1種冷凍学識計算11月試験攻略-問2:平成26年度

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ホットガスバイパス式容量制御冷凍サイクル

 一度こなせば、難問ではありません。過去は、平成23年、平成17年、平成15年とホットガスは多いです。

第一種冷凍機械責任者試験 平成26年度(11月試験)

問2 下図に示すR401A冷凍装置は、負荷減少時に圧縮機出口直後の吐出しガスの一部を蒸発器入口にバイパス弁を通して絞り膨張し容量制御を行っており、下記の条件で運転するものとする。

 圧縮機の吐出しガス量の20%をバイパスをして容量制御を行っているとき、次の(1)~(3)の間に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。

 ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとする。また、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。  (20点)

第一種冷凍機械責任者試験「学識」問2(平成26年度)運転条件

第一種冷凍機械責任者試験「学識」問2(平成26年度)の問題図

 (1)バイパスされる冷媒蒸気の比エンタルピーh5(kJ/kg)を求めよ。

 (2)容量制御時の冷凍能力Φo(kW)を求めよ。

 (3)容量制御時の成績係数は、全負荷時の何%になるかを求めよ。

まずは、p-h線図を書きましょう。

 何はともあれp-h線図を書くようにしましょう。テキストでは、『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P22 (図2.12)>です。(理屈を把握して)覚えておくしかありません。

サクっと、線図を書けるようにしましょう。

第一種冷凍問2 平成26年度p-h線図

サイクル図も、サクッと書きましょう。

第一種冷凍機械責任者試験問2(平成26年度)の簡略サイクル図

<<ホットガスバイパス式容量制御サイクル>>(補足)

  • 負荷減少時に高圧液冷媒点2を液噴射弁で絞り膨張させて、その冷媒点5は過熱度の大きな低圧蒸気となる。蒸発器入口で低圧の湿り蒸気4と混合させ、状態点6となって蒸発器に入ります。
  • 負荷減少時には、こうして点1は全負荷時と同様の蒸気となって圧縮機に吸い込まれます。

(1)バイパスされる冷媒蒸気の比エンタルピーh5(kJ/kg)を求めよ。

 h5 = h2´ である。

第一種冷凍機械責任者試験問2(平成26年度)の問題図の簡略図 第一種冷凍問2 平成26年度p-h線図

 h2´を求めましょう。

h2´を求める式

 値を入れます。

h2´を求める式に数値代入

 よって、h5= h2´= 512

  答え h5 = 512 (kJ/kg)

(2)容量制御時の冷凍能力Φo(kW)を求めよ。

 冷凍能力 Φo = qmr(h1-h6) ですが、h6が不明です。

 h6を求めるには、下図のa点の熱収支の式を組み立てられれば楽勝、この手の問題のポイントです。

a点の熱収支図

 熱収支の式を組み立てます。

 流出するものと流入するものを左辺右辺にまとめましょう。

 qmr・h6 = 0.80・qmr・h4 + 0.20・qmr・h5

 qmrが消えて

 h6 = 0.80・h4 + 0.20・h5

 ここに、h3 = h4、h5 = 512

h6を求める式に数値代入

 よって、Φoは

Φoを求める式に数値代入

  答え Φo = 63(kW)

(3) 容量制御時の成績係数は、全負荷時の何%になるかを求めよ。

 やっかいのように思えますが、さて。

第一種冷凍問2 平成26年度p-h線図 第一種冷凍機械責任者試験問2(平成26年度)の問題図の簡略図

容量制御時を(COP)Rp、Φopとし、全負荷時を(COP)R、Φorとする。

(COP)Rp/(COP)R式に数値代入

 楽勝っスね!?勝利のカツ丼 58.9kB<<勝利のカツ丼>>

  答え 容量制御時の成績係数は、全負荷時の、70%である。

 ご健闘をお祈りします。

訂正箇所履歴

【2016/02/11 新設】

  • スマホなどで崩れる計算式などを、自動で大きさが変化する画像にした。(2017(H29)/04/29)
  • 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』8次改訂版に対応。(2017(H29)/04/29)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/06/01)

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