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普通の問題ですが、理論値ではない(実際)ことと、熱収支の式を導き出すことができるかがポイントです。
問1 R404Aを冷媒とする二段圧縮一段膨張の冷凍装置を、下記の冷凍サイクルの条件で運転するとき、次の(1)~(4)の間に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
ただし、圧縮機の機械敵摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとする。また、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。 (20点)
(1)実際の中間冷却器へのバイパス冷媒循環量 q´mroと低段側の冷媒循環量qmroとの比 q´mroとの比 (q´mro / qmro)を求めよ。
(2)実際の高段側の冷媒循環量qmrk(kg/s)を求めよ。
(3)実際の圧縮機の総軸動力P(kW)を求めよ。
(4)実際の冷凍装置の成績係数(COP)Rを求めよ。
なにわともあれ、熱収支です。
左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。
qmrk・h5 + qmro・h2´ = qmrk・h3 + qmro・h7
ここで、注意) h2は、h2´とすること。
(q´mro / qmro)を求めるには、qmrkをq´mroとqmroで表せばなんとかなるでしょう。
圧縮機の機械敵摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとする。それぞれ、h2´とh4´とします。
h2´は次式で求めます。h4´は後の高段側軸動力を求めるときに一気に組み込むことにします。
この式を間違うと、このあと全て水の泡と化し涙目になってしまいます。
h2´を求めておきましょう。
さて、熱収支式のqmrkを削除して、 q´mroとqmroでまとめることを考えます。
図を見てください。中間冷却器のバイパス冷媒循環流量q´mro、qmro、qmrkをイメージしましょう。。
この式は覚えてください。
qmrk = qmro + q´mro
(『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P28左(2.26)式>)参照のこと
左辺に入るもの右辺に出るもので、先程の熱収支をもう一度組み立てます。
h5(qmrk - q´mro )+ qmro・h2´+ q´mro・h5 = h3(qmro + q´mro)+ qmro・h7
qmrk - q´mro = qmro なので、qmroとq´mroだけの式ができあがります。
qmro・h5 + qmro・h2´+ q´mro・h5 = h3(qmro + q´mro)+ qmro・h7
h3の部分を展開して
qmro・h5 + qmro・h2´+ q´mro・h5 = h3・qmro + h3・q´mro + qmro・h7
qmroを左、 q´mroを右に、整理整頓。
qmro・h5 + qmro・h2´- qmro・h3 - qmro・h7 = q´mro・h3 - q´mro・h5
ここで、まとめます。p-h線図をよ~く見てください。左辺はh2´とh3、h5とh7がペアになります。
qmro{(h5 - h7)+(h2´- h3)} = q´mro(h3 - h5)
ハイ、上級冷凍受験テキスト『SIによる 上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』(<9次(8次):P28左(2.25)式>)が出来上がりました! :-)
この熱収支の式が、できるかできないかで合格の合否の分かれ道となるでしょう。
やっと、答えが書けますです。(h2´は、すでに求めてあります。)
答え 0.534
:-D めでたしめでたし。 ぁ、本番では適にまとめ短くしてくださいね。
Φo = qmro(h1 - h8) であるから、(h7 = h8)
せっかくなので、(1)の答えを使いましょう。
q´mro/qmro = 0.534 であるから、
答え 3.47 kg/s
:-D めでたしめでたし。
h4´は前述のh2´のように別個に求めずh4のまま組み込んで計算することにします。
答え 238 kW
『試験問題と解答例』では239kWとなっていますが、ま、減点されないと思います。たぶんだけど…。
楽勝でしょう。
答え 1.30
:-D めでたしめでたし。
この問題の要点は、
ぐらいかな。健闘を祈る。
【2016/10/29 新設】