固体壁表面とそれに接する流体間の伝熱作用である。
【復習】-- 熱伝導とは、物体内を高温端から低温端に向かって、熱が移動する現象。
熱伝導との違いは、固体壁表面に流体(空気、水)が接している。を、イメージ。 『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P58 (5.1.2 対流熱伝達による熱移動)>
固体壁近くの流体温度分布の概略図
対流熱伝達フロー図
Φ = α(tw - tf)A
= α・Δt・A [kW]
『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P59 (5.3)式>
温度分布は、固体壁表面近くの境界層で温度分布は急変し流体の種類、流れの状態で異なる。
上記問題文の「熱伝達」についての表記が、7次改訂版より「対流熱伝達」に微妙に移り変わっているので留意しておきたい。
下記に、6次~8次まで文章を引用したので、熱伝達表記が消えたのちの文章の違い(移り変わり)を楽しんでみましょう。
・固体壁の表面とそれに接して流れる流体との間の伝熱作用を対流熱伝達という。 H26/02
・固体壁の表面と、それに接して流れる流体との伝熱作用を対流熱伝達という。 H10/02
【◯】 ポンプ、送風機などは「強制対流熱伝達」、流体内の温度差による密度差から起きるものを「自然対流熱伝達」という。
・固体壁の表面と、それに接して流れている流体との間の伝熱作用を、熱伝達という。 H14/02
【◯】
【おまけ:『上級 冷凍受験テキスト』では以下のものが出現する】
・凝縮器のように気体から液体へ変化する熱移動をするものを「凝縮熱伝達」といい、
・蒸発器のように液体から気体へ変化する熱移動をするものを「沸騰熱伝達」という。
・熱伝達とは、物体内を高温端から低温端に向かって、熱が移動する現象をいう。 H17/02
【×】 大丈夫でしたか?これは、熱伝導です。
【復習】
・熱伝導とは、物体内を高温端か低温端に向かって、熱が移動する現象。
・熱伝達とは、固体壁の表面と、それに接して流れている空気や水などの流体との間の伝熱作用。
あなたの熱の基礎を試されます。バッチリ勉強して熱問題は、必ずGET!!しよう。
以下の年度より、問題傾向が変わっていきます。
・固体壁の表面と、それに接して流れている空気や水などの流体との間の伝熱作用を対流熱伝達という。 H18/02
・固体壁の表面と、それに接して流れている空気や水などの流体との間の伝熱作用を、対流熱伝達という。 H19/02
【両方 ◯】 テキスト<8次:P58 (5.1.2 対流熱伝達による熱移動)を熟読。
これは珍しい、18年と19年と同じ問題(しいて言えば句読点1個違うのみ)サービス問題でしょうか?
・固体壁表面での熱伝達による伝熱量は、伝熱面積と温度差に正比例する。 H19/02
【◯】 ぅむ。 テキスト<P59 ((5.3)式)>
Φ=α(tw-tf)A=αΔtA から読み解く。(式は覚えなくてもいいが、式の意味を考えるべし)でも、この式は冷凍機試験だけではなくて、熱の基本式だから覚えておいても損はない。
・熱伝達による単位時間当たりの伝熱量は、伝熱面積、熱伝達率に正比例し、温度差に反比例する。 H26/02
【×】 ぅ~ん、いろいろ考えずに、温度差に反比例という時点で誤りとしていいんでない。
「単位時間あたり」とかは無視。「伝熱面積、熱伝達率に正比例」は◯。
・固体壁表面での熱伝達による単位時間当たりの伝熱量は、伝熱面積、熱伝達率に正比例し、固体壁面と流体との温度差に反比例する。 H30/02
【×】 固体壁表面での熱伝達による
とあるので、テキスト<P59 ((5.3)式)>で良いかな。
Φ=α(tw - tf)A = αΔtA なので正解の文章にすると、
固体壁表面での熱伝達による単位時間当たりの伝熱量は、伝熱面積、熱伝達率、固体壁面と流体との温度差に正比例する。
・流体から固体壁への伝熱量は、流体の種類とその状態(気体、液体)、流速によってかなり変わる。 H11/02
【◯】ぅむ、種類、状態、流速で変わる。テキスト<8次:P59 ((5.3)式の下行)にズバリ的。それと、表5.2を一度眺めておけば最高ですね。
・熱伝達率の値は、流体の種類によって決まり、流速などの流れの状態には関係しない。 H15/02
【×】 世の中、速度が速くなるほど情報量や伝達率(量)が多くなるようで…、ブロードバンド速度やCDやDVDやハードディスクの回転数とか。テキスト<8次:P59 ((5.3)式の下行)
・固体壁表面での熱交換による伝熱量は、伝熱面積、固体壁表面の温度と周囲温度との温度差および比例係数の積で表されるが、この比例係数のことを熱伝導率という。 H22/02
【×】 ひ、引っ掛かりませんでしたか?
表面ですから、なんらかの流体と接しているはずです。熱伝達率です。この問題は熱伝導(率)ページも置いておきましょう。
【続き】
<テキスト8次:P59>の、Φ = α(tw - tf)A = αΔtA の式は覚えなくても良いが、式の意味を問うている、と同時に、熱伝導率λと熱伝達率αの違いも問うている、さらに同時に、慌て者かどうか問うている。問題文は、よく読もう。
・固体壁と流体との熱交換による伝熱量は、固体壁表面と流体との温度差、伝熱面積および比例係数の積で表され、この比例係数を熱通過率という。 H29/02
【×】 H22/02と同類問題。「熱通過率」ではなく「熱伝達率」です。
【続き】 ← 読みたい方はどうぞ
<テキスト8次:P59 ((5.3)式)>の、Φ=α(tw-tf)A=αΔtA の式は覚えなくても良いが、式の意味を問うている、と同時に、熱伝達率αと熱通過率Kの違いも問うている、さらに同時に、慌て者かどうか(読み違い)問うている。問題文は、よく読もう。
・固体壁と流体との熱交換による伝熱量は、固体壁表面と流体との温度差、伝熱面積および比例係数の積で表され、この比例係数を熱伝導率という。 R03/02
【×】 熱伝達率!ですね!!H22/02の改良版。語句の順番入れ替えで惑わされないように…。
・固体壁表面からの熱移動による伝熱量は、伝熱面積、固体壁表面の温度と周囲温度との温度差および比例係数の積で表されるが、この比例係数のことを熱伝導率という。 R04/02
【×】 熱伝達率です!!
・固体壁表面からの熱伝達による伝熱量は、伝熱面積、固体壁表面の温度と固体壁から十分に離れた位置の流体の温度との温度差および比例係数の積で表されるが、この比例係数のことを熱伝達率という。 R05/02
【◯】 ぅむ。(令和はこの問題が好きだなぁー。)
【復習】 ← 続きはクリック
Φ = α(tw - tf)A = αΔtA の α(比例係数) が、熱伝達率ですね。
固体壁近くの流体温度分布の概略図
・固体壁表面での熱伝達による伝熱量は、伝熱面積と温度差に正比例する。流体と固体壁との間で熱が伝わる際の熱伝達率[kW/(m2・K)]の大きさは、流体の種類、状態、流速などによって変わる。 H23/02
【◯】 熱伝達率α 単位も頭に入れておきなさいということかな。テキスト<8次:P59中~と、(表5.2)>
・熱伝達による単位時間当たりの伝熱量は、伝熱面積、熱伝達率に正比例し、温度差に反比例する。 H26/02
【×】 (これ、ここにも貼っておくよ。)温度差に反比例という時点で誤りとしていいんでない。
「単位時間あたり」とかは無視。「伝熱面積、熱伝達率に正比例」は【◯】。
見当たらない。(どこかに紛れ込んでいるかな?)
・空気凝縮器では、空気側熱伝達率が冷媒側熱伝達率に比べて小さいので、冷却管外面にフィンを付けて表面積を増大する。 H12/06
【◯】 これは、凝縮器関係で出題される問題ですが、熱伝達を理解しているとわりと楽になるはず。家庭用エアコンの室外機(凝縮器)を見るとフィンが付いています。
・固体壁表面での熱交換による伝熱量は、伝熱面積、固体壁表面の温度と周囲温度との温度差および比例係数の積で表されるが、この比例係数のことを熱伝導率という。 H22/02
【×】 これは「熱伝達率」の説明ですが、「熱伝導率」との違いがわかっているか問われる。
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『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/06/19)
『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(20/04/27)
【2016/05/09 新設】