設計圧力と許容圧力、これはなかなか厄介な代物です。『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P139~P143 (11.3 冷凍装置の設計圧力と許容圧力)>
まずは、冷凍サイクル図にて高圧部と低圧部の区分を、把握することが大切でしょう。テキスト<8次:P139 (11.3.1 高圧部と低圧部の区分)>
8次改訂版コメ:8次改訂版(令和元年11月30日改訂)の改訂で<8次:P140~P142 (11.3.2 設計圧力)>の文章記述が大きく変更された。 よって、ここに新しくページを作ることにした。予想問題と使える過去問を埋め込むことにしよう。
・二段圧縮冷凍設備における設計圧力は、高圧部、中圧部および低圧部の三つに区分される。 by echo(H27/12改)
【×】 「二段圧縮だから区分三つ」って、勉強しててもうっかり騙されるかも。テキスト<8次:P139 下から5行目~>
テキスト<8次:P139 下から5行目>辺りにズバリ書いてある。二段圧縮でも高圧部と低圧部だけです。中圧部などという区分はありませぬ(汗。
・二段圧縮の冷凍設備では、低圧段の圧縮機の吐出し圧力以上の圧力を受ける部分を高圧部とし、その他を低圧部として取り扱う。 H23/12 H25/12
【×】 ぁ~、正しい文章にしてみましょうかね。テキスト<8次:P139 下から5行目~>
二段圧縮の冷凍設備では、高圧段(高温側)の圧縮機の吐出し圧力以上の圧力を受ける部分を高圧部とし、その他を低圧部として取り扱う。
テキスト<8次:P139 下から5行目>ズバリ的。
・設計圧力も許容圧力も周囲が大気圧であるから、ゲージ圧力が使用される。 H14/12
【両方 ◯】 ぅむ! テキスト<8次:P139 一番下>
─【参考】─(テキスト<8次:P5>)
絶対圧力(Mpa abs)= ゲージ圧力(Mpa g)+大気圧(Mpa abs) (大気圧は0.101Mpa)
「冷凍保安規則関係例示基準」とう「冷凍保安規則」の詳細な細目や基準が定められていて、その中に「表19.1 設計圧力」という表がある。テキストでは、まずこの表に定められた冷媒ガスを使用した冷凍装置の、高圧部と低圧部の設計圧力が説明されている。
・冷凍保安規則関係例示基準に示されている基準圧力は、圧力容器などの設計において、その各部の必用厚さの計算や耐圧強度を決定するときに用いる圧力である。 by echo
【◯】 ぅむ。テキスト<8次:P140 10行目~>この設計圧力は、高圧部と低圧部に大きく分かれる。さ、次に進もう。
・設計圧力とは、圧力容器の設計や耐圧試験圧力などの基準となるものであり、高圧部においては、一般に、通常の運転状態で起こりうる最高の圧力を設計圧力としている。 R02/12
【◯】 (><;)ぅ~ん、予想はずれか。8次改訂版仕様の文章ではない。「一般に」があるから良しとしておこう。初級テキスト<8次:P142 ( 1) 高圧部設計圧力)の①>にズバリ的。
8次改訂版コメ: この問題は令和2年度の試験であるが文章的には、初級テキスト8次改訂版(令元年11月改訂)ではなくて、7次改訂版(H25年12月改訂)を使用している。コロナ禍の中での試験であったし、ぅ~ん、ある意味、サービス問題かな?
・高圧部の設計圧力は、凝縮温度が基準凝縮温度以外のときには、最も近い下位の基準凝縮温度に対応する圧力とする。 R03/12
【×】 テキスト<8次:P140 16行目 1)> にズバリ的。
高圧部の設計圧力は、凝縮温度が基準凝縮温度以外のときには、最も近い上位の基準凝縮温度に対応する圧力とする。
・通常運転において、凝縮温度が65℃を超える冷凍装置は、その最高使用温度における冷媒の飽和圧力以上の値をもって、その冷凍装置の高圧部の設計圧力とする。 by echo
【◯】 表19.1には、基準凝縮温度が43℃~65℃の範囲が記されている。65℃を超えた場合の問である。テキスト<8次:P140 2)>
・高圧部の設計圧力は、冷凍保安規則関係例示基準による基準凝縮温度により区分され、装置を運転している時の最高使用圧力が許容圧力とされている。 by echo
【×】 ぅむ、この程度に引っかかるのは勉強不足かもしれない。テキスト<8次:P140 下3行>
高圧部の設計圧力は、冷凍保安規則関係例示基準による基準凝縮温度により区分され、装置を運転している時の最高使用圧力が設計圧力とされている。
・高圧部の基準凝縮温度の温度区分は、水冷凝縮器より空冷凝縮器のほうが高くなる。 by echo
【◯】 テキスト<8次:P141 表の下>には、基準凝縮温度と使用する凝縮器がズラズラと記されている。ので、こんな問題も出るかもしれない。
・冷凍装置の長時間停止時に、低圧部圧力は周囲温度に対応する飽和圧力になる時があるため、周囲温度を約43℃として、その飽和圧力を低圧部の設計圧力とする。 by echo
【×】 ぅ~ん、こんなセコい問題が出るかも。テキスト<8次:P141 8行目~>
冷凍装置の長時間停止時に、低圧部圧力は周囲温度に対応する飽和圧力になる時があるため、周囲温度を38℃として、その飽和圧力を低圧部の設計圧力とする。
・一般的な冷凍装置の低圧部設計圧力は、冷凍装置の停止中に、内部の冷媒が43℃まで上昇したときの冷媒の飽和圧力とする。 R04/12
【×】43℃は高圧部設計圧力の運転中基準凝縮温度の一つ。 低圧部は、テキスト<8次:P141 8行目~>
一般的な冷凍装置の低圧部設計圧力は、冷凍装置の停止中に、内部の冷媒が38℃まで上昇したときの冷媒の飽和圧力とする。
「冷凍保安規則関係例示基準 表19.1 設計圧力」に記されていない冷媒ガス(非共沸混合、特定不活性ガスなど)を使用した冷凍装置の高圧部と低圧部の設計圧力の目安となる圧力である。
参照した「日本冷凍空調学会」の冷媒定数の標準値 の表には、15種ほどのガスが掲載されているが冷凍装置に使われるガスを掲載順に抜き取ってまとめてある。
・R32冷媒ガスを使用した冷凍装置の高圧部設計圧力は、当該冷媒ガスの43℃の飽和圧力を設計圧力とする。 by echo
【×】 ぅーん、出題はこんな感じかな。
R32は、冷凍保安規則関係例示基準の表19.1に載っていないので、設問の条件ともう2つの条件のうち最も高い圧力以上の圧力にするとされている。
その2つは(テキスト<8次:P142 1)>)
・通常運転中予想される当該ガスの最高使用圧力。
・停止中に予想される最高温度により生じる当該冷媒ガスの圧力
よって、設問の43℃云々だけで設計圧力に決められない。
・非共沸混合冷媒ガスR410Aを使用した冷凍装置の低圧部設計圧力は、当該冷媒ガスの38℃の気液平衡状態の液圧力を設計圧力とする。 by echo
【×】 ぅーん、R410A低圧部の出題はこんな感じかな。
非共沸混合冷媒は、冷凍保安規則関係例示基準の表19.1に載っていないので、設問の条件ともう2つの条件のうち最も高い圧力以上の圧力にするとされている。
その2つは(テキスト<8次:P142 2)>)
・通常運転中予想される当該ガスの最高使用圧力。
・停止中に予想される最高温度により生じる当該冷媒ガスの圧力
よって、設問の38℃云々だけで設計圧力に決められない。
設計圧力との絡みがあるが頑張ってほしい。
・許容圧力は、冷媒設備において現に許容しうる最高の圧力であって、設計圧力または腐れしろを除いた肉厚に対応する圧力のうち低いほうの圧力をいう。 H24/12
・許容圧力は冷凍設備において現に許容する最高の圧力であって、設計圧力または腐れしろを除いた肉厚に対応する圧力のうち、いずれか低いほうの圧力をいう。 H29/12
・許容圧力は、冷媒設備において現に許容しうる最高の圧力であって、設計圧力または腐れしろを除いた肉厚に対応する圧力のうち、低いほうの圧力をいう。 H30/12
【全部 ◯】 ま、この通りなんだ。<8次:P143の8行目~>。(H24、H29、H30年度の違いをお楽しみください。)
一応記しておく。H29年度は 冷媒設備
ではなく 冷凍設備
で、「句読点(、)」もないが、誤植ではない。
・許容圧力は、冷媒設備において現に許容しうる最高の圧力であって、設計圧力または腐れしろを除いた肉厚に対応する圧力のうち、いずれか高いほうの圧力をいう。 H28/12
【×】 いずれか低いほうの圧力をいう。(H24/12の間違いバージョンですね。)
・実際の圧力容器の腐れしろを除いて求めた最高許容圧力よりも低くて、冷凍保安規則関係例示基準の基準の中で最も高い設計圧力が、その容器の装置に適合するか確認する。 by echo
【◯】 ぅ~ん、こんなの出ないかも、問題がむずい。テキスト<8次:P143 15行目~>(この辺りは、1種冷凍「学識」問5での記述計算の結果判定に必須である。)
22/01/23 23/03/26
『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(22/01/16)
【2022/01/22 新設】