鏡板の形状・応力集中 P179,P180(P172,P173)

 テキストの図で、形状はすぐに覚えられると思います。

    『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』
  • <9次:P179(8次:P172) (12.9 圧力容器の鏡板の形状) 表12.9 鏡板の種類
  • <9次:P180(8次:P173) (12.11 応力集中)

 応力集中は形状とのコラボ問題になる感じですが、美味しい問題かも。

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

鏡板の形状について

 鏡板の形状の概略図を描いてみました。問題文を読みながら見てください。

平鏡板、皿形鏡板、半球形鏡板の概略図
平鏡板、皿形鏡板、半球形鏡板の概略図

 過去年代順に並べてあります。ポツリポツリと出題されてます。

・圧力容器の皿形鏡板の隅の丸みの半径が小さいと、応力集中により大きな応力がかかりやすい。 H13学/10 答え

【◯】 形状や板厚が違う部分などには、局部的に大きな圧力がかかる(存在する。)。 これを応力集中という。皿形鏡板の場合、半径が小さいほど応力集中による大きな圧力がかかりやすい。テキスト<9次:P179左 下の方>

・皿形鏡板の中央部の半径に対して、隅の丸みの半径が小さくなるほど、鏡板の厚さは小さくてすむ。 H16学/10 答え

【×】テキスト<9次:P179左 下の方>

皿形鏡板の中央部の半径に対して、隅の丸みの半径が小さくなるほど、鏡板の厚さは大きくしなければならない

・円筒胴圧力容器の鏡板に必要な板厚は、鏡板の形状によって大きく異なり、同じ設計圧力、同じ胴の内径、同じ材料の場合において、
       平鏡板 < 皿形鏡板 < 半球形鏡板
 の順に、より厚い鏡板を必用とする。 H21学/10 答え

【×】 テキスト<9次:P179左 下の方、表12.9>ジッと図を見てると覚えるかも。
 不等号を逆にすれば良いですね。(不等号を問題文に安易に使用するのはやめてもらいたいものです。)  平鏡板>皿形鏡板>半球形鏡板、の順に、より厚い鏡板を必用とする。(中央部丸み半径が小さく、隅丸みの半径が大きいほど、局部的応力小)

・円筒胴圧力容器の鏡板に必要な板厚は、円筒胴と鏡板の直径が同じであっても鏡板の形状によって大きく異なる。鏡板の必要な最小板厚は、平形が最も厚く、平形、浅さら形、さら形、深さら形、半球形の順に薄くできる。 H27学/10 答え

【◯】 ぅむ。

・円筒胴圧力容器の鏡板に必要な板厚は、円筒胴と鏡板の直径が同じであっても、鏡板の形状によって大きく異なる。同じ設計圧力、同じ円筒胴の内径、同じ材料の場合において、平形を最大として、平形>深さら形>さら形>浅さら形>半球形の鏡板の順に必要な最小厚さが薄くなる。 H28学/10 答え

【×】 「平形を最大として」の一言が良いですね。正しい文章にしてみましょう。

  円筒胴圧力容器の鏡板に必要な板厚は、円筒胴と鏡板の直径が同じであっても、鏡板の形状によって大きく異なる。同じ設計圧力、同じ円筒胴の内径、同じ材料の場合において、平形を最大として、平形>浅さら形>さら形>深さら形>半球形の鏡板の順に必要な最小厚さが薄くなる。

 浅さら形と深さら型を入れ替えればいいですよね。テキスト<9次:P179左 下方>です。

 不等号を使用した問題であるが「平型を最大として」の一言が大小比較困惑スパイラルから解放してくれる。でも、あんまり良い問題じゃァないですよね。

・円筒胴圧力容器の鏡板に必要な最小厚さは、円筒胴と鏡板の直径が同じであっても、鏡板の形状によって大きく異なる。同じ設計圧力、同じ円筒胴の内径、同じ材料の場合において、平形を最大として、平形>浅さら形>さら形>深さら形>半球形の鏡板の順に、必要な最小厚さは薄くなる。 R04学/10 R05学/10 答え

【◯】 今度は【◯】です。


応力集中

・圧力容器の皿形鏡板の隅の丸みが小さい場合には、応力集中により、隅の丸みの部分に大きな応力がかりやすい。 H18学/10 答え

【◯】 応力集中は必須科目だね。

・圧力容器のさら形鏡板における隅の丸み部分には、応力集中により大きな応力がかかりやすい。したがって、冷凍保安規則関係例示基準では、さら形鏡板の最小板厚を、さら形の形状に関する係数を導入した式によって求めることになっている。 H23学/10 答え

【◯】 ぅ~ん、その通り。
 と書けば終わりだけども、応力集中に関しては、テキスト<9次:P180右 P4行目>あたりを読む。
 最小板厚の係数に関しては、<9次:P179 (12.10 冷凍保安規則関係例示基準による鏡板の厚さの計算式)>をズラズラと読み、(W:さら形の形状による係数で、・・・云々)などから読み解いていくしかないと思われる。

─── 追記 ───
球面で誘起される応力 σl(アルファ・エル)は、σl = PRW / 2tであり。(P:内圧、R:半球面内面半径、W:鏡板の形状に応じた係数)、最小板厚 tは、t = PRW / 2σaη - 0.2P(σa:材料の許容引張応力、η:溶接効率)となる。なお、W = 1 / 4 (3 + √(R / r))(r:隅の丸み半径)であり、全半球形鏡板は(R / r) = 1 となる。

H23年度は疲れるな。健闘を祈る。 【お知らせ】

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------- 突然すみません。お知らせ -------
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・圧力容器のさら形鏡板における隅の丸み部分には、応力集中により大きな応力が生じやすい。したがって、さら形鏡板の最小板厚は、さら形の形状に関する係数を導入した式によって求める。 R03学/10 答え

【◯】 「H23学/10」の簡易版ですね。 :)

・圧力容器のさら形鏡板では、応力集中により隅の丸みの部分に大きな応力が生じやすいので、板厚の計算ではその丸みを考慮して板厚を決める。 H26学/10 答え

【◯】 その通りだ! 「丸みを考慮して」←「鏡板の形状に応じた係数」である。(詳細はH23学/10の追記を参照。)

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修正・訂正箇所履歴

【2016/08/06 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応済み。解説見直し。 (2017(H29)/01/07)
  • 不等号を使った問題の解説文を少々見直し。 (2017/09/02)
  • 解説文見直し。 (2019(R01)/09/28)
  • 鏡板の概略図を追加。 (2020(R02)/10/27)
  • 全体的に見直し。(2022(R04)/04/10)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応。(2023(R05)/10/10)
  • 解説等、見直し。(2023(R05)/10/10)

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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