EchoLand-plus
鏡板の板厚の勉強は必須となっています。平成29年度と同等かな。
問5 下記仕様の鋼板がある。この鋼板を用いて、屋外に設置して凝縮温度55℃で運転されるR410A用高圧受液器を設計したい。この高圧受液器について、設計可能な最大の円筒胴の内径Di(mm)と、この円筒胴に取り付ける半球形鏡板の必要板厚ta(mm)を、それぞれ計算式を示して整数値で求めよ。
ただし、R410A冷凍装置の基準凝縮温度55℃における高圧部設計圧力は3.33Mpaとし、円筒胴の溶接継手の効率は0.70、鏡板には溶接継手はないものとする。また、円筒胴と鏡板は内径寸法Di(mm)と同一とする。
(20点)
(鋼板の仕様)
使用鋼板 SM400B
円筒胴に使用する鋼板の厚さ ta1 = 9 mm
次式よりDi を求める。(参照:『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P179左 (12.8)式><8次:P172左 (12.8)式>)
じゃ、数値代入しましょう。
整数値指定なので、小数点以下は切り捨てる。(四捨五入して327とすると致命的間違い。0点かも。)
答え Di = 326 mm
半球形鏡板の必要板厚taは、
テキスト<9次:P179右 (12.11)式><8次:P173左 (12.11)式>
与えられている数値は、
数値代入します。
整数値指定なので、小数点以下切り上げ。( 3mm
は論外。 3.8 mm
は、ぅ~ん…、計算式があっていれば減点だけですむかも。)
答え ta = 4 mm
以下、令和2年12月18日にKHKより公表された模範解答より引用する。
SM400Bは例示基準では3.0MPa超で使用できない旨の解答や例示基準上使用可能な上限圧力(3.0MPa)以下で計算する解答も可とする。
なお、設計圧力を3.0MPaとした場合、① Di = 363 mm、② ta = 4 mmとなる。
この問題は、正解答が3種類存在する。キッパリと「3.33MPaでは使用不可」と解答された方もおられたかもしれない。また、可能な圧力3.0MPaに仕様変更(正しい設計!!?)して解答された方もおられたかもしれない。
いずれにしても勉強した知識に 自身 自信を持っている素晴らしい解答である。
問題作成者は何かしらの壮大な意図があったのだろうか、それとも、コロナ禍の中でのうっかりポン!的なミスだったのだろうか。いずれにしろ、令和史に残る受験者を惑わす◯ン子問題決定であろう。 (2020(R02)/12/19記ス by echo)
【2020(R02)/12/12 新設】
=3.27230176→
=3.7230176に修正。(2020(R02)/12/20)
3.3 mmは、ぅ~ん…、計算式があっていれば減点かも。」→「
3.8 mmは、ぅ~ん…、計算式があっていれば減点だけですむかも。」に修正。(2021(R03)/10/13)