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ホットガスバイパスの混合点ヒートバランス(熱収支)が組み立てられるかが、ポイントです。
問2 下図は、負荷減少時に圧縮機吐出しガスの一部を膨張弁直後の低圧側にバイパス弁を通して絞り膨張させ、容量制御する小形R22冷凍装置の略図で、下記の理論冷凍サイクルの条件で全負荷運転されている。
負荷が減少したため容量制御運転を行い、装置の冷凍能力を全負荷時の80%にした。これについて、次の(1)~(3)に計算式を示して答えよ。
ただし、容量制御運転は、状態点1、2、3および4の冷媒状態ならびに圧縮機吐出しガス量が全負荷時と変わることなくできるものとする。
(20点)
(1) この冷凍装置の容量制御時のサイクルを解答用紙のp-h線図の略図上に示し、さらに点1~点6の各点を図中に記入せよ。
(2) 低圧側にバイパスされる冷媒量は、圧縮機吐出しガス量の何%か。
(3) 容量制御運転時における成績係数はいくらか。
<<ホットガスバイパス式容量制御サイクル>>(補足)
設問は、 冷凍能力を全負荷時の80%にした
とあり、与えられるものが冷媒の量ではない。少々難解かも。
与えられている数値は、 冷凍能力全負荷時の80%
と h1、h2、h3の比エンタルピー値
のみである。
そこで、『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P22の (2.15)式(2.16)式>を参考にしていただきたい。
全負荷時の説明図
全負荷時の冷凍効果(冷凍能力ではない)wrは、図のようにバイバス回路がない単純な冷凍装置になりますので、
wr = h1 - h4
設問では、容量制御時は冷凍能力が80%となっています。この時の冷凍効果wrcは、
wrc = h1 - h6 です。
でも、h6がわかりませんので、ヒートバランスから求めましょう。
容量制御時の点a参考図
混合点aのヒートバランスを組みます。いつものように、入るものを左辺出るものを右辺にまとめてみましょ。
容量制御時吐出しガス1kgに対しバイパス量の割合を x kg/kg
とします。
(1-x)h4 + x・h5 = h6
整理します。
h6 = (h5-h4)x + h4
数値代入しましょ
h6 =(461-255)x + 255
= 206x + 255
よって、
ここで設問から、
本番では、要点をまとめて大胆に式を短縮してください!
答え 14.1 %
ぇっと、設問での容量制御時の成績係数は、比エンタルピーhだけの公式(2冷レベル)でまとめることになります。
(2)で導き出した式を使いh6を求め、COP式に代入します。
答え 1.9
冷媒循環量が具体的に与えられていないので、冷凍能力や動力が求められませんでした。なので、冷凍効果など比エンタルピーhだけで計算式を組み立てるという頭の体操的な問題でした。
【2018(H30)/08/14 新設】