EchoLand-plus
圧力の問題があります。それと検定では珍しいバイパス冷媒循環量qmro´が問われます。
問1 下図は、R410A二段圧縮一段膨張冷凍装置の理論冷凍サイクルである。その運転条件は次の通りである。
このとき、次の(1)~(5)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。(2)~(5)については、計算式を示して答えよ。
(20点)
(1) 凝縮圧力Pk、蒸発圧力Poとするとき、中間冷却器内の最適な中間圧力Pmを求める式を示せ。ただし、圧力Pk、PoおよびPmはいずれも絶対圧力である。
(2) 低段側冷媒循環量qmro(kg/s)を求めよ。
(3) 中間冷却器へのバイパス冷媒循環量q´mro(kg/s)を求めよ。
(4) 理論凝縮負荷Φk(kW)を求めよ。
(5) 総理論圧縮動力Pth(kW)を求めよ。
最適な中間圧力Pmは、高段凝縮圧力Pkと低段蒸発圧力Poとの圧力比が等しくなることが望ましい。(『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P28右 式(2.29)>)
よって、
Pm^2 = Pk・Po
Pm = √Pk・Po 注) PkとPoの積に√
答え Pm = √Pk・Po 注) PkとPoの積に√
2冷レベルです。
ここに、h7 = h8
では、
答え 0.243 (kg/s)
qmrk = q´mro + qmro
qmroは(1)で求めました。qmrkを求めるには中間冷却器の熱収支式を組み立てなければなりません。
左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。
qmrk・h5 + qmro・h2 = qmrk・h3 + qmro・h7
qmroを左辺、qmrkを右辺にまとめます。
qmro・h2 - qmro・h7 = qmrk・h3 - qmrk・h5
qmro(h2 - h7) = qmrk(h3 - h5)
ハイ、qmroとqmrkを含んだ熱収支式の出来上がり。
よって、qmrkは、
よって、
答え 0.068 (kg/s)
さっさと、片付けましょう。
答え 65.0 (kW)
さっさと、
Pth = Φk-Φo = 65.0-50 = 15.0
このほかに、PLとPHを求めて合計する方法もあるがこれでも十分満点くれると思われる。それに、試験時間を短縮するためにもこれのほうが良いだろう。
答え 15.0 (kW)
理論冷凍サイクルなのでややこしい計算はない。その分(1)~(5)までと問題数が多い。中間冷却器の熱収支はもちろん、バイパス冷媒循環量q´mroの絡みを把握しておきたい。ま、講習で説明があると思うけど。
【2018(H30)/07/07 新設】