耐圧試験 P186~P188(P180~P181)

 圧力試験の一番最初は、耐圧試験の把握です。出題数がそれなり、結構なボリュームです。

 テキストは『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P186~P188(8次:P180~) (13.2.1 耐圧試験)>です。


テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

(1)目的

 「降伏点」がポイント。テキスト<9次:P186右下 ((1) 目的)

・耐圧試験は、圧縮機、圧力容器など耐圧強度を確認しなければならない構成機器またはその部品を対象として、実際の使用状態での耐圧性能を確認するために行う。 H27保/09 答え

【◯】 ぅむ。 テキスト<9次:P186右下 ((1) 目的)>の冒頭。

・耐圧試験時に機器の材料に発生する応力が、その材料の降伏点よりも低くなければならないので、試験圧力は必要以上に高くしてはならない。 H25保/09


・耐圧試験は、設計圧力の範囲内で事故の発生が避けられることの確認のために行うものであり、加圧時に機器の材料に発生する応力が、その材料の降伏点より低くなければならない。 H30保/09答え

【両方 ◯】 ぅむ。テキスト<9次:P186 右下~左上>に、ズバリ記されている。下図で「降伏点」を把握してください。

応力-ひずみ線図
"応力-ひずみ線図"

・耐圧試験の試験圧力は、設計圧力に対して高い方が信頼性も増すが、その材料が変形しないように、加圧時に材料に発生する応力が比例限度よりも低くなければならないので、試験圧力を必要以上に高くしてはならない。 R03保/09 答え

【×】 楽勝ですよね!

耐圧試験の試験圧力は、設計圧力に対して高い方が信頼性も増すが、その材料が変形しないように、加圧時に材料に発生する応力が降伏点よりも低くなければならないので、試験圧力を必要以上に高くしてはならない。

・耐圧試験では、加圧時に機器の材料に発生する応力が、その材料の降伏点よりも低くなければならないので、耐圧試験の試験圧力は必要以上に高くしてはならない。 R05保/09 答え

【◯】 ぅむ。


(2)試験対象

 容器の大きさを考えねばなりません。テキスト<9次:P187左 ((2) 対象)

・長さ450mm、内径200mmの油分離器は、圧力容器になるので耐圧試験をしなければならない。 H17保/09 答え

【◯】 「内径160mmを超えるものは圧力容器」と覚えておこう。テキスト<9次:P187左 11行目>

・内径300mmのフィルタドライヤやヘッダは、配管として認められ、耐圧試験を必要としない。 H18保/09 答え

【×】 ぅむ。内径300mmは圧力容器です!

・圧力容器の内径が200mmのものや自動制御機器、軸封装置は耐圧試験を行わなくてよい。 H19保/09 答え

【×】 内径200mmという時点で圧力容器だから耐圧試験は必要。

 「自動制御機器、軸封装置」ってとこが引っ掛かる?よね。これは、除外事項として壊れるおそれがあるからしなくても良いとのことです。(ソースは、『冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(平成22年度編入)』の解答より)

 【ツラリツラリと考えると、】 ← 続きはクリック

 「軸封装置」は開放圧縮機のシャフトシール<9次:P34左>のことで、「自動制御機器」って膨張弁や調整弁、スイッチやサーモだよね。耐圧試験とかするの?みたいに思える。

 でもしかし、個々に耐圧試験が必要であったとしてもすでに耐圧試験がされていると考えれば良いのかなと思う。下記の引用文にも関係しているかもしれない。(ぜんぜんあさってのことを書いているかもしれないです。あしからず。)

── テキスト<9次:P187左 ((2) 対象)>より引用 ──
 耐圧試験は,耐圧強度を確認しなければならない構成機器またはその部品ごとに行う全数試験である.部品ごとに試験したときは,それを組み立てた機器も耐圧強度が確認されたものとみなされる.

・耐圧試験は、圧縮機や圧力容器などの耐圧強度を確認するために行われているものであるため、配管やその付属品では不要で、内径が180mm未満のフィルタードライヤも実施する必要がない。 H22保/09 答え

【×】 ぅむ、外経が160mmを超えていますから圧力容器です。付属品も耐圧試験は必要です。テキスト<9次:P187左 10行目>

 内径160mmを超えないフィルタドライヤやヘッダは、配管とされているが耐圧試験を行うのが望ましいと記されている。テキスト<9次:P187左 12行目>

・外径160mmのヘッダは圧力容器としてみなされ、耐圧試験の対象となる。
 H23保/09 答え

【×】 「圧力容器は内径が160mmを超えるもの」ですから、外経160mmのヘッダ(内径は160mmより小さい)は「圧力容器」ではなく「配管」とみなされる。 耐圧試験は配管以外の部分が対象と記されている。<9次:P187 ((2) 対象)>・・・健闘を祈る!

・耐圧試験は、耐圧強度を確認しなければならない構成機器、または、その部品ごとに行う抜取り試験である。部品ごとに試験したときは、それを組み立てた機器も耐圧強度が確認されたものとみなされる。 R02保/09 答え

【×】 テキスト<9次:P187左 ((2) 対象) 下5行。>から正しい文章にしてみましょう。

  耐圧試験は、耐圧強度を確認しなければならない構成機器、または、その部品ごとに行う全数試験である。部品ごとに試験したときは、それを組み立てた機器も耐圧強度が確認されたものとみなされる。
(テキストをよく読んでおかないと戸惑いスパイラルに落ち込むでしょう。)


(3)使用流体

 テキストは<9次:P187左~右 ((3) 使用流体)>です。

・耐圧試験に用いる液体は、水以外は使用できない。 H13保/09 答え

【×】 水や油を用いる。テキスト<9次:P187左 ((3) 使用流体)の4行目>

・耐圧試験は一般に液圧で行う試験であるが、液体を使用することが困難な場合は、一定の条件を満たせば空気や窒素などの気体を用いて試験を行うことも認められている。 H28保/09 答え

【◯】 ぅむ。 テキスト<9次:P187左 下から9行目~>

・圧力容器などの耐圧強度を確認するための耐圧試験は液圧で行う試験であり、空気、窒素などの気体を用いることはできない。 H29保/09 答え

【×】 できる!(楽勝ですね。) テキスト<9次:P187左 下から9行目~>


(4)試験圧力

 液体は1.5倍以上、気体は1.25倍以上と、とりあえず記憶スべし。テキスト<9次:P187右 ((4) 試験圧力)

参考) 冷凍保安規則関係例示基準5.(2)
 「耐圧力試験は、設計圧力または許容圧力のいずれか低い圧力(以下この項において「設計圧力等」という。)の1.5倍以上(気体を使用する耐圧試験圧力は設計圧力等の1.25倍以上)の圧力とする。」

・耐圧試験の圧力は、設計圧力または許容圧力のいずれか低い方の圧力の1.5倍以上とする。 H13保/09 答え

【◯】 液体か気体か不明だが、模範解答は【◯】である。耐圧試験は一般に液圧としているから1.5倍で良いのだろう。

・耐圧試験の圧力は、液圧によって試験を行う場合には、設計圧力または許容圧力のいずれか低いほうの圧力の1.5倍以上の圧力とした。 H16保/09 答え

【◯】 ぅん。

・冷凍保安規則関係例示基準により、液圧による耐圧試験の流体として油を使用し、設計圧力または許容圧力のいずれか低いほうの圧力の1.5倍以上の圧力で試験することにした。 H19保/09 答え

【◯】 ぅむ。<解説略>

・冷凍保安規則関係例示基準により、耐圧試験を液体で行う場合、試験圧力は設計圧力または許容圧力のいずれか低い方の圧力の1.5倍以上の圧力で、気体で行う場合の最低試験圧力よりも高い。 H20保/09 答え

【◯】 ぅむむ。液体は1.5倍、気体の場合は1.25倍とある。と、いうことでいいよね。

・冷凍保安規則関係例示基準により、耐圧試験の圧力は、液体によって試験を行う場合には設計圧力または許容圧力のいずれか低いほうの圧力の1.5倍以上の圧力で、気体で行う場合の圧力と同じである。 H21保/09 答え

【×】 ぅむ、ちがうよね~! 気体の場合は1.25倍以上

・耐圧試験は、圧力容器など耐圧強度を確認しなければならない構成機器に対し、液体や気体を用いて行う。この試験は、気密試験よりも高い圧力で実施されるが、液体で耐圧試験を行った場合でも気密試験を省略することはできない。 H26保/09 答え

【◯】 この問題はココにおいておきます。
 この問題文には、いろいな問が含まれているが、いちいち、その通りなのです!(テキストどこかにズバリあるのかなぁ。(疲れ))
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H26年度の問題は、このように広い知識が必要になる問題がチラリホラリ。つまり、1種レベルに近い

・耐圧試験の圧力は、液体で行う場合には設計圧力または許容圧力のいずれか低いほうの圧力の 1.25 倍以上の圧力とする。 R05保/09 答え

【×】 耐圧試験の圧力問題は、久々。

「耐圧試験の圧力は、液体で行う場合には設計圧力または許容圧力のいずれか低いほうの圧力の 1.5 倍以上の圧力とする。」


(5)実施要領

 過去問が見当たらないので、予想問題 by echo 追加。テキスト<9次:P187右 (5)実施要領

・耐圧試験を液体で行うときは、液体を満たし空気を完全に排出した後に、液圧を徐々に加え耐圧試験圧力まで上げて、その圧力を1分間以上保もち、続いて耐圧試験圧力の5/10まで下げる。 by echo 答え

【×】 8/10です。つまり80%、半分まで落としたら耐圧試験にならないでしょ! という予想問題でした。テキスト<9次:P187 (5)の冒頭>

・耐圧試験を気体で行うときは、非破壊検査を実施し、試験設備周囲に適切な防護措置と加圧作業中の標示をし、過昇圧の危険性がないことを充分に確認する。 by echo 答え

【◯】 これは、大切なことだけども、試験問題に出るかなぁ。テキスト<9次:P187 (5)から6行目~>

・耐圧試験を気体で行うときは、危険予防措置などを実施後、耐圧試験圧力の1/2まで昇圧する。その後、段階的に圧力を上げて耐圧試験圧力に達したのち、再び設計圧力等の圧力まで下げる。この状態で各部に漏れ、異常変形、破壊などがないことを確認する。 by echo 答え

【◯】 これも、大切なことだけども、試験問題に出るかなぁ。テキスト<9次:P187 (5)から6行目~>


(6)合格基準

 過去問が見当たらない。簡単すぎ!? テキスト<9次:P187右 (6) 合格基準>

・耐圧試験の合否判定は、液体気体共に定められた方法による圧力で、各部に漏れ、異常変形、破壊などがないことである。 by echo 答え

【◯】 「定められた方法による圧力で」は、上記「実施要領」の3問目の状態です。 テキスト<9次:P187 (6)>


(7)圧力計

 「H21」と「H22」は、3冷の問題をコピペした。(予想問題 by echo も。)2冷は果たして…。 テキスト<9次:P187右 (7) 圧力計>

・圧力容器の耐圧試験を気体で行う際、圧力計の文字板の大きさが75mmのものを使用した。 H21/13 答え

【×】 圧力計の大きさの規制は液体と気体では違う。 テキスト<9次:P187右下~P188左上>
 液体は75㎜以上、気体は100㎜以上、圧力計は2個以上。
 気密試験の場合もこの手の問題が出るから惑わされないように把握しておこう。

・圧力容器の耐圧試験を液体で行う際、圧力計の文字盤の大きさが100mmのものを使用した。 by echo 答え

【◯】 【×】じゃないよw 液体の場合は75mm以上だから、100mmでもOKだよね!(こんなミエミエ予想問題は外れかな?w)

・耐圧試験と気密試験に使用する圧力計の最高目盛は、試験圧力の1.25倍以上、2倍以下とする。 H22/13 答え

【◯】 その通り! テキスト<9次:P188左上 2行目>です。

・液体による耐圧試験時に圧力計を2個用いたが、気体による耐圧試験では3個用いた。 by echo 答え

【◯】 【×】じゃないよw 2個以上だから3個でもいいよね!(ま、3個必用か否かは置いといて…。)(こんなミエミエ予想問題は外れかな?w)


強度試験

 テキスト<9次:P188左 ((補足説明) 強度試験)

・圧縮機や容器など冷媒設備の配管以外の部分について、その強さを確認するために、耐圧試験の代わりに量産品について適用する試験に強度試験があり、試験圧力は設計圧力の3倍以上でなければならい。 H22保/09 答え

【◯】 世の中そういうことになっているらしいy。
 テキスト<9次:P188左 ((補足説明) 強度試験)>の冒頭を読み、表13.3も見る。しかない。

 【無理して読まなくても良い】 ← どうしても読みたければクリック

この問題は、試験不合格に導く問題だろう…。ぅむ、テキストに載っているのだから出題されても愚痴や文句は言えまい。 ま、このような珍しい問題で分からなくとも、それなりに過去問をこなしておけば60点は取れると思うよ。ただし、「学識」10問の場合は、計算問題2問を落とすような学習であれば問題外であろう。じゃ、健闘を祈る!(2017(H29)/09/02記ス)

・製品のばらつきが生じにくいことが確認された圧縮機などの量産品については、抜取り試験である強度試験を実施し、個別に行う耐圧試験を省略できる。 H25保/09 R04保/09 答え

【◯】 テキストは<9次:P188左 9行目~>です。ま、一度でもテキスト読んで、ザッと記憶にとどめておくしかないです。

・圧縮機や容器など冷媒設備の配管以外の部分について、耐圧試験に代わり量産品に対して適用する強度試験がある。その試験圧力は、耐圧試験圧力より高い。 H29保/09 答え

【◯】 平成22年度と同等の問題です。 テキスト<9次:P188左 ((補足説明) 強度試験)>の最後3行に、 強度試験の試験圧力は,設計圧力の3倍以上の高い圧力,すなわち液体で行う耐圧試験圧力の2倍以上ということになる. と記されている。

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修正・訂正箇所履歴

【2016/08/03 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応済み。解説見直し。 (2017(H29)/01/07)
  • 「強度試験」の解説を見直し追加。 (2017/09/02)
  • 文章の見直し。 (2019(R01)/09/27)
  • 「目的」を追加。文章の見直し。 (2020(R02)/11/23)
  • 全体的に見直し。 (2020(R02)/11/27)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応。(2023(R05)/10/06)
  • 解説等、見直し。(2023(R05)/10/06)

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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