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普通のの問題ですが、熱収支の式を導き出すことができるかがポイントです。
問1 R404Aを冷媒とする二段圧縮一段膨張冷凍装置の理論冷凍サイクルを数に示す。
この冷凍装置の冷凍能力は105 kWであり、圧縮機の損失はないものとする。この装置について、次の(1)、(2)および(3)の間に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
(20点)
各状態点の比エンタルピーの値は、下記のとおりである。
h1 = 358 kJ/kg
h2 = 384 kJ/kg
h3 = 361 kJ/kg
h4 = 390 kJ/kg
h5 = h6 = 240 kJ/kg
h7 = h8 = 220 kJ/kg
(1)中間冷却器へのバイパス冷媒循環量 q´mroと低段側の冷媒循環量qmroとの比 q´mro / qmroを求めよ。
(2)高段側の冷媒循環量qmrk(kg/s)を求めよ。
(3)圧縮機の総理論圧縮軸動力Pth(kW)を求めよ。
なにわともあれ、熱収支です。
左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。
qmrk・h5 + qmro・h2 = qmrk・h3 + qmro・h7
ここで、qmrkを削除して、 q´mroとqmroでまとめることを考えます。
図を見てください。中間冷却器へのバイパス冷媒循環流量も書いて見ました。
この式は覚えてください。
qmrk = qmro + q´mro
(『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P28(2.26)式参照のこと>)
左辺に入るもの、右辺に出るものを
h5(qmrk - q´mro )+ qmro・h2 + q´mro・h5 = h3(qmro + q´mro)+ qmro・h7
qmrk - q´mro = qmro なので、qmroとq´mroだけの式を作ります。
qmro・h5 + qmro・h2 + q´mro・h5 = h3(qmro + q´mro)+ qmro・h7
h3の部分を展開して
qmro・h5 + qmro・h2 + q´mro・h5 = h3・qmro + h3・q´mro + qmro・h7
qmroを左、 q´mroを右に、整理整頓。
qmro・h5 + qmro・h2 - qmro・h3 - qmro・h7 = q´mro・h3 - q´mro・h5
ここで、まとめます。p-h線図をよ~く見てください。左辺はh2とh3、h5とh7がペアになります。
qmro{(h5 - h7)+(h2 - h3)} = q´mro(h3 - h5)
ハイ、上級冷凍受験テキスト『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P28左(2.25)式>が出来上がりました! :-)
この熱収支の式が、できるかできないかで合格の合否の分かれ道となるでしょう。
やっと、答えが書けますです。
答え q´mro / qmro = 0.355
:-D めでたしめでたし。
Φo = qmro(h1 - h8) であるから、
せっかくなので、(1)の答えを使いましょう。
q´mro/qmro = 0.355 であるから、
答え qmrk = 1.03(kg/s)
:-D めでたしめでたし。
理論値ですから、お気楽の楽勝ですね。
答え Pth = 49.7(kW)
:-D めでたしめでたし。
この問題の要点は、
ぐらいかな。健闘を祈る。
ご健闘をお祈りしています。
【2016/02/11 新設】