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冷凍装置で重要な技術(P7~P10)

 原理2です。

 まずは、『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P7の真中~P10(「吸収式冷凍機」除く)>を、熟読しましょう。(吸収式冷凍機は、令和元年に出題されたため取り消し線とした。(2019/11/16記ス)

p-h線図と冷凍サイクル図を合体

  • 蒸発温度は必要以上に低くしすぎない。
  • 凝縮温度は必要以上に高くしすぎない。

 ぜひ、テキスト<8次:P36「3.4.3 成績係数と運転条件との関係」の"そこで"(一番下行)からを、熟読しておきたい。総てまとめられた名文がある。

 蒸発温度と凝縮温度との温度差が大きくなると,圧力比が大きくなり,冷媒1kgあたりの圧縮仕事が大きくなるとともに断熱効率と機械効率が小さくなるので,冷凍装置の成績係数は大きく低下する.とくに,蒸発温度を低くして運転すると,圧縮機の吸込み蒸気の比体積が大きく(蒸気が薄く)なり,圧縮機の体積効率も小さくなるので.冷媒循環量が減少する.これは,冷凍装置の成績係数が小さくなるとともに.冷凍能力やヒートポンプ加熱能力も小さくなることでもある.

 メモ帳か、スマートフォン、又は携帯などに入力して持ち歩きたい。

【蒸発温度と凝縮温度】(P7)

冷凍装置の基本中の基本の問題。

・冷凍装置の圧縮機の軸動力を小さくするためには、蒸発温度と凝縮温度をできるだけ低くして運転するのがよい。 H19/01 答え

【×】 覚えておかないと、今後の勉強にボディブローのように効いてくる重要な一文です。
  「蒸発温度は必要以上に低くしすぎない、凝縮温度は必要以上に高くしすぎない」 テキスト<8次:P7の真ん中あたり>を参照。

・冷凍装置の圧縮機の軸動力を小さくするためには、蒸発温度を必要以上に高くし過ぎないこと、凝縮温度を必要以上に低くし過ぎないことが必要である。 H20/01 答え

【×】 軸動力を小さくして運転するのは、まさにこれから必要なエコなことであり、省エネ、CO2削減につながるのであります。よって、この問題は重要な問題です。キッチリ押さえておきましょう。
「蒸発温度を必要以上に低くし過ぎない、凝縮温度は必要以上に高くし過ぎない」これを覚えておけば幸せになれるでしょう。
「初級 冷凍受験テキスト」<8次:P7(下半分)>をよく読もう。

・圧縮機の軸動力を少なくするためには、蒸発温度をできるだけ低くし、また、凝縮温度を高く運転するのがよい。 H21/01 答え

【×】 ま、まさか、◯にしませんでしたよね! テキスト<8次:P7 1.2.1 最小の動力で最大の冷凍能力>にはマーキングでもしておこう。

  圧縮機の軸動力を少なくするためには、蒸発温度をできるだけ低くし過ぎない、また、凝縮温度を高くし過ぎないように運転するのがよい。

・圧縮機駆動の軸動力を小さくし、大きな冷凍能力を得るためには、蒸発温度はできるだけ低くして、凝縮温度は必要以上に高くし過ぎないことが重要である。 R01/01 答え

【×】 ハイ、正しい文章にしてみましょう。(祝!令和元年初問題)

  圧縮機駆動の軸動力を小さくし、大きな冷凍能力を得るためには、蒸発温度はできるだけ低くし過ぎない、凝縮温度は必要以上に高くし過ぎないことが重要である。


【蒸発温度】(P7)

 蒸発温度というのは、イメージ的には冷凍庫にあるアイスクリームとか冷凍コロッケの温度を思い浮かべてはいけない。コロッケの熱を吸収して冷やそうとしている冷媒液がユラユラと蒸発しているイメージ…、このときの冷媒の(蒸発)温度をいっている。

魚の冷凍理論gifアニメ

 蒸発温度を必要以上に低くし過ぎない

 つまり、図ようなの鯖(さば)一匹だけを冷凍してする場合、マイナス20℃まで冷やせる能力の蒸発器があれば余裕なんだけども、蒸発温度はマイナス5℃ぐらいにして必要以上に低くしなくてもよい・・・イメージできましたか。

 図は、フロン22冷媒が、一匹の冷凍鯖を氷らせているところ。R22は蒸発して鯖からドンドン熱を奪っていく。(蒸発潜熱)

 この「蒸発温度(凝縮温度)」は、この先(成績係数、保守管理など)たくさん登場する言葉なのでここでしっかり把握しておきたい。

・少ない圧縮機駆動の軸動力で大きな冷凍能力を得るようにするには、蒸発温度を低くして運転した方がよい。 H18/02 答え

【×】 「蒸発温度を必要以上に低くし過ぎない、凝縮温度を必要以上に高くし過ぎない。」これは、超~重要な一文、知っていると知っていないとでは天地の差。これであなたは大丈夫!ま、テキスト<8次:P7>をよく読んでね。

・小さな圧縮機軸動力で大きな冷凍能力を出せる冷凍装置が望ましいが、そのためには蒸気温度をできるだけ低くするとよい。 H22/01 答え

【×】 テキスト<8次:P7>です。蒸発温度はできるだけ高くする。(冷凍サバアニメの解説を参考にどうぞ。)


【冷媒の性質に見合った冷凍装置】(P8)

・冷凍装置は、それの冷却の温度や目的、冷却対象などに応じて、種々の冷媒が使い分けられているが、それぞれの冷媒の性質に見合った、機器の選定と配管の工夫が必要である。 H20/01 答え

【◯】 なんとなく、正しいと思うサービス問題である。
 この問題のポイントは  冷媒の性質に見合った、機器の選定と配管の工夫が必要
 この一文を頭に入れておこう。この先この一文を思い出すと「な~る」と納得することが幾つも出てくるはずだ。テキスト<8次:P8(真ん中あたり)>を読もう。


【完全な保安の確保】(P8~P9)

・冷凍装置の機器の耐圧強度が十分であっても、装置の操作ミスによって異常高圧になり、装置が破壊することもある。 H20/01 答え

【◯】 そのとおり!と、これもサービス問題かもしれない。
 安全にかかわる試験問題はこの先もけっこう出てくるはず(福島第1原発では「凍土壁」を作り始めていることですし…2014/06/13記す)、必ずゲットしよう。『初級冷凍受験テキスト』<8次:P8~P9>


【吸収式冷凍機】(P9~P10)

 はてな?吸収式は出題されないと認識していたが、世の移り変わりであろうか。(2019(R1)/11/16記ス)

・吸収冷凍機では、圧縮機を使用せずに、吸収器、発生器、溶液ポンプなどを用いて冷媒を循環させ、冷熱を得る。 R01/01 R06/01 答え

【◯】 そうだね、吸収式は圧縮機を使わずポンプで冷媒をぐるぐる循環させるだけです。

 3冷、令和元年最初の問題が、この吸収式である。この先、吸収式冷凍機の構造理論も把握しておく必要があるかも。テキスト<8次:P9~P10>を一読しよう。
👉️ 令和6年度にコピペで出題されました。令和になり吸収式の勉強は必須。

・吸収冷凍機は、圧縮機を用いずに、機械的な可動部である吸収器、発生器、溶液ポンプを用いて冷媒を循環させ、冷媒に温度差を発生させて冷熱を得る冷凍機である。 R02/01 答え

【×】 吸収冷凍機の知識は必須のようです。「機械的な可動部である」→「圧縮機の代わりに」で正解。機械的可動部はポンプのみです。


 03/03/14 05/03/11 07/03/16 08/02/26 08/04/13 09/03/29 09/08/19 10/09/04 11/06/18 12/05/28 13/05/09 14/06/13 19/11/16  20/12/26 21/11/25 24/11/17

 『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/05/20)
 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(20/04/17)

修正・訂正箇所履歴

【2016/05/05 新設】

  • 魚アニメのリンク切れになっていたので修正。(2019(R1)/09/16)
  • 見出しの【基本中の基本】→【蒸発温度と凝縮温度】に変更し、問題分類を見直し。(2019(R1)/11/16)
  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、見出しや文章を見直し。(2020(R02)/04/17)
  • 冒頭のテキストの引用文誤植修正。「比体積が大きく(蒸気が薄く)なか」→「比体積が大きく(蒸気が薄く)なり,」(2021(R03)/09/24)
  • 冷凍サバアニメの説明文内誤植修正。「一匹だけを冷凍してする場合、」→「一匹だけを冷凍する場合、」(2021(R03)/09/24)
  • 見出しや文章等、見直し。(2021(R03)/11/25)

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【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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