10行目~>

・受液器兼用の水冷シェルアンドチューブ凝縮器の装置に冷媒を過充てんすると、余分な冷媒は凝縮器内に貯えられるため、凝縮に有効に使われる冷却管の伝熱面積が減少し、凝縮圧力が上昇するが出口冷媒液の過冷却度は大きくなる。 H19保/02 答え

【◯】 ぅむ。テキスト<9次:P210右 下から10行目~>

・受液器兼用のシェルアンドチューブ凝縮器を備える装置に冷媒を過充てんすると、凝縮に有効に使われる冷却管の伝熱面積が減少して凝縮温度が上昇し、凝縮器から出る冷媒液の過冷却度は小さくなる。 H24保/02 R02保/02 答え

【×】 冷媒を過充てんすると、過冷却度は大きくなるのです。テキスト<8次:P201左下から4行目>

・水冷凝縮器に凝縮液が滞留して冷媒液面が上昇し、凝縮に有効な冷却管の伝熱面積が減少すると、凝縮圧力が低下する。 H21保/02 答え

【×】 ぅむ。テキスト<9次:P210右 下から10行目~>

水冷凝縮器に凝縮液が滞留して冷媒液面が上昇し、凝縮に有効な冷却管の伝熱面積が減少すると、凝縮温度と凝縮圧力が上昇する。

・受液器兼用水冷凝縮器内に多量の冷媒液が滞留して、冷媒液面が上昇すると、冷媒液の過冷却度が増大するので、冷凍装置の成績係数が大きくなる。 H22保/02 答え

【×】 成績係数は大きくならない。(成績係数が大きいというのは、効率が良くなるということだからね)

・受液器兼用のシェルアンドチューブ凝縮器は、冷凍装置に冷媒を過充てんすると、余分の冷媒液は凝縮器内に貯えられて、冷媒液に浸される冷却管の本数が増加するため、凝縮に有効に使われる冷却管の伝熱面積が減少し、凝縮温度が上昇する。 H25保/02 答え

【◯】 ぅむ。

・受液器を持たない空冷凝縮器では、冷媒を過充てんすると、凝縮の温度と圧力が高くなり、出口液の過冷却度が大きくなる。 H23保/02


・受液器をもたない空冷凝縮器を用いた冷凍装置では、冷媒を過充てんすると、凝縮の温度と圧力が高くなり、凝縮器の出口液の過冷却度が大きくなる。 H29保/02


・受液器を持たない空冷凝縮器を用いた冷凍装置において、冷媒を過充てんすると、凝縮するときの温度と圧力が高くなり、凝縮器出口冷媒液の過冷却度が大きくなる。 H30保/02 答え

【全部 ◯】 「面積」という文字がないけど、過充填すると有効に使われる伝熱面積が減少する。そんなわけでこの問題はココに置いておく。
 テキスト<9次:P210右>を読むしかない。

・受液器兼用の水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器を備える装置に冷媒を過充てんすると、凝縮に有効に使われる冷却管の伝熱面積が減少して凝縮温度が上昇し、凝縮器から出る冷媒液の過冷却度は小さくなる。  R03保/02 R05保/02(「受液器兼用のシェルアンドチューブ凝縮器を備える冷凍装置に」、他同じ) 答え

【×】 このページをココまで解いた方は楽勝でしょう!?テキストは、<9次:P210右 (3) 伝熱面積と凝縮温度>冒頭から。正しい文章にしてみましょ。

受液器兼用の水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器を備える装置に冷媒を過充てんすると、凝縮に有効に使われる冷却管の伝熱面積が減少して凝縮温度が上昇し、凝縮器から出る冷媒液の過冷却度は大きくなる。

 20/01/03 20/11/21 22/03/01 23/12/09

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修正・訂正箇所履歴

【2020(R02)/01/02 新設】(← 履歴をここに作った日

  • ページ分割、及び、文章見直し。(2020(R02)/09/09)
  • 見出しなど見直し。(2022(R04)/03/01)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応(23(R05)/10/11)
  • 解説など、文章見直し(23(R05)/10/11)

【参考文献・リンク】

  • 初級受検テキスト:日本冷凍空調学会
  • 上級受検テキスト(上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例:日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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