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蒸発圧力調整弁(EPR)P113,P114

 蒸発圧力調整弁は、圧倒的に出題数が多い。次ページの吸入圧力調整弁との違いを把握しておこう。 『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P113~114 (9.5.1 蒸発圧力調整弁)

蒸発圧力調整弁の目的P113

 勉強していれば、美味しい問題である。取り付け位置と、蒸発圧力との関係が、ポイントだね。(吸入圧力調整弁と引っ掛けてくるから注意スべし)

蒸発圧力調整弁周辺概略図

・蒸発圧力調整弁は、蒸発器入口側に取り付けて蒸発圧力が設定圧力以上に上がらないように制御する。 H10/08 答え

【×】 正しい文章にしてみましょう。 テキスト<8次:P113 下から3行目>

  蒸発圧力調整弁は、蒸発器出口配管に取り付けて蒸発圧力が設定値よりも下がるのを防止するように制御する。

・蒸発圧力調整弁は蒸発器の出口配管に取り付けて、蒸発器内の冷媒の蒸発圧力が設定値以下に下がるのを防止する目的で用いる。 H15/08 答え

【◯】 蒸発圧力調整弁は、蒸発器出口に取り付ける。水(ブライン)冷却器は凍結防止に用いる。蒸発圧力を設定値以下に下がらないようにする。

・蒸発圧力調整弁は、蒸発器出口に取り付けて、圧縮機吸込み圧力が一定値以下になるように調節する。 H18/08 答え

【×】 正しい文章にしてみましょう。

  蒸発圧力調整弁は、蒸発器出口に取り付けて、蒸発器内の冷媒の蒸発圧力が一定値以下にならないように調節する。

・蒸発圧力調整弁は、蒸発器の出口配管に取り付けて、蒸発器内の冷媒の蒸発圧力が所定の蒸発圧力以下に下がるのを防止する。 H20/08 答え

【◯】 題意の通り。

・蒸発圧力調整弁は、蒸発器出口の冷媒配管に取り付けて、蒸発圧力が所定の蒸発圧力よりも低くなることを防止する。 R04/08 答え

【◯】 ぅむ。

・蒸発圧力調整弁は、蒸発器の出口配管に取り付けて、蒸発器内の冷媒の蒸発圧力が所定の蒸発圧力よりも下がるのを防止する目的で用いる。 H22/08 答え

【◯】 ぅむ!

・蒸発圧力調整弁は、蒸発器の出口配管に取り付けて、蒸発器内の冷媒の蒸発圧力が所定の蒸発圧力よりも高くなるのを防止する目的で用いられる。 H23/08 答え

【×】 今度は×。慌てず問題をよく読むこと。
 正しい文章は、
  蒸発圧力調整弁は、蒸発器の出口配管に取り付けて、蒸発器内の冷媒の蒸発圧力が所定の蒸発圧力よりも下がるのを防止する目的で用いられる。

・蒸発圧力調整弁は、蒸発器の入口配管に取り付けて、冬季に蒸発圧力が低くなりすぎるのを防止する。 H28/08 答え

【×】 ぅむ。  出口配管 ですね。「冬季」については不明。ぅ~ん、なぜ冬季を含めたのか…、問題作成者は冬季に活躍する「凝縮圧力調整弁」と混同させようとしたのであろうか。そうであれば、冷凍試験史上に残る非常にせこい問題であろう。

・蒸発圧力調整弁は蒸発器出口の冷媒配管に取り付けて、蒸発圧力が所定の蒸発圧力よりも高くなることを防止する。 H29/08 答え

【×】 H23年度と同等の問題。
 正しい文章は、
  蒸発圧力調整弁は蒸発器出口の冷媒配管に取り付けて、蒸発圧力が所定の蒸発圧力よりも下がるのを防止する。

ちょと、おまけの問題。

・出口に蒸発圧力調整弁が設置されている乾式蒸発器は負荷が大きくなると、蒸発圧力は低下する。 H09/12(冷凍装置の問題) 答え

【×】 負荷変動による蒸発圧力の変動を制御するのではなくて、一定値以下にならないようにする。


蒸発圧力調整弁と複数の蒸発器P114

 忘れた頃に出題される。

蒸発圧力調整弁と複数の蒸発器周辺概略図

・蒸発圧力調整弁は、1台の圧縮機に対して、複数台の蒸発器のうち、蒸発温度の高い方の出口に取り付ける。 H09/08 答え

【◯】 1台の圧縮機に複数の蒸発器がある場合、温度(圧力)の高い蒸発器側に取り付け、温度(圧力)の低い蒸発器側の圧力にならないように設定し蒸発温度の高い蒸発器の蒸発圧力が設定値より下がらないようにする。 テキスト<8次:P114 (図9.16 蒸発圧力調整弁の使用例)>を参照されたい。

・蒸発器圧力調整弁は、1台の圧縮機に対して蒸発温度の異なる2台の蒸発器を運転する場合、蒸発温度が低いほうの蒸発器出口の吸込み管に取り付ける。 H16/08 答え

【×】 蒸発温度の高い方に取り付ける。(蒸発温度高低=蒸発圧力上下)

・2個以上の蒸発器を1台の圧縮機で運転する冷凍装置において、蒸発圧力調整弁により、それぞれの蒸発器を異なる蒸発温度に設定できる。 H19/08 答え

【◯】 テキストをしっかり読んでおけば蒸発圧力調整弁の問題は美味しい問題になるはずだ。


その他

 組み込むところを考えるのが疲れてしまった問題、なのでココに置く。

・水冷却器では、凍結による破壊事故を防止するために、水温が下がり過ぎないようにサーモスタットで冷凍装置の運転を停止したり、蒸発圧力調整弁で蒸発圧力が設定値よりも下がり過ぎないように制御している。 H14/07(蒸発器の問題) 答え

【◯】 蒸発圧力(温度)が一定値以下にならないようにし、凍結防止の役目も果たす。

・蒸発圧力調整弁により、圧縮機駆動用電動機の過負荷を防止できる。 H11/08 答え

【×】 蒸発圧力調整弁では過負荷を防止できない、過負荷防止には吸入圧力調整弁を用い圧縮機の吸込み配管に取り付け吸込み圧力が設定値より上がらないようにする。

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 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(22/01/10)

修正・訂正箇所履歴

【2016/05/27 新設】

  • 文章見直し(2019(R1)/07/25)
  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、文章を見直し。(2020(R02)/06/00)
  • 全般的に見直し。(2022(R04)/01/11)

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【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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