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令和5年度検定試験とクリソツです。
5. 下記仕様の薄肉円筒胴圧力容器に関する(1)~(3)について、それぞれ解答用紙に答えよ。(1)および(3)については、計算式を示して答えよ。 (20点)
(仕様)
使用鋼板 SM 400 B(JIS G 3106)
設計圧力 P = 2.49 Mpa
円筒胴内径 Di = 480 mm
溶接継手の効率 η = 0.70
(1) この圧力容器を、耐食処理を施した後に屋内の機械室に設置する場合、薄肉円筒銅板材の必要な最小の厚さ ta (mm) はいくらか。小数点以下 1 桁までの数値で答えよ。
(2) (1)で求めた薄肉円筒胴使用板材の最小厚さ t (mm)を整数値で答えよ。
(3) (2)で求めた最小厚さの板材を用いた薄肉円筒胴圧力容器に設計圧力が作用した場合、薄肉円筒胴に発生する最大引張応力 σ (N/mm2) はいくらか。小数点以下 1 桁までの数値で答えよ。
与えられた条件と勉強して覚えた公式で上手に導き出しましょう。
最小必要厚さ taを求める式は下記で求められます。しかし、「許容引張応力 σa」と「腐れしろ α」が設問で指定されていません。
ta = {(PDi) / (2σaη - 1.2P)} + α
ここで、使用鋼材 SM400B の許容引張応力 σaは、反射的に σa=100 N/mm2 と浮かぶようにしましょう。(過去問をこなせば浮かびます。)
さて、腐れしろ α ですが、『上級 冷凍受験テキスト』<9次:P178左 表12.7>に「直接風雨にさらされない部分で、耐食処理を施したもの 腐れしろ 0.5 mm」と、記されています。これを知っていれば、合格❗❓(ちょっと、嫌らしいですが令5年度で出題されてます。☹️)
では、数値代入して。
ta = {(PDi) / (2σaη - 1.2P)} + α
= {(2.49 × 480) / (2 × 100 × 0.70 - 1.2 × 2.49)} + 0.5
= 1195.2 / 137.012 + 0.5
= 8.7228141 + 0.5
≒ 9.22
注)切り上げすること。(9.2 mm にすると、0点❗)
答え 必要な最小の厚さ ta は、9.3 (mm)である。
(1)で求めた厚さ 9.3 (mm)よりも厚い整数値になりますね。(9 (mm)は、ダメだよ。これ間違うと(3)は撃沈。)過去問してなくても常識的にわかると思います。
答え 最小厚さ t は 10 (mm)である。
(2)で求めた最小の板材の厚さ t = 10 (mm) で計算。
ここで、設問の最大引張応力 σ は、接戦方向の引張応力 σt です。
よって、
σ = σt = (PDi) / (2ta)
= (2.49 × 480) / (2 × 10)
= 1195.2 / 20
= 59.76
≒ 59.8
答え σ = 59.8 (N/mm2)
令和5年度とほぼ同じの問題でした。講習ビデオのヒント?と過去問すれば大丈夫だったでしょう。🙌
【2025(R07)/05/29 新設】