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平成21年度と同等の問題ですが、低段、中間、高段圧力の知識を求められます。
問1 R404Aを冷媒とする二段圧縮一段膨張の冷凍装置を、下記の冷凍サイクルの運転条件で運転する。この冷凍装置の冷凍能力が150kWであるとき、次の(1)から(4)の問に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
ただし、圧縮機の損失、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。
(20点)
(1)高段の凝縮圧力が1.80MPa、低段の蒸発圧力Poが0.20MPaであったとき、成績係数が実用上ほほ最大となり、最も適正な運転となる中間圧力Pm(MPa)を求めよ。ただし、圧力は絶対圧力とする。
(2)中間冷却器へのバイパス冷媒循環量q'mro(kg/s)と低段側の冷媒循環量qmro(kg/s)との比q'mro/qmroを求めよ。
(3)高段側の冷媒循環量qmrk(kg/s)を求めよ。
(4)成績係数(COP)th・Rを求めよ。
これは、まずテキストをみてもらうしかない。『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P28右>に、 高段と低段の圧力比が等しくなるように、中間圧力を選ぶのが好ましい。
と、記されている。
つまり、
なので、Pmは
注)√ は、Po・Pk 全部です。
(1)式に数値を代入しましょう。
答え Pm = 0.60Mpa
なにわともあれ、熱収支です。
左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。
qmrk・h5 + qmro・h2 = qmrk・h3 + qmro・h7
ここで、qmrkを削除して、 q´mroとqmroでまとめることを考えます。
図を見てください。中間冷却器へのバイパス冷媒循環流量も書いて見ました。
この式は覚えてください。
qmrk = qmro + q´mro
(『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P28(2.26)式参照のこと>)
左辺に入るもの、右辺に出るものを
h5(qmrk - q´mro )+ qmro・h2 + q´mro・h5 = h3(qmro + q´mro)+ qmro・h7
qmrk - q´mro = qmro なので、qmroとq´mroだけの式を作ります。
qmro・h5 + qmro・h2 + q´mro・h5 = h3(qmro + q´mro)+ qmro・h7
h3の部分を展開して
qmro・h5 + qmro・h2 + q´mro・h5 = h3・qmro + h3・q´mro + qmro・h7
qmroを左、 q´mroを右に、整理整頓。
qmro・h5 + qmro・h2 - qmro・h3 - qmro・h7 = q´mro・h3 - q´mro・h5
ここで、まとめます。p-h線図をよ~く見てください。左辺はh2とh3、h5とh7がペアになります。
qmro{(h5 - h7)+(h2 - h3)} = q´mro(h3 - h5)
ハイ、上級冷凍受験テキスト『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P28(2.25)式>が出来上がりました! :-)
この熱収支の式が、できるかできないかで合格の合否の分かれ道となるでしょう。
やっと、答えが書けますです。
答え q´mro / qmro = 0.373
:-D めでたしめでたし。
Φo = qmro(h1 - h8) であるから、
せっかくなので、(2)の答えを使いましょう。
q´mro/qmro = 0.373 であるから、
q´mro = 0.373 × qmro となる。
qmrkは、
qmrk = qmro + q´mro である。
では一気に数値代入しましょう。
答え qmrk = 1.346(kg/s)
一気に基本式を並べておきます。理論計算ですから、お気楽数値代入でOKでしょう。
Φoは指定されています。(150kW)
数値代入します。
答え (COP)th・R = 2.89
:-D めでたしめでたし。
この問題の要点は、
ぐらいかな。Po、Pm、Pkの関係が分からなくて(1)ができなくても、(2)~(4)は解けるので15点?もらえる?
ご健闘をお祈りしています。
【2018/02/11 新設】