原理3です。
理論冷凍サイクル成績係数
3種冷凍の場合、計算式は覚えなくても良い。が、意味を把握しておきましょう。(過去問しながら覚えしならば、合格確実)
わりと重要→ 実際の冷凍装置の成績係数は、理論冷凍サイクル成績係数よりも小さくなる。(効率が悪くなる)
※ 訂正)2014/10/22 qmr(h2-h4) → qmr(h1-h4) (ナガオ様ご指摘ありがとうございました。)
『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P18~P19>です。
・冷凍能力を理論断熱圧縮動力で除した値を理論冷凍サイクルの成績係数と呼び、この値が大きいほど、小さい動力で大きな冷凍能力が得られることになる。 H28/01
【◯】 (COP)th・R = Φo / Pth ですから、COPがおおきいということは、Pthは小さい(動力でよい)です。テキスト<8次:P18 (2.8式)の下行>にズバリですね。
・冷凍能力と理論断熱圧縮動力の比を理論冷凍サイクルの成績係数と呼び、この値が大きいほど、小さい動力で大きな冷凍能力が得られることになる。 R05/01
【◯】 「冷凍能力と理論断熱圧縮動力の比」とは「Φo / Pth」ということですね。
・必要な冷凍能力を得るための圧縮機動力が小さければ小さいほど冷凍装置の性能がよいことになる。その冷凍装置の性能を表す量が成績係数である。 H26/01
・必要な冷凍能力を得るための圧縮機駆動の軸動力が小さければ小さいほど冷凍装置の性能がよいことになる。その冷凍装置の性能を表す値が成績係数である。 H30/01
【両方 ◯】 良い問題ですね。 テキスト<8次:P18 (2.8式)の下行~>
・冷凍サイクルの成績係数は、運転条件が同じでも、冷媒の種類によって異なる。 H12/02
【◯】 ぅむ。 COP =(h1 - h4) / (h2 - h1) 冷媒の種類によって比エンタルピーが変わる。テキスト<8次:P18 下から2行目~)
でも、 成績係数の値に大きさ差異はない。
と、記されているので大きくは変わらないだろう。
・成績係数は、冷凍サイクルの運転条件が変っても変化しない。 H10/01
【×】 んなこたぁーない。と、なんとなく分かる問題。 テキスト<8次:P18の最下行~P19の1行目>にズバリ記述されている。
・実際の装置の成績係数の値は、理論冷凍サイクルの成績係数の値より大きくなる。 H12/02
・実際の装置の成績係数の値は、理論冷凍サイクルの成績係数の値より大きい。 H16/02
・実際の装置における冷凍サイクルの成績係数は、理論冷凍サイクルの成績係数よりも大きい。 H27/02
【全部 ×】 小さくなる(小さい)。(年度により違う文章をお楽しみください。)
実際の装置では機械的損失などで動力は大きくなる、よって成績係数は小さくなる。テキスト<8次:P19 3行目~>
・実際の冷凍サイクルでは、常に理論断熱圧縮動力以上の圧縮動力を必要とし、圧縮機の機械的損失も伴う。そのため、蒸発温度と凝縮温度などの運転条件が同じであっても、理論冷凍サイクルの成績係数に比べ、実際の装置における冷凍サイクルの成績係数は小さくなる。 R06/01
【◯】 ぅむ。 テキスト<8次:P19 1行目~>
成績係数が「大きい」ほど冷凍サイクルの効率が良い。大きいほど良い。大きいほど良い。大きいほど良い。 テキストは<8次:P19~P20>
・蒸発圧力だけが低くなっても、あるいは凝縮圧力だけが高くなっても成績係数は小さくなる。H09/03
【◯】 古~い問題ですが、この一文は永久に変わらないでしょう。テキスト<8次:P19 下から6行目~>
・冷凍サイクルの成績係数は、蒸発圧力が低くなっても、あるいは凝縮圧力が高くなっても大きくなる。 H12/02
【×】 蒸発圧力はなるべく高く、凝縮圧力はなるべく低くするのが効率の良い運転(圧縮動力が少なくてすむ)で、成績係数を大きくできます。 テキスト<8次:P19 下から6行目~>これは、基本中の基本、重要なところです。
・冷凍装置の成績係数は、蒸発温度が低いほど、また、凝縮温度が高いほど大きい。 H15/01
【×】 「蒸発温度はなるべく高く」「凝縮温度はなるべく低く」するのが省エネです。 テキスト<8次:P19 下から6行目~>
「冷凍装置の成績係数は、蒸発温度が低いほど、また、凝縮温度が高いほど小さい。」
または、
「冷凍装置の成績係数は、蒸発温度が高いほど、また、凝縮温度が低いほど大きい。」
・蒸発圧力が低下すると、成績係数は大きくなる。 H15/03
【×】 今度は【×】ですよ。
ぇ?…「蒸発圧力」ですよ!問題文はよく読もう。テキスト<8次:P19 下から6行目~>、圧力比が大きくなるので圧縮機の動力は大きくなり、成績係数は小さくなります。。
・冷凍サイクルにおいて、蒸発圧力だけが低くなっても、あるいは凝縮圧力だけが高くなっても、成績係数は大きくなる。 H21/02
【×】 効率のよい運転、低い高い大きい小さい・・・、冷凍サイクルの冷媒の状態を頭の中にイメージできるようにしよう。<8次:P19 下から6行目~>
・冷凍サイクルの成績係数は、冷凍サイクルの運転条件によって変わる。蒸発圧力だけが低くなっても、あるいは凝縮圧力だけが高くなっても、成績係数が大きくなる。 H23/02
【×】 前半は正しい。テキスト<8次:P18の最下行~P19の1行目> 成績係数が小さくなる。
が、正解。<8次:P19 下から6行目~>
・冷凍サイクルの成績係数は、冷凍サイクルの運転条件によって変わる。蒸発圧力だけが低くなっても、あるいは凝縮圧力だけが高くなっても、成績係数が小さくなる。 H30/02
【◯】 上記(H23/02)の問題の【◯】バージョンです。
・冷凍サイクルの成績係数は運転条件によって変化するが、蒸発圧力だけが低くなった場合や、あるいは凝縮圧力だけが高くなった場合には、成績係数の値は大きくなる。
H29/02 R04/02 ( 低くなった場合
← 「や」がない。他同じ。)や、あるいは
【×】 前半の運転条件はテキスト<8次:P18の最下行~P19の1行目>、後半は<8次:P19 下から6行目~>
成績係数の値は小さく(効率が悪い運転に)なる
蒸発圧力はなるべく高く、凝縮圧力はなるべく低くするのが効率の良い運転(圧縮動力が少なくてすむ)で、成績係数を大きくできます。
これは、『初級 冷凍受験テキスト』<8次:P7 1.2.1 最小の動力で最大の冷凍能力>をよく読む。ここは、基本中の基本、重要なところです。
・凝縮温度を一定として蒸発温度を低くすると、冷凍装置の成績係数は大きくなる。 H28/03
【×】 小さくなる。 テキスト的には<8次:P19 真ん中あたり~>。
テキストを、引用しておきましょう。
また,蒸発圧力だけが低くなっても,あるいは凝縮圧力だけが高くなっても,成績係数が小さくなることも容易にわかる.
だけ
というのがポイントですね。
冷凍能力よる性能つながりで過冷却度と過熱度について、テキスト<8次:P20>冒頭から記されている。ここからの出題です。
・膨張弁前の冷媒液の過冷却度が大きくなると、成績係数は大きくなる。 H15/03
【◯】 ぅむ、3冷の場合は、こういうものだと思って覚えてしまっても良い。
過冷却度については、テキスト<8次:P19>のp-h線図をジ~っと見て、よく読んで頂きたい。
COP = (h1 - h4) / (h2 - h1)の式から、過冷却度が大きくなるとh4(h3)が小さくなって h1 - h4(冷凍効果)が大きくなるので、成績係数(COP)は大きくなる。でも、過冷却度はあまり大きすぎてもいけない(5K程度まで)。
・圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が小さくなると、圧縮機の吐出しガス温度が高くなり、冷凍機油が劣化しやすくなる。 H13/02
【×】 冷凍機油が高温になると劣化しやすくなる。
吐出しガス温度が高くなるのは過熱度が大きくなったときである。
テキスト<8次:P19>9行目に なお
のあとに過熱度における吐き出しガス温度などについておまけのように記されている。他のページにも過熱度についてさまざま記されているが、ここ(成績係数)にもヒョッコリ出題されることがある。
「成績係数」が入っている問題を【おまけ】置いておきます…。
・蒸気圧縮式冷凍装置の圧縮機、膨張弁などの各機器の出入口の冷媒の圧力と温度を測定すると、p-h線図上に冷凍サイクルが描けるので、冷媒循環量がわかれば冷凍能力と成績係数の値が求められる。 H11/01
【◯】この問題はココでいいかな。
p-h線図上で、h1・h2・h4(h3)・が分かれば成績係数が求められる。(h1 - h4) / (h2 - h1)
冷媒循環量が分かれば冷凍能力 Φo = qmr (h1 - h4) である。
問題が古いのであるが、テキスト的には<8次:P18の2.7式、2.8式>辺りから読み取るしかないかな。
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『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/05/31)
『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(20/04/22)
【2016/05/05 新設】