1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問1:令和7年度

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二段一弾膨張冷凍装置です。

 中間冷却器の熱収支さえ組み立てることができれば、あとは2冷レベル。令和元年度と同等です。

第一種冷凍機械責任者試験 令和7年度(講習検定試験)

問1 R410Aを用いた二段圧縮一段膨張冷凍装置の理論冷凍サイクルの仕様と圧縮機の効率を下記に示す。この冷凍装置を運転したとき、次の(1)~(5)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。
 ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は熱となって冷媒に加わるものとし、機器および配管と周囲の間で熱の出入りはないものとする。

(20点)

(理論冷凍サイクルの仕様)
 冷凍装置の冷凍能力                   \(\varPhi_{\text{o}} = 40\,{\text{kW}}\)
 低段側圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー         \(h_{\text{1}} = 425\,{\text{kJ/kg}}\)
 理論断熱圧縮後の低段圧縮機吐出しガスの比エンタルピー  \(h_{\text{2}} = 450\,{\text{kJ/kg}}\)
 高段圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー          \(h_{\text{3}} = 432\,{\text{kJ/kg}}\)
 理論断熱圧縮後の高段圧縮機吐出しガスの比エンタルピー  \(h_{\text{4}} = 457\,{\text{kJ/kg}}\)
 中間冷却器用膨張弁直前の冷媒液の比エンタルピー     \(h_{\text{5}} = 257\,{\text{kJ/kg}}\)
 蒸発器用膨張弁直前の冷媒液の比エンタルピー       \(h_{\text{7}} = 225\,{\text{kJ/kg}}\)
 (圧縮機の効率)
 低段圧縮機の断熱効率                 \(\eta_{\text{cL}} = 0.70\)
 高段圧縮機の断熱効率                 \(\eta_{\text{cH}} = 0.75\)
 低段圧縮機の機械効率                 \(\eta_{\text{mL}} = 0.85\)
 高段圧縮機の機械効率                 \(\eta_{\text{mH}} = 0.90\)

令和7年度講習検定試験問1。問いの線図

 (1) 低段側冷媒循環量 \(q_{\text{mro}}\) (kg/s)を求めよ。

 (2) 低段側圧縮機吐き出しガスの実際の比エンタルピー \(h'_{\text{2}}\) (kJ/kg)を求めよ。

 (3) 中間冷却器へのバイパス冷媒循環量 \(q'_{\text{mro}}\) (kg/s)を求めよ。

 (4) 実際の凝縮負荷 \(\varPhi_{\text{k}}\) (kW)を求めよ。

 (5) 実際の冷凍装置の成績係数 \(\small {(COP)}_{\text{R}}\)を求めよ。

なにはともあれ、概略図と(線図)を描きましょう。

 スラスラと書ける✍️ようになれば、合格ラインでしょう。🙌

令和7年度講習検定試験問1のp-h線図
令和7年度講習検定試験問1のp-h線図

令和7年度講習検定試験問1の概略図
令和7年度講習検定試験問1の概略図

(1) 低段側冷媒循環量 \(\large{q_{\text{mro}}}\) (kg/s)を求めよ。

 2冷レベルです。

Φo = qmro(h1 - h8)の説明用概略図
\(\varPhi_{\text{o}} = q_{\text{mro}}(h_{\text{1}} - h_{\text{8}})\)の説明概略図

基本式

 冷凍能力の基本式から、\(q_{\text{mro}}\) を求める式は、

  \(\boldsymbol{q_{\text{mro}} = \dfrac{\varPhi_{\text{o}}}{h_{\text{1}} - h_{\text{8}}}}\)


 ここに、\(h_{\text{7}}\) = \(h_{\text{8}}\)

  \(q_{\text{mro}} = \dfrac{\varPhi_{\text{o}}}{h_{\text{1}} - h_{\text{8}}}\)

     \( = \dfrac{40}{425-225} \)

     \( = 0.200 \)


  答え \(\boldsymbol{q_{\text{mro}} = 0.200\,\text{kg/s}}\)

(2) 低段側圧縮機吐き出しガスの実際の比エンタルピー \(\large{h'_{\text{2}}}\) (kJ/kg)を求めよ。

 2冷レベルです。

h'2の説明用概略図
\(h'_{\text{2}}\) の説明用概略図

   \(h'_{\text{2}} = h_{\text{1}} + \dfrac{h_{\text{2}} - h_{\text{1}}}{\eta_{{\text{cL}}}\,\eta_{\text{mL}}}\)

     \( = 425 + \dfrac{450 - 425}{0.70 \times 0.85}\)

     \( = 425 + \dfrac{25}{0.595}\)

     \( = 425 + 42.0168\)

     \( = 467.0168\)

     \(≒ 467\)

 長々と書いていますが、本番では思いっきり短縮してください。どんなふうにするかは、過去問をこなせばわかってくるでしょう。


  答え \(\boldsymbol{h'_2 = 467\,\text{kJ/kg}}\)

(3) 中間冷却器へのバイパス冷媒循環量 \(\large{q'_{\text{mro}}}\) (kg/s)を求めよ。

 2つの方法を記しておきます。

方法1

 基本式から \(q'_{\text{mro}}\) を含めた熱収支式を導き出します。

中間冷却器の説明用概略図(方法1)
中間冷却器の説明用概略図(方法1)

 基本式はこれ、

   \(q_{\text{mrk}}\) = \(q'_{\text{mro}}\) + \(q_{\text{mro}}\)

 図を見ながら、いつものように、左辺に入るもの、右辺に出るもので式を組み立てましょう。 ここで、注意) \(h_{\text{2}}\) は、\(h'_{\text{2}}\) とすること。

\( \begin{aligned} h_{\text{5}} (q_{\text{mrk}} - q'_{\text{mro}}) + q_{\text{mro}} h'_{\text{2}} + q'_{\text{mro}} h_{\text{6}} \\ = h_{\text{3}} q_{\text{mrk}} + q_{\text{mro}} h_{\text{7}} \end{aligned} \)

 ここで、\(q_{\text{mrk}}\) = \(q_{\text{mro}} + q'_{\text{mro}}\) 及び、\(h_{\text{5}}\) = \(h_{\text{6}}\)

 よって、

\( \begin{aligned} h_{5} \left\{ (q_{\text{mro}} + q'_{\text{mro}}) - q'_{\text{mro}} \right\} + q_{\text{mro}} h'_{\text{2}} + q'_{\text{mro}} h_{5} \\ = h_{3} (q_{\text{mro}} + q'_{\text{mro}}) + q_{\text{mro}} h_{7} \end{aligned} \)

 整えます。

\( q_{\text{mro}} h_{5} + q_{\text{mro}} h'_{\text{2}} + q'_{\text{mro}} h_{\text{5}} = h_{3} \left\{ (q_{\text{mro}} + q'_{\text{mro}}) \right\} + q_{\text{mro}} h_{7} \)

 さらに、\(q_{\text{mro}}\) を左辺に、\(q'_{\text{mro}}\) を右辺に、整理整頓しましょう。

\( \begin{aligned} q_{\text{mro}} h_{\text{5}} + q_{\text{mro}} h'_{\text{2}} - q_{\text{mro}} h_{\text{3}} - q_{\text{mro}} h_{\text {7}} \\ = q'_{\text {mro}} h_{\text {3}} - q'_{\text {mro}} h_{\text {5}} \end{aligned} \)


 ここでまとめましょう。p-h線図を見ると「な~るほど」と式の意味がわかってくることでしょう。

中間冷却器の説明用p-h線図
中間冷却器の説明用p-h線図

 p-h線図を見ながらまとめましょう。

 \(q_{\text{mro}} \{(h_{\text{5}} - h_{\text{7}}) + (h'_{\text{2}} - h_{\text{3}}) \} = q'_{\text{mro}} (h_{\text{3}} - h_{\text{5}})\)

 よって、

 \(\boldsymbol{q'_{\text{mro}} = q_{\text{mro}} \dfrac{(h_{\text{5}} - h_{\text{7}}) + (h'_{\text{2}} - h_{\text{3}})}{h_{\text{3}} - h_{\text{5}}}}\)

  👆️
 この式が模範解答やテキストに、いきなり載っている熱収支の式です。本番では、導き出す部分を省いてこの式をサクッと記したほうが良いでしょう。(意外と解答欄は狭いです。)

 数値代入します。

 \(q'_{\text{mro}} = q_{\text{mro}} \dfrac{(h_{\text{5}} - h_{\text{7}}) + (h'_{\text{2}} - h_{\text{3}})}{h_{\text{3}} - h_{\text{5}}}\)

    \( = 0.200 \times \dfrac{(257 - 225) + (467 - 432)}{432 - 257}\)

    \( = 0.200 \times \dfrac{32 + 35}{175}\)

    \( = 0.200 \times \dfrac{67}{175}\)

    \( = \dfrac{13.4}{175}\)

    \( ≒ 0.0766\)

方法2

 式が簡略できます。

中間冷却器の説明用概略図(方法2)
中間冷却器の説明用概略図(方法2)

 基本式はこれ、

   \(\boldsymbol{q_{\text{mrk}} = q'_{\text{mro}} + q_{\text{mro}}}\)

 点 6(\(q'_{\text{mro}}\))を点 5(\(q_{\text{mrk}}\))に含まれるものとしてみます。左辺に入るもの、右辺に出るもので式を組み立てます。
 ここで、注意) \(h_{\text{2}}\) は、\(h'_{\text{2}}\) とすること。

 \(q_{\text{mrk}}h_{\text{5}} + q_{\text{mro}}h'_{\text{2}} = q_{\text{mrk}}h_{\text{3}} + q_{\text{mro}}h_{\text{7}}\)

 \({q_{\text{mro}}}\) を左辺、\({q_{\text{mrk}}}\) を右辺にまとめます。

 \({q_{\text{mro}}h'_{\text{2}} - q_{\text{mro}}h_{\text{7}} = q_{\text{mrk}}h_{\text{3}} - q_{\text{mrk}}h_{\text{5}}}\)

 \({q_{\text{mro}}}\) と \({q_{\text{mrk}}}\) をまとめましょ。

 \(\boldsymbol{q_{\text{mro}}(h'_{\text{2}} - h_{\text{7}}) = q_{\text{mrk}}(h_{\text{3}} - h_{\text{5}})}\)

 はい、これで熱収支式の出来上がりです。


 熱収支式から \(q_{\text{mrk}}\) を求めます。

 \(\boldsymbol{q_{\text{mrk}} = q_{\text{mro}} \dfrac{(h'_{\text{2}} - h_{\text{7}})}{(h_{\text{3}} - h_{\text{5}})}}\)

 \(\boldsymbol{q_{\text{mrk}} = 0.200 \times \dfrac{(467 - 225)}{(432 - 257)}}\)

   \( = 0.200 \times \dfrac{242}{175}\)

   \( = \dfrac{48.4}{175}\)

   \( = 0.2765714\)

   \( ≒ 0.2766\)

では、基本式より \(q'_{\text{mro}}\) を求めましょう。

 \(\boldsymbol{q'_{\text{mro}} = q_{\text{mrk}} - q_{\text{mro}}}\)

   \( = 0.2766 - 0.200\)

   \( = 0.0766\)


 くどいですが、本番ではこんなに長々と式を書きません。大胆に短縮してください。

  答え \(q'_{\text{mro}} = 0.0766\,\text{kg/s}\)

(4) 実際の凝縮負荷 \(\boldsymbol{\varPhi_{\text{k}}}\) (kW)を求めよ。

 これは、2冷レベルですね。

 基本式は、もちろんこれ。

  \(\boldsymbol {\varPhi_{\text{k}} = q_{\text{mrk}}(h'_{\text{4}} - h_{\text{5}})}\)  注意) \(h_{\text{4}}\) は、\(h'_{\text{4}}\) とすること。

 \(h'_{\text{4}}\) を求めましょ。

  \(\boldsymbol{h'_{\text{4}}} = h_{\text{3}} + \dfrac{(h_{\text{4}} - h_{\text{3}})}{\eta_{cH}\,\eta_{mH}}\)

    \( = 432 + \dfrac{(457 - 432)}{0.75 \times 0.90}\)

    \( = 432 + \dfrac{25}{0.675} = 432 + 37.037037\)

    \( = 469.037 ≒ 469\)

では、数値代入しましょう。

  \(\boldsymbol{\varPhi_{\text{k}} = (q_{\text{mro}} + q'_{\text{mro}}) \times (h'_{\text{4}} - h_{\text{5}})}\)

    \( = (0.200 + 0.0766) \times (469 - 257)\)

    \( = 0.2766 \times 212\)

    \( = 58.6\)

 コメント👉️ \(q'_{\text{mro}} = 0.077\) とした場合は、58.7 となりますが、ぅ~ん、echoは減点しません。


  答え \(\boldsymbol{\varPhi_{\text{k}}}= 58.6 \,\text{kW}\)

(5) 実際の冷凍装置の成績係数 \(\small {(COP)_{\text{R}}}\) を求めよ。

 3冷レベル!?

 基本式はこれ

  \(\boldsymbol{(COP)_{\text{R}} = \dfrac{\varPhi_{\text{o}}}{P}}\)

 ここで、\(\varPhi_{\text{o}}\) は与えられていますので、\(P\) を求めましょう。

 (4)で求めた \(\boldsymbol{\varPhi_{\text{k}}}\) を用いる事がスマート(題意)でしょう。

  \(\boldsymbol{P} = \boldsymbol{\varPhi_{\text{k}}} - \boldsymbol{\varPhi_{\text{o}}}\)

 では、一気に数値代入しましょう。

  \(\boldsymbol{P} = \boldsymbol{\varPhi_{\text{k}}} - \boldsymbol{\varPhi_{\text{o}}}\)

   \(= 58.6 - 40\)

   \(= 18.6\)

  \(\boldsymbol{(COP)_{\text{R}} = \dfrac{\varPhi_{\text{o}}}{P}}\)

      \(= \dfrac{40}{18.6} = 2.151\)

      \(≒ 2.15\)


  答え \(\boldsymbol{(COP)_{\text{R}}}= 2.15\)

コメント

 中間冷却器の熱収支式が導きすことができれば楽勝でしょう。

訂正箇所履歴

【2025(R07)/07/28 新設】

  • (3)の方法1の計算式の数値代入の部分で、q'mro = 0.0537 (kg/s)としましたが、0.0766 (kg/s)が正しいです。途中計算間違いを訂正しました。(赤字)(2026(R08)/04/20)
    = 0.200 × {(257 - 225) + (467 - 432)} / (432 - 257)
    = 0.200 × (32 + 15) / 175
    = 0.200 × 47 / 175
    = 9.4 / 175
    0.0537
      ↓👇️
    = 0.200 × {(257 - 225) + (467 - 432)} / (432 - 257)
    = 0.200 × (32 + 35) / 175
    = 0.200 × 67 / 175
    = 13.4 / 175
    0.0766
  • 変数記号のみをイタリックに、その他見直し。(2026(R08)/04/21)
  • 計算式表記を「MathJax」に変更、その他見直し。(2026(R08)/05/08)
  • (3)の方法1の計算式で、({})を{()}表記に変更。(2026(R08)/05/10)

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