1種冷凍学識計算11月試験攻略-問3:平成29年度

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R404Aを用いた冷蔵庫用のフィンコイル蒸発器

 問題文と(1)と(2)は平成21年度と同等、(3)と(4)は平成25年度と同等です。

第一種冷凍機械責任者試験 平成29年度 問3(11月試験)

問3 R404Aを用いた冷蔵庫用のフインコイル乾式蒸発器が、着霜のない状態で次の仕様および運転条件で運転されている。この蒸発器について、次の(1)から(4)の問に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
 ただし、蒸発器出口における冷媒の状態は乾き飽和蒸気とし、冷媒と空気との聞の温度差は算術平均温度差を用い、フインコイル材の熱伝導抵抗は無視できるものとする。

(20点)

1種冷凍学識平成29年度問3(仕様および運転条件)

(1) 冷凍能力Φo(kW)を求めよ。

(2) 着霜のない状態における蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K [kW/(m^2・K)] を求めよ。

(3) 着霜のない状態における蒸発器の空気側伝熱面積A(m^2)を求めよ。

(4) 着霜した場合の蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K'[kW/(m^2・K)] を求めよ。
 ただし、霜の熱伝導率λは0.18W/(m・K) とし、霜の厚さδは3.0mmとし、それ以外の条件は変わらないものとする。

(1) 冷凍能力Φo(kW)を求めよ。

 まずは、乾き度xについて。参考:「一寸:乾き度xについて」

乾き度xのp-h線図
(参考図)

 設問からの基本式はこれ。(解説は略)

H29年度問3(1)乾き度xの計算式

 変形して、h4を求めましょう。

H29年度問3(1)h4の計算式 …(1)

 この、h4を求める式を導き出せるかがこの問題のポイントです。これさえできれば、あとは楽勝。


 一応、二通りの計算を記しておきます。(一気に計算するかしないかだけなんですけどね…。)

方法1

 冷凍能力Φoは、

  Φo = qmr(hD - h4)

 (1)式を代入して、あとは数学。

H29年度問3(1)Φoの計算式1

  答え Φo = 11 kW

 市販の模範解答では、たいがいこちらのようです。

方法2

 冷凍能力Φoは、

  Φo = qmr(hD - h4)

 まず、(1)式でh4を求めましょう。

H29年度問3(1)h4を求める

 では、Φoを、

H29年度問3(1)Φoの計算式2

  答え Φo = 11 kW

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(2) 着霜のない状態における蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K [kW/(m^2・K)] を求めよ。

 熱通過率Kは、この式。 (『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P101(8.5)式><8次:P97(8.5)式>

H29年度問3(2)Kの計算式

  答え K = 0.036 [kW/(m^2・K)]

(3) 着霜のない状態における蒸発器の空気側伝熱面積A(m^2)を求めよ。

 基本式はこれ。

 テキスト<9次:P104~105(例題8.1の(解))><8次:P100~101(例題8.1の(解))>を読む。

   Φo = K・A・Δtm

 変形して

H29年度問3(3)空気側伝熱面積Aを求める式

 Φoは(1)で、Kは(2)で求めました、不明なのはΔtmですね。もう、楽勝でしょう!?

Δt1とΔt2の算術平均温度差の説明図

 過熱領域とか略してあります。 (参考:テキスト<9次:P95 図8.1><8次:P94 図8.1>



 では、算術平均温度差Δtmを求めましょう。
  (参考:テキスト<9次:P80 (6.31)式><8次:P79 (6.31)式>

H29年度問3(3)のΔtmの計算式

 じゃ、Δtmを求め、Aまで一気に行きましょう。

H29年度問3(3)のΔtmの計算式へ数値代入 H29年度問3(3)のAの計算式へ数値代入

  答え A = 41 (m^2)

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(4) 着霜した場合の蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K'[kW/(m^2・K)] を求めよ。ただし、霜の熱伝導率λは0.18W/(m・K) とし、霜の厚さδは3.0mmとし、それ以外の条件は変わらないものとする。

 (2)のKの式に、霜の熱伝導率λと厚さδ(デルタと読む)を加えればよいですよね。なんか簡単だけども、落とし穴がある?

H29年度問3(4)のK’計算式

 注)

  • δ = 3.0(mm)は、0.003(m)に単位変換すること。
  • λ = 0.18(W/m・k)は、0.00018(kW/m・k)に単位変換すること。

 でも、単位変換しなくても答えは同じになる。
 が、
 単位変換の記述がないと減点なのかな?(不明)

H29年度問3(4)のK’計算式(途中から)

  答え K' = 0.022[kW/(m^2・K)]

訂正箇所履歴

【2018/01/27 新設】

  • (1)の方法2で  まず、(1)式でhxを求めましょう。 →  まず、(1)式でh4を求めましょう。 に、訂正。 (2018(H30)/05/30)
  • 見出し  1種冷凍学識計算11月試験攻略-問3:平成21年度 →  1種冷凍学識計算11月試験攻略-問3:平成29年度 に、訂正。 (2018(H30)/05/30)
  • (4)の 注)  ・δ = 2.0(mm)は、0.002(m)に単位変換すること。 →  δ = 3.0(mm)は、0.003(m)に単位変換すること。 に、訂正。 (2018(H30)/05/30)
  • (4)の 注)  ・λ = 0.16(W/m・k)は、0.00016(kW/m・k)に単位変換すること。 →  λ = 0.18(W/m・k)は、0.00018(kW/m・k)に単位変換すること。 に、訂正。 (2018(H30)/06/04)
  • 訂正箇所履歴の訂正(上の一行内)の訂正 (2019/04/01)
  • 問題文の  出口空気温度 ta1 = -10℃ →   出口空気温度 ta2 = -10℃ に訂正。 (2019/04/01)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/06/27)

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