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不凝縮ガスの侵入P181

 不凝縮ガスとは、侵入、混入した空気のことである。(冷媒と潤滑油で分解生成されたガスもある。)出題数は、わりと多い。

 『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P181 (14.6 装置内の不凝縮ガス)>です。<8次:P72 (6.2.6 不凝縮ガスの滞留とその影響)>も読めばPerfect.

不凝縮ガス侵入時の状態P181

 不凝縮ガス侵入の問題は、実務でも役立つかもしれない。逃さないように。

・フルオロカーボン冷凍装置の冷媒系統に空気が侵入しても、凝縮圧力は変わらない。H12/15 答え

【×】 不凝縮ガスは装置内に残留、侵入(混入)、生成した空気がほとんどであり、凝縮器で液化されないため不凝縮ガスと呼ばれる。
 不凝縮ガスが冷媒に混入すると、冷媒側の熱伝達が悪くなり冷却管の熱通過率を小さくなる、その結果、凝縮温度が上昇し上昇分に相当する凝縮圧力の上昇に加え不凝縮ガスの分圧相当分だけの圧力がさらに高くなる。
 テキスト<8次:P181とP72>も読むこと。

・冷媒系統内に空気が侵入しても、凝縮圧力は変わらないが、凝縮温度が上昇する。
 H20/15 H29/15(H20年度から  しても の句読点を削除したのみ)答え

【×】 おもいっきり、ヴァツ!だよね。テキスト<8次:P181とP72>を読むこと。

・冷凍装置内に不凝縮ガスが侵入すると、高圧圧力が上昇する。 H16/15 答え

【◯】 サービス問題!?

・冷凍装置の冷媒系統に空気が侵入しても、凝縮圧力は変わらない。 H17/15 答え

【×】 サービス

・不凝縮ガスが冷凍装置内に存在すると、圧縮機吐出しガスの圧力と温度がともに上昇する。 R02/15 答え

【◯】 上からの一連の問いの流れをまとめたような問題文でスッキリですね。


不凝縮ガス侵入の判定P181

 テキスト<8次:P181 (14.6 装置内の不凝縮ガス)>の冒頭3行目からです。心落ち着けて読めばイメージが湧くでしょう。

・圧縮機を停止し冷却水を20~30分間通水しておき、高圧側圧力計の指示が冷却水温に相当する冷媒飽和圧力よりも高ければ、水冷凝縮器内に不凝縮ガス存在の疑いがある。 H10/15 答え

【◯】 高圧側圧力が高くなった場合、不凝縮ガスが存在するか(の影響か)の判定方法である。

・冷凍装置内に不凝縮ガスが存在している場合、圧縮機を停止し、水冷凝縮器の冷却水を20~30分通水しておくと、高圧圧力は冷却水温度に相当する飽和圧力より低くなる。 H13/15 答え

【×】 圧縮機を停止し、水冷凝縮器の冷却水を20~30分通水後に、凝縮器圧力計の指示値が冷却水温度に相当する冷媒の飽和圧力より高ければ不凝縮ガスが存在している。

・不凝縮ガスがフルオロカーボン冷凍装置内に侵入しているかどうかを確かめるため、圧縮機の運転を停止し、凝縮器の冷媒出入口弁を閉め、凝縮器冷却水を十分流したままで、凝縮器圧力を測定する。そのとき、不凝縮ガスが含まれていると冷却水温における冷媒の飽和圧力よりも測定圧力が低くなる。 H25/15 答え

【×】 「<略>飽和圧力よりも測定圧力が高くなる」
【参照】
 テキスト<8次:P181 3行目~>から引用。
   <略>高圧圧力計の指示が冷却水温における冷媒の飽和圧力よりも高ければ、不凝縮ガス(主に空気)が存在していることになる。

・水冷凝縮器内の不凝縮ガスを確認するためには、圧縮機を停止し、凝縮器に冷却水を通水し、凝縮温度が周囲の大気温度より高いことから判断する。 H27/14 答え

【×】 もう全然誤ってますよね。温度で判定するのではなくて圧力です。…引用文載せておきます。
 圧縮機の運転を停止し,凝縮器の冷媒出入口弁を閉止し,凝縮器冷却水はそのまま20~30分間通水しておく.その後,高圧圧力計の指示が冷却水温における冷媒の飽和圧力よりも高ければ,不凝縮ガス(主に空気)が存在していることになる.


フロン排出抑制法P181

 テキスト<8次:P181 (14.6 装置内の不凝縮ガス)>には、8次改訂版から法規制の文言が6行ほど置き換えられた。そこから、令和3年に初めて出題された。

・フルオロカーボン冷媒の大気への排出を抑制するため、フルオロカーボン冷凍装置内の不凝縮ガスを含んだ冷媒を全量回収し、装置内に混入した不凝縮ガスを排除した。 R03/15 答え

【◯】 これは2015年施行された 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」 第86条を以下に引用しておく。


(フロン類の放出の禁止)
第八十六条 何人も、みだりに特定製品に冷媒として充塡されているフロン類を大気中に放出してはならない。

除害についてP181

 テキスト<8次:P181 (14.6 装置内の不凝縮ガス)>の最後の2行にサラリと記されている。ある時ポツリと出題される。あなたの年度はどうかな?

・不凝縮ガスを除去するのにガスパージャが使用されるが、処理された不凝縮ガス中には冷媒は含まれないので、アンモニア冷媒のときでもそのまま大気放出してもよい。 H18/15 答え

【×】 今どき、そんなことしたら駄目っ!ですよね、サービス問題。水に溶かして、そりなりの施設(除害設備)で処理する。

・不凝縮ガスがアンモニア冷凍装置内に存在すると高圧圧力が上昇する。不凝縮ガスを除去する場合、不凝縮ガスには冷媒は含まれないのでそのまま大気に放出してもよい。 H22/15 答え

【×】 これは駄目ですよねぇ。除害設備が必要です。

・アンモニア冷凍装置内に空気が侵入したときは、凝縮器上部の弁を開いて直接大気中に空気を抜くようにする。 H28/15 答え

【×】 直接!ハイ、×! 除害設備が必要です!!

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 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(22/01/22)

修正・訂正箇所履歴

【2016/06/12 新設】

  • 見出しが「運転と点検」だったので「保守管理」に修正。(2016/06/19)
  • [Submenu]の「液戻り・液圧縮」の上に変な空白があったので修正。(2018(H30)/08/19)
  • 文章など見直し。(2019(R1)/08/04)
  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、文章を見直し。(2020(R02)/07/10)
  • 全般的に見直し。(2022(R04)/01/22)

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【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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