往復圧縮機 P34~P37

 テキスト<9次(8次):P34~P37 (3.1.1 往復圧縮機)>の、(1)開放圧縮機、(2)密閉圧縮機(半密閉)、(3)多気筒圧縮機、(4)コンパウンド圧縮機(次ページ)の問題を集めてあります。

 往復圧縮機の、各種類の構造や特徴を把握しましょう。

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

往復圧縮機全般 P34~P36

 

・単段往復圧縮機では、潤滑油が吸込み側の低圧部分にあり、始動時や液戻り時にオイルフォーミングを発生しやすい。 H24学/03 答え

【◯】 テキスト<9次(8次):P36左真ん中辺り>に書いてある。
 単段というのは単段冷凍サイクル(<9次:P15 図2.2>)ということと思われる。(テキストには「単段往復圧縮機」という語句は見あたらない。)

・往復圧縮機は、気筒数の多少にかかわらず、一般に容量制御機構を備えており、潤滑方式として油ポンプによる強制給油式を装備している。 H25学/03

・往復圧縮機は、気筒数の多少にかかわらず、容量制御機構を備えており、潤滑方式として油ポンプによる強制給油式を用いている。 H30学/03 答え

【両方 ×】 容量制御機構は、大きな特徴です。H25を正しい文章にしてみましょう。テキスト<9次:P36左上>

往復圧縮機は、1台当たりの気筒数が1~2の小形の圧縮機は、一般に容量制御の機構がなく、潤滑方式にはねかけ式を用いている。また、気筒数4,6,8の多気筒圧縮機では 、一般に容量制御装置をもち、潤滑方式は油ポンプによる強制給油式を用いている。


開放圧縮機 P36左

「開放圧縮機」概略図
「開放圧縮機」概略図

・開放圧縮機は、動力を伝えるための軸が圧縮機ケーシングを貫通して外部に突き出ている。  by echo 答え

【◯】 これは、令和3年3冷で出題されたもの。
 テキスト<9次:P34左(開放型圧縮機)>に記されているが、図を見てなんとなくわかるかな。

・開放型圧縮機は、故障した場合でも内部部品の補修鋼管が可能である。主に大形の圧縮機に利用されている。 by echo 答え

【◯】 機器が大形になりそうなイメージです。 テキスト<9次:P36左下>


密閉圧縮機 P36右

「密閉圧縮機」概略図
「密閉圧縮機」概略図

・全密閉圧縮機は、圧縮機と電動機が溶接された一体の容器(ケーシング)内に組み込まれ完全に密閉されている。 by echo 答え

【◯】 完全に密閉されている。なんとなく凄いです。テキスト<9次:P36右 冒頭>

・全密閉圧縮機は、駆動容量15kW未満程度の小形冷凍機の殆どに使われている。冷媒としてフルオロカーボン冷媒を使用しており、電動機の冷却に冷媒を用いている。故障した場合は、内部部品の補修や交換は容易にできる。 by echo 答え

【×】 故障した場合は、内部部品の補修や交換は不可能である。テキスト<9次:P36右 4行目~>


半密閉圧縮機 P36右12行~

 半密閉往復圧縮機のイメージ図を作ってみました。
「半密閉往復圧縮機」概略図
「半密閉往復圧縮機」概略図

・半密閉形圧縮機は、分解可能な容器内に圧縮機と電動機が組み込まれ密閉されており、構造的にボルトを外し内部部品の交換や補修が可能である。 by echo 答え

【◯】 密閉と違って、部品の交換や補修ができることが利点ですね。テキスト<9次:P36右 12行目~>

・半密閉圧縮機の電動機の冷却は、水または冷媒が用いられ、主な使用冷媒はフルオロカーボン(R134a、R410A等)である。近年ではアンモニアでも使用できる材質の電動巻線を使用した半密閉圧縮機がある。 by echo 答え

【◯】 そういうことです。テキスト<9次:P36右 14行目~>

・半密閉圧縮機の駆動容量は全密閉圧縮機より小さい、50kW程度までのものが主流である。 by echo 答え

【×】 あまり良くない問題ですね。:( テキスト<9次:P36右 下方>

半密閉圧縮機の駆動容量は全密閉圧縮機より大きい、50kW程度までのものが主流である。


参考

 平成13年度の約20年前の問題です。現行テキスト(8次改訂版)にはこのような文章がありません。でも、正解ですよ。:)

・R22半密閉圧縮機を用いた低温冷凍装置では、高圧冷媒液をキャピラリチューブまたは液噴射弁を用い、圧縮機吸込み側へ液を少量噴射して、過熱を防止することがある。 H13学/03
 答え

【◯】 この問題は出題されないと思う。7次改訂版では、R22やR12の語句は無い、問題の文章もない。7次では、半密閉の冷却の説明は「水冷または冷媒が用いられる」で終わり。


多気筒圧縮機 P36~P37

 容量制御機構での「気筒」をイメージしておくこと、次ページのコンパウンド圧縮機の「気筒」絡みの問題と混同しないように。

・多気筒圧縮機の大きな特徴は、容量制御機構をもっていることである。 H15学/03 答え

【◯】 冷凍負荷によって吸込み弁の開閉を行い気筒数を変えることができる。(多気筒圧縮機の容量を制御するアンローダ機構)テキスト<9次:P36右下~P37左上>

・多気筒圧縮機に取り付けられている容量制御装置(アンローダ)は、圧縮機始動時の負荷軽減装置としても使用される。 H24学/03答え

【◯】 そうだね、良い特徴だ。問題も素直で良い問題。テキストは<9次:P37左上>

・多気筒圧縮機の大きな特徴は、容量制御機構を持っていることである。冷凍負荷が大きく減少した場合、一般的に、圧縮機の複数の気筒の内のいくつかの気筒の吐出し弁を開放して、圧縮の作動をする気筒数を変えることにより圧縮機の容量を減らす。  H28学/03 R02学/03(  一般に 、  気筒のうち 他同じ。 )答え

【×】 吸込み弁です!吐出し弁を開放するとヤバイ気がしますよね。テキストは<9次:P37左上辺り>


コンパウンド圧縮機 P37

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修正・訂正箇所履歴

【2016/06/25 新設】(← 履歴をここに作った日

  • 8次改訂版へ見直し済み・解説見直し。(2016(H28)/11/03)
  • 全般的に見直し。(2019(R1)/09/09)
  • 分類見直し、画像追加、予想問題 by echo 追加。(2022(R04)/03/30)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応。(2023(R05)08/22/)

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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