1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問2:平成17年度

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液噴射弁付きR22冷凍装置

 液噴射弁と蒸発器の混合点ヒートバランス(熱収支)が組み立てられるかが、ポイントです。(あと、頭の体操?的な…)

第一種冷凍機械責任者試験 平成17年度(講習検定試験)

問2 R22を用いた冷凍装置が、圧縮機の過熱運転を防止するため、下図のように冷媒液を液噴射弁を通して吸込み蒸気配管に噴射し、次の条件で運転されている。

平成17年度1種冷凍講習検定試験問2液噴射弁付きR22冷凍装置運転条件

液噴射弁付きR22冷凍装置の概略図

 このとき、次の(1)、(2)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。

(20点)

(1) 冷媒液噴射量qpは、圧縮機の冷媒循環量qmrの何%か。

(2) 蒸発器出口冷媒蒸気が冷媒液噴射により冷却される熱量Φp(kW)を求めよ。

(1) 冷媒液噴射量qpは、圧縮機の冷媒循環量qmrの何%か。

 概略図とp-h線図を記して必要な記号や矢印を追加してみましょう。

液噴射弁付きR22冷凍装置概略図 + 記号など 液噴射弁付きR22冷凍装置p-h線図

 さて、  上図 を焦らず眺めて  上手 に、qmrとqpの式を組み立てましょう。

 要は、いつものように、a点のヒートバランス式を組み立てれば良いのですね。ハイ。


液噴射弁付き冷凍装置a点の概略図
液噴射弁付きR22冷凍装置a点の概略図

 a点に入るものを左辺、出るものを右辺にまとめてみましょ。

液噴射弁付き冷凍装置a点のヒートバランス式

 では、数値代入しましょ。

液噴射弁付冷凍装置a点のヒートバランス式へ数値代入

   答え 6.8 % (本番では、式を大胆に短縮してください。)

(2) 蒸発器出口冷媒蒸気が冷媒液噴射により冷却される熱量Φp(kW)を求めよ。

 (1)で求めた  qp/qmr を、上手に使ってΦpを導き出します。

 参考) (『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P23>に、液噴射弁付き冷凍装置の説明がありますが、設問のΦpを求める式が見当たりません。少々反則気味かと思います。でも、講習検定の問題ですので講習時間にそれなりの大胆なヒントが与えらたことでしょう…。)(2018(H30)/08/13記ス) (<9次:P23>)


液噴射弁付冷凍装置のp-h線図とa点概略図を連結した画像

 蒸発器の冷媒循環量は(qmr-qp)であるから、蒸発器出口冷媒蒸気(点5)が、冷媒液噴射(qp)により冷却される(点5→点1)熱量は、

 Φp = (qmr-qp)(h5-h1) である。


 ここで、qmrを求めましょう。

 基本式は、Φk = qmr / (h2-h3)

 変形して、数値代入します。

 qmr = Φk / (h2-h3)

    = 80 / (445 - 244) = 80 / 201

    = 0.398009 ≒ 0.398


 (1)で求めた  qp/qmr を、上手に使って数値代入まで一気に行ってみよう。

一気にΦpを求める式へ数値代入

   答え  4.45(kW)

コメント

 冷媒循環量の比を求める問題は、他にも(確か、ぇっと、)コンパウンド圧縮機の冷媒循環量で気筒数比を絡めながらとか出題されますよね!?(疲れたんで、調べるのをry)少々頭の体操的な問題でありました。健闘を祈る。

訂正箇所履歴

【2018(H30)/08/13 新設】

  • (2)の途中に、qmrを求める式記述を追加した。(2022(R04)/02/04)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/05/31)

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