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手元の資料を平成4年までさかのぼっても二元冷凍装置の問題は見あたらない。(検定試験は不明)とってもレアな問題。
ηc = 0.70
ηm = 0.90
Φo = 50 kW
『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P50 (図4.4 )>の線図を参考に書いてみました。 はじめて書いたので結構時間がかかりました。イマイチ。(汗
はじめての二元なのでなんとなく戸惑いましたが、冷静に考えればどうってことないかも。
まずは、qmroからです。そうです!基本式はこれ。Φo = qmro (h1 - h4)
ここに、h3 = h4
なんとなく楽勝。さて、qmrkをどうやって求めるか…です。
『上級 冷凍受験テキスト』<9次:P51 (4.16)式>(<8次:P50 (4.14)式>)の熱収支の式を使うしかないでしょう。では、この公式を導いてみましょう。
「低圧側凝縮器」と「高圧側蒸発器」部分を抜き出してヒートバランスの式を組み立ててみましょう。
「出るものを左辺」「入るものを右辺」にまとめます。
qmrk・h5 + qmro・h3 = qmrk・h8 + qmro・h2
まとめて、
qmrk(h5 - h8) = qmro(h2 - h3)
そういうことで、テキストと同じ式が出来上がりました。記憶しなくてもこうしてヒートバランスの式を組み立てられれば鬼に金棒です。
さて、ここで「実際の」吐き出しガス比エンタルピーh2´を用いることに注意してください。
qmrk(h5 - h8) = qmro(h2´ - h3) です。
h2´を求めましょう。
「機械的摩擦損失仕事は、熱として冷媒に加わらないものとする。」とあるので、ηmは入れずηcのみです。
じゃ、値を入れます。
では、qmrkを求めましよう。
答え 低温側冷媒循環量qmro = 0.329 (kg/s) 高温側冷媒循環量qmrk = 0.528 (kg/s)
総軸動力Pは、二段膨張サイクルと同様に低段動力Poと高段動力Pkの和です。
P = Po + Pk
じゃ、数値を代入して一気に。
では一気にPと(COP)Pを求めましよう。
答え P = 36.5(kW) (COP)R = 1.37
そんなわけで、 とっても長い解答になってしまいましたが、本番ではこんなに書ききれません。採点者の気持ちになって要点が通じるような、ざっくりカットした計算式を組み立ててください。
二元冷凍装置は、二段圧縮二段膨張装置より簡単かもしれません。
ご健闘をお祈りしています。
【2016/02/11 新設】