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平成26年度以来、久々のホットバイパス制御問題です。 平成23年度と混合させた感じです。
問2 R401Aを冷媒として、負荷減少時に、圧縮機出口直後の吐出しガスの一部を蒸発器入口にバイパス弁を通して絞り膨張させ、容量制御を行う冷凍装置は、下図のとおりである。 この装置において、圧縮機の吐出しガス量の15mass%をバイパスして容量制御を行っているとき、次の問いに答えよ。なお、(1)は解答用紙のp-h線図上に、(2)と(3)は解答用紙の所定欄に計算式を示してそれぞれ答えよ。
ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとし、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。また、全負荷時の点1、点2´、点3の冷媒状態と圧縮機の冷媒循環量は、容量制御時と変わらないものとする。
(20点)
(1)この冷凍装置の冷凍サイクルを解答用紙のp-h線図上に描き、点3から点6の各状態点を図中に記入せよ。ただし、点1と点2´は、解答用紙のそれぞれの点を通るものとする。
(2)バイパスされる冷媒蒸気の比エンタルピーh5(kJ/kg)および容量制御時の冷凍能力Φoをそれぞれ求めよ。
(3)容量制御時の成績係数(COP)Rrは、全負荷時の成績係数(COP)Rの何%になるかを求めよ。
理屈を把握して、覚えておくしかありません。テキストでは、『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P22 (図2.12)>です。
(参考図)
もう一度、p-h線図とサイクル図を記します。h2´とh5をよく見てみましょう。
はい、h5=h2´と、わかります。よって、h2´を求めれば良いのです。一気に行きます。
冷凍能力 Φo = qmr(h1-h6) ですが、h6が不明です。
h6を求めるには、下図のa点の熱収支の式を組み立てられれば楽勝、この手の問題のポイントです。
熱収支の式を組み立てます。
流出するものと流入するものを左辺右辺にまとめましょう。
qmr・h6 = 0.85・qmr・h4 + 0.15・qmr・h5
qmrが消えて
h6 = 0.85・h4 + 0.15・h5
ここに、h3 = h4、h5 = 506
よって、Φoは
答え h5 = 506(kJ/kg)、Φo = 84 kW
やっかいのように思えますが、さて。
題意により、全負荷時の点1、点2´、点3の冷媒状態と圧縮機の冷媒循環量は、容量制御時と変わらないので、次式が成り立つ。
答え (COP)Rrは、(COP)Rの、78%である。
この問題の要点は、
ぐらいかな。過去問をこなしていれば大丈夫でしょう。
注) 他のページにも記していますが、この攻略では長々と計算式を記述しています。本番では用紙に書ききれないし、その必要もなく時間がかかるので、要点をまとめて短縮してください。
【2020(R01)/02/01 新設】