据え付けも無事終了した後、ホッとしたのもつかの間、試運転前の冷媒設備内の真空乾燥と、使用冷媒の取り扱い、漏洩についての問題である。
【 -- 注 -- 】 9次改訂版より「14.1.7 特定不活性ガス」が追加された。
『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。
試運転前の真空乾燥です。
・フルオロカーボン冷凍装置の真空乾燥では、水分が残留しやすい箇所を加熱して、水分を蒸発させると効果的である。 H15保/9
【◯】 そうだね。テキスト<9次:P194左上 1行目(「14.1.5 真空乾燥」の最後。)>
・フルオロカーポン冷凍装置内を真空乾燥する場合、真空度が増すにしたがって水の飽和温度は下がるので、水分が残留している可能性のある部分を加熱すると効果的である。 H24保/9
【◯】 ココにも、置く。(真空試験にも置く) テキスト<9次:P194左上 1行目(「14.1.5 真空乾燥」の最後。)>
・フルオロカーボン冷媒設備では、設備内に水分が混入すると正常な運転を阻害するため、事前に真空乾燥が必要である。その際、水蒸気飽和圧力曲線を参考にして、所定以下の真空度を保持しながら、必要に応じて、設備内の水分残留場所の加熱を実施する。 R02保/10
【◯】 長文だけど分かりやすい文面だね。(疲れるけど)
・フルオロカーボン冷媒設備では、設備内に水分が混入すると正常な運転を阻害するため、事前に真空乾燥が必要である。その際、水蒸気飽和圧力曲線を参考にして、0.6 kpa以下の高真空度を保持しながら、必要に応じて、設備内の水分残留場所の加熱を実施する。 by echo
【◯】 9次改訂版から「0.6 kpa以下の高真空度」が記された。テキスト<9次:P194右 真ん中下方>
・真空ポンプの能力が十分に大きいと速く真空になるため、設備内が0.6 kpa以下の高真空になったら直ちに真空ポンプを止める。 by echo
【×】 ダメです。
真空ポンプの能力が十分に大きいと速く真空になるが、水分の蒸発には時間がかかる ため、設備内が0.6 kpa以下の高真空になっても 直ちに真空ポンプを止めないで、長時間の真空ポンプ運転が必要である。
・水の蒸発圧力(飽和圧力は)0℃ のとき0.6 kpaであるが、冷媒設備の周囲温度が 0℃ 以上ないと、設備内の水分が蒸発しない。その際、水蒸気飽和圧力曲線を参考にして、所定以下の真空度を保持しながら、必要に応じて、設備内の水分残留場所の加熱を実施する。 by echo
【◯】 9次改訂版から「0℃」「0.6 kpa」が記された。テキスト<9次:P194右 真ん中下方,図14.1>
テキスト<9次:P195左>の漏洩に関する問題が主です。
参考に、冷媒の種類がわかるように下記の表を掲載しておく。健闘を祈る!
冷媒の毒性と燃焼性の比較表(R404A は R410A と同等。)
・冷媒の漏えい時の注意事項として、酸素濃度 18% 以下での酸欠に対する危険、空気に対する比重などがある。R410A、R404A、R744などの空気よりも重い冷媒では床面での滞留に注意が必要である。 H25保/10
【◯】 その通り! 酸素濃度18%…云々は、テキスト<9次:P195左 (g)>です。
さて、
R410A、R404A、R744(二酸化炭素)などの空気よりも重い…
云々は、直接的にテキストに記述されていない。いろいろ探してみると、テキスト<P226 (16.1 冷媒の待機排出抑制)>辺りがひっかかるので引用しておきましょう。
── <9次:P226右 真ん中辺り>より引用 ──
なお,自然冷媒に限らずアンモニアを除く冷媒のほとんどは,空気よりも重いので機器から大量に放出されると,床面に滞留しやすく,酸欠の危険がある.
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これを思い出せばこの問は自信を持って解けるかも。「R 717」がアンモニアだよ。これ必須。
・冷凍装置から冷媒ガスが漏れた場合、大気中で空気よりも重い冷媒であるR 404A、R 407C、R 717、R 744は、床面での滞留に注意が必要である。 H28保/10
【×】 この問題ヤバイかも。だって、冷媒番号を把握してないと解けない。R 404A、R 407Cは、HFC系非共沸点混合冷媒で要するにフルオロカーボンだから空気より重い。R 744は二酸化炭素で空気より重い。
R 717はアンモニアだから空気より軽いので、床面には滞留しない。
平成28年度最大の難問?でした。テキスト的には<9次:P195左 (g)>です。冷媒番号は記されていない、<9次:P64~>の表5.2、表5.3、表5.4を見ればいいかな。
・冷媒の漏えい時の注意事項として、酸欠に対する危険、空気に対する比重などがある。冷凍装置から冷媒ガスが漏れた場合、大気中で空気よりも重い冷媒であるR 404A、R 407C、R 410A、R 717は、床面での滞留に注意が必要である。 R03保/10
【×】 同様の問題5年ぶり!冷媒の記号覚えてました?
R717はアンモニアですから、空気より軽いですね。少々反則気味の出題かな。
9次改訂版で新しく分類された項目です。テキスト<9次:P195左~右 >
・冷媒設備の全冷媒充てん量(kg)を、冷媒を内蔵している機器を設置した最小室内容積(m 3)で除した値が、限界濃度以下でなければならない。 H23保/10
【◯】 高圧ガス保安協会自主基準のようです。テキスト<9次:195左 「(1)フルオロカーボン冷媒・アンモニア冷媒共通する取扱い」>の冒頭。
・冷媒ガスの限界濃度は、冷媒設備の全冷媒充てん量(kg)を、冷媒を内蔵している機器を設置した最大室内容積(m 3)で除した値である。 H28保/10
【×】 ぅむ。ある意味素晴らしい問題かも。下記に正しい文章を記ス。
冷媒ガスの限界濃度は、冷媒設備の全冷媒充てん量(kg)を、冷媒を内蔵している機器を設置した最小室内容積(m 3)で除した値である。
テキスト<9次:195左 「(1)フルオロカーボン冷媒・アンモニア冷媒共通する取扱い」>の冒頭。
・冷媒設備の全充てん量(kg)を、冷媒を内蔵している機器を設置した部屋の床面積(m2)で除した値が、冷媒ガスの種類ごとに定めた限界濃度よりも小さな値となるように、冷凍装置の設置を決める。 R04保/10
【×】 ぁ~!思わず【◯】にしてしまった。引っかかった!!と、なりませんように。
冷媒設備の全充てん量(kg)を、冷媒を内蔵している機器を設置した最小室内容積(m 3)で除した値が、冷媒ガスの種類ごとに定めた限界濃度よりも小さな値となるように、冷凍装置の設置を決める。
9次改訂版では、冷媒ごとに分類されました。テキスト<9次:P189右>
・フルオロカーボン冷媒R410Aは、毒性が低く、可燃性もなく、漏えいしても酸素欠乏の危険性もないので安全である。 H20保/10
【×】 漏洩して酸素欠乏の危険性があり油断禁物である!テキスト<9次:P195右 真中辺り>
・フルオロカーボン冷媒は安定した冷媒で、一般的に毒性は弱く可燃性もないものが多いが、大気中では空気よりも重く、漏れると床面に滞留するので酸欠に対する注意が必用である。 H21保/10
【◯】 ぅむ、素直な良い問題。
・フルオロカーボンは安定した冷媒であり、一般的に毒性は低く可燃性もないが、大気中では空気よりも重く、漏れると床面付近に滞留するので、酸欠に対する注意が必要である。 H30保/10
【◯】 その通りです。<解説略>
・フルオロカーボン冷媒を用いた圧力容器や配管を修理する際に熱を加える場合は、フルオロカーポン冷媒は燃焼性がなく、内部残留ガスの考慮をしなくてよい。
H26保/10
【×】 なんとなく、×にしますよね。
フルオロカーボンは火や高温に物体に触れると有毒ガスがを生成する。油断するとヤバイのだ。テキストは<9次:P195右 真ん中チョと下あたり>だy。
テキストは、<9次:P195右下~P196右>という感じで半ページ以上をアンモニア冷媒について記述されている。結構重要なのでしょう。
・アンモニアは毒性ガスであり、可燃性ガスであるが、限界濃度以下であれば爆発のおそれはない。 H23保/10
【◯】 ぅむ。
テキストではこの文に対して直接的な箇所はない。テキスト<9次:P196左 4行目>辺りから読み取る。「防爆性能を要求していない」ようするに爆発のおそれがない。ということだろう。
・アンモニア冷凍装置から冷媒が漏れると、微量の漏れでもアンモニアの強い刺激臭によって早期に発見できるので、アンモニア冷媒設備には漏えい検知警報設備を設けなくてもよい。 H16保/10 H25保/10
・アンモニア冷媒は強い刺激臭があり、微量の漏れも早期に発見できて処置ができるので、漏えい検知警報設備を設けなくてもよい。 H21保/10
・アンモニア冷媒は、毒性ガスであり可燃性ガスであるが、強い刺激臭があるため、一般的なアンモニア冷凍装置には、漏えい検知警報設備を設ける必要はない。 H29保/10
【全部 ×】 設けなければなりません!テキスト<9次:P196左 真ん中チョと下辺り>から読んで。
参考)
冷凍保安規則第7条第1項第十五号 「十五 可燃性ガス又は毒性ガスの製造施設には、当該施設から漏えいするガスが滞留するおそれのある場所に、当該ガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設けること。ただし、吸収式アンモニア冷凍機に係る施設については、この限りでない。」
・アンモニア冷媒の漏れは配管系統で起きた例があり、温度変化の著しい配管系統や断熱のために被覆されている部分は特に注意を要する。 H24保/10
【◯】 その通りだ! テキスト<9次:P196左下~右上>にズバリ的。
9次改訂版より追加された。過去問はないので予想問題(by echo)を追加する。(2023(R05)/10/11記ス)
・特定不活性ガスは、許可届け出など法的な事項は不活性ガスと同じであるが、製造設備での使用には可燃性ガスと同様遵守すべき技術上の基準が定められている。 by echo
【◯】 テキスト<9次:P196右 下方>
参考に、特定不活性ガスが掲載された表をおいておきます。
HFC- R 32、HFO- R 1234yf,R 1234zeは微燃性
冷媒の毒性と燃焼性の比較表(R404A は R410A と同等。)
・R 32、R 1234yf、R 1234ze は「微燃性」である。また、冷凍保安規則により「特定不活性ガス」に指定されている。 by echo
【◯】 「法令」試験でも、「特定不活性ガス」が登場します。この3つは覚えましょう。
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