1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問2:令和元年度

EchoLand-plus

満液式蒸発器

 乾き度やh7を問われます。過去問をこなしていれば大丈夫。講習では重点箇所になることでしょう。(H21年度と同等です。)

第一種冷凍機械責任者試験 令和元年度(講習検定試験)

 下図に示すような管内蒸発方式の満液式蒸発器を使用する冷凍装置が以下の条件で運転されている。このとき、次の(1)~(3)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。

(20点)

令和元年度1種冷凍講習検定試験問2 満液式蒸発器冷凍装置運転条件

令和元年度1種冷凍講習検定試験問2 満液式蒸発器冷凍装置概略図

(1)膨張弁出口の冷媒の乾き度x4を小数点以下3桁まで求めよ。

(2)冷凍能力Φo(kW)を求めよ。

(3)蒸発器出口の冷媒の比エンタルピーh7(kJ/kg)を求めよ。

なにはともあれ、、p-h線図を書きましょう。

令和元年度1種冷凍講習検定試験問2 満液式蒸発器冷凍装置概略図縮小版 令和元年度1種冷凍講習検定試験問2 満液式蒸発器冷凍装置のp-h線図

  • 受液器より出た冷媒液は膨張弁を経て、気液混合冷媒点4となって液集中器に入る。(qmr)
  • 気液混合冷媒は、飽和液点5と乾き飽和蒸気点1に分離される。
  • 飽和液点5は溜まっている液分相当(高さ)の、圧力が加わった点6の過冷却液となって出口より蒸発器に入る。(qmo)
  • 蒸発器の冷媒は熱交換し一部が蒸発する。
  • 蒸発器出口の冷媒は湿り蒸気の状態点7で液集中器に再び入る。(qmo)
  • 液集中器に入った湿り蒸気の飽和液分は下部に落ち、乾き飽和蒸気は点4で流入した乾き飽和蒸気と共に(qmr)圧縮機に入る。点1

(1)膨張弁出口の冷媒の乾き度x4を小数点以下3桁まで求めよ。

 乾き度については、当サイトでは、問3攻略ページでまとめてあります。「1種冷凍学識計算攻略-一寸:乾き度xについて」

 と、言って終わるのも何なので、ここにコピペしておきましょう。


乾き度x説明用p-h線図1

 図は点cの乾き度をxcとすると、 飽和液Aが(hC - hA)の熱エネルギーを受け入れ点Cとなった。という、基本の一例p-h線図である。

 ここで、点Cの乾き度xcは、

乾き度x基本式
 である。

乾き度x4のp-h線図

乾き度x4式

 ここに、h4=h3、h5=h6である。数値代入しましょ。

乾き度x4式へ数値代入

   答え x4 = 0.374
     小数点3桁指定のあることをお忘れなきよう。

(2)冷凍能力Φo(kW)を求めよ。

 2冷レベルです。概略図と線図と基本式を見てイメージしましょう。

令和元年度1種冷凍講習検定試験問2 満液式蒸発器冷凍装置p-h線図 令和元年度1種冷凍講習検定試験問2 満液式蒸発器冷凍装置の概略図縮小版

基本式
冷凍能力Φoを求める式

ここに、h3=h4である。数値代入しましょ
冷凍能力Φoを求める式に数値代入

   答え 26.4(kW)

(3)蒸発器出口の冷媒の比エンタルピーh7(kJ/kg)を求めよ。

 熱収支から導き出してみましょう。


令和元年度1種冷凍講習検定試験問2 満液式蒸発器冷凍装置の液集中器ヒートバランス用説明図

 さて、図は液集中器辺りを抜き出して、冷媒循環量qmrと蒸発器の冷媒流量qmoを書き込んでみました。

 じゃ、左辺に入るもの、右辺に出るもので熱収支(ヒートバランス)の式を組みましょう。

 qmr・h4+qmo・h7=qmo・h6+qmr・h1  です。

qmrとqmoでまとめます。(エンタルピーの大きい方から引き算するように)

 qmo(h7-h6)=qmr(h1-h4

ここに、h3=h4である。はい、この設問の場合「h7」以外はすべて数値がわかりますからh7は、
熱収支から導き出したh7を求める式


 では、数値代入しましょ。

熱収支から導き出したh7を求める式に数値代入
 なんか、小学生みたいですけど‥。

   答え 350(kJ/kg)

 ご健闘をお祈りしています。

訂正箇所履歴

【2020(R02)/03/28 新設】

  • h7を求める式と、それに数値代入した式のリンク切れを修正。 (2021(R03)/04/25)
  • (2)のΦoを求める式内の、h1の値「394」→「393」に訂正。(2022(R04)/02/09)
  • 「(1)蒸発器出口の冷媒の乾き度x4」→「(1)膨張弁出口の冷媒の乾き度x4」に訂正。(2022(R04)/03/13)

Back to top ↑