1種冷凍学識計算11月試験攻略-問3:平成21年度

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R410Aを用いた冷蔵庫用のフィンコイル蒸発器

 冷蔵庫用とあっても普通にフィンコイル蒸発器の問題です。ぅむ、乾き度x(←ここで勉強)を把握しているかがポイント。

第一種冷凍機械責任者試験 平成21年度 問3(11月試験)

問3 R410Aを用いた冷蔵庫用のフィンコイル蒸発器の仕様および運転条件は以下のとおりである。 この蒸発器について、次の(1)、(2)および(3)の各問について、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
 ただし、蒸発器出口の冷媒は乾き飽和蒸気の状態とし、冷媒と空気との温度差は算術平均温度差を用い、蒸発器は汚れのつかない条件でフィンコイル材の熱伝導抵抗は無視できるものとする。

(20点)

 1種冷凍学識平成21年度問3(仕様および運転条件)

(1)冷凍能力Φo(kW)を求めよ。
(2)蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K[kW/(m^2・K)]を求めよ。
(3)蒸発器の空気側伝熱面積A(m^2)を求めよ。

(1)冷凍能力Φo(kW)を求めよ。

 まずは、乾き度xを攻略せしめましょう。参考:「一寸:乾き度xについて」

乾き度xのp-h線図

 基本式はこれ。(詳細は略)

H21年度問3(1)乾き度xの計算式

 変形して、hxを求めましょう。

H21年度問3(1)hxの計算式 …(1)

 この、hxを求める式を導き出せるかがこの問題のポイントです。これさえできれば、あとは楽勝。


 一応、二通りの計算を記しておきます。

方法1

 冷凍能力Φoは、

  Φo = qmr(h" - hx)

 (1)式を代入して、あとは数学。

H21年度問3(1)Φoの計算式1

  答え Φo = 6.9 kW

 市販の模範解答では、たいがいこちらのようです。

方法2

 冷凍能力Φoは、

  Φo = qmr(h" - hx)

 まず、(1)式でhxを求めましょう。

H21年度問3(1)hxを求める

 では、Φoを、

H21年度問3(1)Φoの計算式2

  答え Φo = 6.9 kW

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(2)蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K[kW/(m^2・K)]を求めよ。

 熱通過率Kは、この式。 (『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P101(8.5)式><8次:P97(8.5)式>

H21年度問3(2)Kの計算式

  答え K = 0.018 [kW/(m^2・K)]

(3)蒸発器の空気側伝熱面積A(m^2)を求めよ。

 基本式はこれ。

 テキスト<9次:P104~105(例題8.1の(解)を読む)><8次:P100~101(例題8.1の(解)を読む)>

   Φo = K・A・Δtm

 では、変形して数値代入して終わらせましょう。

H21年度問3(3)A=…に数値代入

  答え A = 48 m^2

訂正箇所履歴

【2016/03/11 新設】

  • 数式の画像や解説など全般的に見直し。(2017(H29)/05/05)
  • 設問の(仕様および運転条件)
    空気側平均熱通過率 → 空気側平均熱伝達
    冷媒側平均熱通過率 → 冷媒側平均熱伝達
    赤字部分を修正。(2018(H30)/01/26)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/06/11)

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