ここでは、「凝縮負荷」、「水冷凝縮器の構造(種類)」、「熱計算」などの問題を集めてあります。
『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P65(6.1.1 凝縮器の種類) ~ P70(6.2.4 冷却水の適正な水速)>をとりあえず、ザッと読んで、過去問をやってみよう。「ローフィンチューブ」が、ポイントかも。
3つの式を記憶する。(計算問題のためではなくて式の理屈を把握する。)
・凝縮負荷は冷凍能力に圧縮機駆動の軸動力を加えたものであるが、凝縮温度が高くなるほど凝縮負荷は大きくなる。 H23/06
【◯】 Φk=Φo+P
後半は、
「凝縮温度大(凝縮圧力大)→圧縮圧力比大→軸動力(P)大→凝縮負荷(Φk)大」 と、いう感じだね。
・凝縮負荷は冷凍能力に圧縮機駆動の軸動力を加えて求めることができる。軸動力の毎時の熱量への換算は、1kW = 3600kJ/hである。 H26/06
【◯】 前半は、Φk=Φo+PでOK。
「1kW = 3600kJ/h」は、 テキスト<8次:P7 3行目>、「主な単位の換算表」←「目次」の前頁。 頑張ってください。
・凝縮器において、冷媒から熱を取り出して凝縮させるとき、取り出さなければならない熱量を凝縮負荷という。理論凝縮負荷は、冷凍能力に理論断熱圧縮動力を加えて求めることができる。 R04/06
【◯】 前半は、テキスト<8次:P65 下から7行目>にズバリ、後半は、Φk = Φo + Pth
横形シェルアンドチューブ凝縮器の概略図
横形シェルアンドチューブ凝縮器断面図
図は、シェルアンドチューブ凝縮器の概略図である。シェル(円筒胴)の中に、冷却水が通るチューブ(管)が配置されている。 テキスト<8次:P66 (図6.2 シェルアンドチューブ凝縮器)
テキストでは、このシェルアンドチューブ凝縮器が水冷凝縮器の中心となって進んでいきます。
年代順に置いておきます。
・受液器兼用の水冷凝縮器で凝縮器底部に溜められた冷媒液中に、一部の冷却管を配置するのは冷媒液を過冷却するためである。 H18/06
【◯】 テキスト<8次:P67 下から10行目~ 受液器兼用凝縮器では
~>ズバリ的。
・シェルアンドチューブ水冷凝縮器は、鋼管製の円筒胴と伝熱管から構成されており、冷却水が円筒胴の内側と伝熱管の間の空間に送り込まれ、伝熱管の中を圧縮機吐出しガスが通るようになっている。 H22/06
【×】 正しい文章にしましょう。テキストは、<8次:P66 一番下の行>
シェルアンドチューブ水冷凝縮器は、鋼管製の円筒胴と伝熱管から構成されており、圧縮機吐出しガスが円筒胴の内側と伝熱管の間の空間に送り込まれ、伝熱管の中を冷却水が通るようになっている。
横形シェルアンドチューブ凝縮器の概略図
横形シェルアンドチューブ凝縮器の断面図
・水冷式シェルアンドチューブ凝縮器は円筒胴、管板、冷却管および水室カバーから構成され、高温高圧の冷媒ガスは冷却管内を流れる冷却水により冷却され、凝縮液化する。 H23/06
【◯】 管内に水、管外にガス
を覚えておこう。テキスト<8次:P66 一番下の行
・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管内を冷媒が流れて冷媒が凝縮する。 H27/06
【×】 逆です。(テキストP62下方)
水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管内を冷却水が流れて冷却管外表面で冷媒が凝縮する。
・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒胴と管板に固定された冷却管で構成され、円筒胴の内側と冷却管の間に冷却水が流れ、冷却管内には冷媒が流れる。 R01/06
【×】 正しい文章に。
水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒胴と管板に固定された冷却管で構成され、円筒胴の内側と冷却管の間に冷媒が流れ、冷却管内には冷却水が流れる。
・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒胴、管板、冷却管などによって構成され、高温高圧の冷媒ガスは冷却管内を流れる冷却水により冷却され、凝縮液化する。 R02/06
【◯】 はい、わかりやすく綺麗で流れるような文章でツ。
・シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒胴と管板に固定された冷却管で構成され、円筒胴の内側と冷却管の間に圧縮機吐出しガスが流れ、冷却管内には冷却水が流れる。 R03/06
【◯】 この問題文は、R01/06の改良版。令和になって3連チャンの出題です。
・水冷シェルアンドチューブ凝縮器の一つである受液器兼用凝縮器は、凝縮器の底部に溜められた冷媒液中に一部の冷却管を配置して、その冷媒液を過冷却にする。 R06/06
【◯】 「過冷却」に関して、H18年以来のレアな問題。
テキスト<8次:P67 下から10行目「受液器兼用凝縮器では、」~>
「水冷凝縮器の熱計算」に分類していたが、テキスト的に「構造」の頁(<8次:P67 16行目~18行目>)にあるので、ココに新たに分類した。(2019(R1)/07/15)
・シェルアンドチューブ水冷凝縮器の伝熱面積は、冷媒に接する冷却管外表面の合計面積で表す。 H21/06
【◯】 なんとなく素直に◯で。テキスト<8次:P67 16行目~18行目>を熟読し、イメージする。
・一般的に、水冷横型シェルアンドチューブ凝縮器の伝熱面積は、冷媒に接する冷却管外表面の合計面積で表す。 H29/06
【◯】 テキスト<8次:P67 16行目~18行目>ズバリ的な良い問題です。(勉強している方にとっては…。)健闘を祈る!
二重管凝縮器は、2冷ではポツリポツリと出題されるが、3冷はきっちり図があるのに意外に出題が少ない。 (2冷の「保安・学識攻略」頁で使用している画像をココにも掲載しておきましょう。)
二重管の構造の概略図"
二重管凝縮器の概略図
・二重管凝縮器は、内管に冷却水を通し、冷媒を内管と外管との間で凝縮させる。 H25/07
【◯】 二重管の問題は初めて!?(H26/07/15記ス)
テキスト<8次:P67 図6.3と下から4行目>を読めば、PERFECT。
・二重管凝縮器は、冷却水を内管と外管との間に通し、内管内で圧縮機吐出しガスを凝縮させる。 R03/06
【×】 構造を把握してないとワケワカンネ
でしょ。正しい文章にしてみましょう。
・二重管凝縮器は、冷却水を内管内に通し、内管と外管との間で圧縮機吐出しガスを凝縮させる。
『SIによる 初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』7次改訂版(H25('13)12月改訂)では、立形凝縮器はゴッソリ削除されている。なので、立形凝縮器の問題は出題されないと思われる。(2014(H26)/07/04記ス)
・アンモニア大形冷凍装置に用いられる立形凝縮器は1パス方式である。H17/06
【◯】 お疲れ、立形凝縮器。
【続き(参考にどうぞ)】
テキストP61(←6次改訂版)入口から出口までに器内を何往復するかということ。1往復なら2パス、2往復なら4パス、なんだけどね。
ボイラー試験にも出てくるよね。
で、この問題なんだけど、「大型のアンモニア立形凝縮器は1パス」と覚えよう。テキストには、さりげなくチョコっと書いてあるんだよね。P61下から8行目
じゃ、小型のアンモニア立形はどうなのかって?…そういう問題は絶対、出題されないから安心してね。(責任は取れないよ、テキスト良く読んでね)
・立形凝縮器において、冷却水は、上部の水受スロットを通り、重力でチューブ内を落下して、下部の水槽に落ちる。 H25/07
【◯】 これも上の問題同様、もう出題されないと思う。(25年度が最後。ァ、間違っても責任取らないです。)
テキストは、<8次:P64~P65 (6.2.2 水冷凝縮器の熱計算)>であるが、問題がみつからない。
(ここには、水冷凝縮器と空冷凝縮器の熱通過率比較の問題があったが、空冷凝縮器の構造ページへ引っ越しした。)
テキストは、<8次:P69~P70 (6.2.3 ローフィンチューブ)>
です。・アンモニア冷凍装置の水冷凝縮器では、伝熱促進のため、冷却管に銅製のローフィンチューブを使用することが多い。 H12/06
【×】 水冷凝縮器の場合は、冷却水が冷却管内を流れ、管外で冷媒蒸気が凝縮する。
冷媒側の熱伝導率が冷却水側の2分の1以上と小さいので、冷媒側(管外面)にフィン加工をして伝熱面積を拡大する。
アンモニア冷凍装置の場合は、銅製材料は腐食するためフィンのない鋼管の裸管が使用される。
しかし、近年では小型化のために鋼管のローフィンチューブを使用するようになったとのことである。
なので、この手の問題は出題されないか、ひっかけ問題に変わるか…。銅製と鋼製の文字には注意する。(この問題集にも打ち間違いがあるかもしれません m(_ _)m)
・横型シェルアンドチューブ凝縮器の冷却管として、冷媒がアンモニアの場合には銅製のローフィンチューブを使うことが多い。H16/06
【×】 ぅむ。テキスト<8次:P69 (6.2.3 ローフィンチューブの利用)>の冒頭3行。
アンモニアは銅及び銅合金を腐食させる。(アンモニア漏えい事故の場合は、分電盤等の銅バーや端子等も点検し腐食に注意せねばならない。)
・横形シェルアンドチューブ凝縮器の冷却管としては、冷媒がアンモニアの場合には銅製の裸管を、また、フルオロカーポン冷媒の場合には銅製のローフインチューブを使うことが多い。 H25/07
【×】 冷媒がアンモニアの場合には、銅製は、使用不可。
・銅製のローフィンチューブは、フルオロカーボン冷凍装置の空冷凝縮器の冷却管として多く用いられている。 H18/06
【×】 なんと大胆な問題。水冷凝縮器です!
これを間違えた場合は、勉強不足かな…。テキストの凝縮器を一度でいいから隅々までよく読んでみよう。そして、過去問をガンガンする。健闘を祈る。
・水冷凝縮器の伝熱管において、フルオロカーボン冷媒側の管表面における熱伝達率は水側の熱伝達率より大きく、水側の管表面に溝をつけて表面積を大きくしている。 H27/06
【×】 テキストは<8次:P69 下から3行目~P70の2行> 正しい文章を置いておきます。
水冷凝縮器の伝熱管において、フルオロカーボン冷媒側の管表面における熱伝達率は水側の熱伝達率より(かなり)小さく、冷媒側の管表面に溝をつけて表面積を大きくしている。
・シェルアンドチューブ凝縮器の冷却管として、フルオロカーボン冷媒の場合には、冷却水側にフィンが設けられている銅製のローフィンチューブを使うことが多い。 R04/06
【×】 この問題はココ。
シェルアンドチューブ凝縮器の冷却管として、フルオロカーボン冷媒の場合には、冷媒側にフィンが設けられている銅製のローフィンチューブを使うことが多い。
テキスト<8次:P70 (6.2.4 冷却水の適正な水速)>です。適正な水速1~3m/sは、覚えるべし。(この先の空冷凝縮器の前面風速1.5~2.5m/s(テキスト<8次:P76 4行目)と、混同しないように。)
・冷却水の管内流速は、大きいほど熱通過率が大きくなるが、過大な流速による管内腐食も考え、通常1~3 m/s が採用されている。 H13/06
【◯】 腐食の他に冷却管の振動、ポンプ動力の増大がある。←いずれ出題されるかも。1~3 m/sは記憶すべし。
・水冷凝縮器の熱通過率の値は、冷却管内水速が大きいほど小さくなる。 H16/06
【×】 テキスト<8次:P70 真ん中あたり>に、 水速が速いほど、熱通過率Kの値が大きくなり
と、記されているので、【×】。
・水冷凝縮器では、冷却水の冷却管内水速が速いほど熱通過率は大きくなる。したがって、冷却水の冷却管内水速が2倍になれば熱通過率も2倍になる。 R06/06
【×】 ぅむ。テキスト<8次:P70 真ん中あたり>にズバリ太文字で記されている。
「水冷凝縮器では、冷却水の冷却管内水速が速いほど熱通過率は大きくなる。しかし、冷却水の冷却管内水速が2倍になっても熱通過率は2倍にはならない。」
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『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/07/05)
『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(20/05/31)
【2016/05/22 新設】