EchoLand-plus
令和3年度と同等。
問5 下記仕様の鋼板がある。この鋼板を用いて、屋外に設置して凝縮温度 55℃ で運転される R 404A 用高圧受液器を設計したい。この高圧受液器について、次の(1)から(3)の問に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
ただし、R 404A 冷凍装置の凝縮温度 55℃ における高圧部設計圧力は 2.48 MPa を使用するものとする。
(20点)
(鋼板の仕様)
使用鋼板 SM400B
円筒胴に使用する鋼板の厚さ ta1 = 8 mm
鏡板に使用する鋼板の厚さ ta2 = 8 mm
(1) 設計可能な最大の円筒胴の外径 Do は何 mm か。
ただし、溶接継手の効率は 0.70 とし、円筒胴の外径を整数値で求めよ。
(2) (1)で求めた円筒胴に取り付ける鏡板の形状を半球形とし、この鏡板には溶接継手はないものとする。これに板厚 8 mm の鋼板を使用できる理由を、必要板厚を計算して説明せよ。
(3) この高圧受液器に使用する板厚 8 mm の半球形鏡板の内面に設計圧力 2.48 MPa が作用した場合、半球面の接線方向に誘起される引張応力 σt(N/mm2)を求めよ(小数点以下第1位までとする)。
与えられた条件と勉強して覚えた公式。
参照)
『上級冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P179~P181>
ta = PDi / (2σaη - 1.2P) + α
上記の式を変形して、内径 Di
Di = (tai - α)(2σaη - 1.2P) / P
Do = Di + 2ta1
屋外使用なので、α = 1、SM400B鋼板なので、σa = 100 N/mm2である。
円筒胴の内径 Diは、
Di = (tai - α) (2σaη - 1.2P) / P
= (8 - 1)(2 × 100 × 0.70 - 1.2 × 2.48) / 2.48
= (8 - 1)(2 × 100 × 0.70 - 1.2 × 2.48) / 2.48
= 959.168 / 2.48 = 386.76129
≒ 386.76 mm
ここで、切り捨てて Di = 386 mm とします。※ 整数値を指定されていることも考慮してください。
円筒胴の外径 Doは、
Do = Di + 2ta1
= 386 + 2 × 8
= 402
答え Do = 402 mm
令和6問5(3) 半球型鏡板円筒胴イメージ図
ta = PRW / (2σaη - 0.2P) + α
2R = Di = Do - 2ta1
ゆえに、R = (Do - 2ta1) / 2
半径 R は、
R = (Do - 2ta1) / 2
= (402 - 2 × 8) / 2 = 386 / 2
= 193 mm
鏡板の必要板厚 ta は、
ta = PRW / (2σaη - 0.2P) + α
= (2.48 × 193 × 1) / (2 × 100 × 1 - 0.2 × 2.48) + 1
= 478.64 / 199.504 + 1
= 2.39914 + 1 = 3.39914
≒ 4 mm (※ 切り上げること)
答え この半球形の鏡板必要厚さは、4 mm である。よって、板厚 8 mm の鋼板は使用可能である。
σt = PRW / 2ta2
では、数値代入。
σt = PRW / 2ta2
= 2.48 × 193 × 1 / (2 × 8)
= 478.64 / 16 = 29.915
≒ 29.9 (※ 小数点以下第1位まで)
答え σt = 29.9(N/mm2)
👉 ポイント
満遍なく過去問をこなすしかないでしょう。健闘を祈る。
【2024(R07)/01/16 新設】