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圧縮機の吸込み蒸気の圧力

 圧力や温度の変化で冷凍機の状態がわかるようになれば、実務での点検記録業務に役立つことでしょう。 『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P173 (14.3.2 圧縮機の吸込み蒸気の圧力)>を、一度でも熟読しましょう。

-- 【プチ解説】 --

 圧縮機の吸込み蒸気圧力が低下すると、一定凝縮圧力のもとでは

  • 圧力比(圧縮比) = 吐出しガスの絶対圧力 ÷ 吸込み蒸気の絶対圧力
     であるから、圧力比は大きくなり、圧縮機体積効率が低下する。
  • 吸込み蒸気の比体積が大きくなる(薄くなる)ので、冷媒循環量は減少し、冷凍能力と圧縮機軸動力は減少する。
  • 圧縮機吸込み蒸気圧力低下による圧縮機の軸動力の減少割合よりも、冷凍能力の減少割合のほうが大きいので、成績係数は低下する。(COP=Φo/P)
  • 8次改訂版コメ: 上記の下線部分の名分が変更(太字)された。  圧縮機の吸込み蒸気圧力の低下により、冷凍効果は減少し圧縮仕事は増加するので、 変更前のほうは難しさはあるが、名文のような気もするのだが…。

冷凍能力は

 吸込み蒸気圧力の低下によって、冷凍能力はどうなるかです。

・圧縮機の吸込み蒸気圧力が低下すると、一定凝縮圧力のもとでは圧縮比は小さくなり、冷凍能力は増加する。 H10/14 答え

【×】 テキスト<8次:P173 3行目~>を読んで。正しい文章にしましょう。

  圧縮機の吸込み蒸気圧力が低下すると、一定凝縮圧力のもとでは圧縮比は大きくなり、冷凍能力は減少する。

・圧縮機の吸込み蒸気圧力が低下すると、一定凝縮圧力のもとでは圧力比は大きくなり、冷凍能力は増加する。 H14/14 答え

【×】 問題をよく読もう。圧力比は大きく→圧縮機体積効率が低下→圧縮機軸動力と冷凍能力は減少する。

・一定の凝縮圧力のもとでは、圧縮機の吸込み蒸気圧力の低下により、圧力比が大きくなり、冷凍能力は増加する。 H20/14 答え

【×】 このぐらい同じような問題をすると、日本語のお勉強と化して、あなたはもて遊ばれるのだ。健闘を祈る。


比体積と軸動力は

 吸込み蒸気(蒸発)圧力の低下によって、比体積と軸動力はどうなるかです。

・圧縮機吸込み圧力が低下すると、吸込み蒸気の比体積が大きくなるので、圧縮機駆動の軸動力は大きくなる。 H13/14 答え

【×】 テキスト<8次:P173 4~7行目辺り>。
 比体積が大きくなる(冷媒蒸気の密度が小さくなる(蒸気が薄くなる))と、冷媒循環量が減るので圧縮機駆動の軸動力は小さくなる。

・圧縮機吸込み圧力が低下すると、吸込み蒸気の比体積が大きくなるので、圧縮機駆動の軸動力は小さくなる。 H14/14 答え

【◯】 素直な問題でしょう。H13/14問題解説参照。

・圧縮機の吸込み圧力が低下すると、吸込み蒸気の比体積が大きくなるので、圧縮機駆動の軸動力は大きくなる。 H15/14 答え

【×】H13のコピペ(でもないか、一文字違い)
 低圧圧力が低下すると、冷媒はあまり蒸発する必要がない。なので、比体積は大きくなる。吸込み蒸気の比体積が大きくなるってのは蒸気が薄くなるということ、よって、圧縮機駆動軸動力は小さくて良い。(何となく理解!?))

・蒸発温度が低くなるほど、圧縮機の吸込み蒸気の比体積は大きくなる。 H21/14 答え

【◯】 蒸発温度(圧力)と吸込み蒸気圧力との関係は、テキスト<8次:P173 冒頭2行>から読み取ってちょうだい。
 蒸発温度が低い=蒸発圧力が低い=吸込み蒸気圧力低下=以下テキスト通りで、比体積は大きくなる(蒸気が薄くなる)≒なんか弱々しいイメージ。


いろいろ

 分類に迷った問題です。

・蒸発温度が低くなるほど、冷凍装置の成績係数は大きくなる。 H19/14 答え

【×】 蒸発温度(圧力)と吸込み蒸気圧力との関係は、テキスト<8次:P173 冒頭2行>から読み取ってちょうだい。成績係数に関しては<8次:P173 10行目辺り>

・凝縮圧力が一定の場合、蒸発温度が低くなるほど冷媒循環量が減少し、圧縮機の軸動力の減少割合よりも、冷凍能力の減少割合のほうが大きい。 H22/14 答え

【◯】 つまり、「蒸発温度は高めのほうが省エネになりますよ。」ということ。なので、蒸発温度(圧力)の保守管理は大切です。

8次改訂版コメ: 7次改訂版までの  圧縮機の吸込み蒸気圧力の低下による圧縮機の駆動軸動力の減少よりも、冷凍能力の減少割合のほうが大きいので、 ← この名文?が消えてしまった。 8次改訂版では  圧縮機の吸込み蒸気圧力の低下により、冷凍効果は減少し圧縮仕事は増加するので、 に変わって、分かったようなわからないような迷文になった。よって、同様な予想問題文を記しておこう。

  凝縮圧力が一定の場合、蒸発温度が低くなるほど冷媒循環量が減少し、圧縮機の吸込み蒸気圧力の低下により、冷凍効果は減少し圧縮仕事は増加する

・圧縮機の吸込み蒸気の圧力は、蒸発器や吸込み配管内の抵抗により、蒸発器内の冷媒の蒸発圧力よりもいくらか低い圧力になる。 H24/14 答え

【◯】 イメージしてよく考えるとすんなり正解の気がする。テキスト<8次:P173 冒頭2行>にズバリ的。健闘を祈る。

・縮圧力が一定のもとでは、圧縮機の吸込み蒸気圧力の低下により、圧縮機の体積効率、装置の冷凍能力および圧縮機駆動の軸動力は、いずれも低下する。 H30/14 答え

【◯】 コンパクトにまとめた良い問題ですね。 テキスト<8次:P173 4行目から>

 03/05/01 04/09/05 05/03/21 07/03/24 08/03/15 08/04/26 09/05/31 10/09/15 10/09/16(2へ分割) 11/06/30 12/06/04 13/07/15 14/08/12 19/10/09

 『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/08/10)

修正・訂正箇所履歴

【2016/06/12 新設】

  • プチ解説など文章全般見直し。(2019(R1)/08/03)
  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、文章を見直し。(2020(R02)/07/08)
  • 冒頭文を少々見直し。(2020(R02)/10/09)

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【参考文献】

  • SIによる初級受検テキスト:日本冷凍空調学会
  • 上級受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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