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この問題は、「最高使用圧力」「基準凝縮温度」「設計圧力」「最小試験圧力」「接線方向、長手方向の引張応力」と、 円筒胴容器の圧力計算や考え方が満遍なく出されてる、わりと簡単?な問題です。
定番の引っ掛けも用意されているので攻略学習には安心?です。さぁ、何はともあれ、解いてみましょう。
問5 下記仕様で製作されたR22円筒胴圧力容器がある。この容器を基準凝縮温度50℃の高圧受液器として使用したい。 これについて、次の(1)および(2)に計算式を示して答えよ。
使用鋼板 SM400B
円筒胴板の厚さ t = 8 mm
円筒胴の外径 Do = 510 mm
円筒胴板の溶接継ぎ手の効率 η = 0.7
円筒胴板の腐れしろ α = 1 mm
ただし、冷凍保安規則関係例示基準によるR22の各基準凝縮温度50℃における設計圧力は、1.9Mpaである。 (20点)
(1) この容器は使用可能であるか否かを判定せよ。
(2) この容器に対して、最小の必要試験圧力で液圧による耐圧試験を実施するとき、円筒胴板に誘起される接線方向の引張応力 σt(N/mm^2)および長手方向の引張応力σ1(N/mm^2)はそれぞれいくらか。
基準凝縮温度50℃、設計圧力1.9Mpaで使いたい圧力容器なんだから…。
つまり、最高使用圧力Mpaを求めて、設計圧力1.9Mpaより大きければ使えるということです。
この問題も外径が指定されていますから、内径Diで計算してください。(これは、定番の引掛けです。)
(↑ズバリ1.95と記しても良い、下3桁目はあくまでも切り捨てです。)
答え 基準凝縮温度50℃における設計圧力1.9Mpaに対して、この容器の最高使用圧力は1.95Mpaなので使用可能である。
使用可能である
だけだと、減点されるかもしれない。
液圧による最小試験圧力は、設計圧力または許容圧力のいずれか低い方の1.5倍である。 ←これ覚えてね (『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P187右(4)><8次:P181左(4)>)
この場合は1.9Mpaですから、最小試験圧力Ptは
Pt = 1.5 × 1.9 = 2.85 (Mpa)
この条件をビシッと決めればあとは簡単です。接線方向の引張応力σtと長手方向の引張応力σ1をサクッと求めて終了です。
答え 接線方向の引張応力σt = 88.0(N/mm^2)、長手方向の引張応力σ1 = 44.0(N/mm^2)である。
というわけで、接線方向の引張応力は長手方向の引張応力の2倍になるということがわかる。
【2016/03/18 新設】