1種冷凍学識計算11月試験攻略-問3:平成15年度

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冷蔵庫用のフィンコイル蒸発器

冷蔵庫用であるが特に問題ないかと。コイルの長さがキモかな。

第一種冷凍機械責任者試験 平成15年度 問3(11月試験)

問3 冷蔵庫用のフィンコイル蒸発器があり、これの仕様と運転条件は次の通りである。この蒸発器について、次の(1)、(2)および(3)の問に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
 ただし、蒸発器は霜の付かない条件で、フィンコイル材の熱伝導抵抗は無視できるものとする。

(20点)

1種冷凍学識平成15年度問3運転条件

 (1)蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K[kW/(m^2・K)]はいくらか。
 (2)蒸発器の必要とする空気側伝熱面積A(m^2)はいくらか。
 (3)蒸発器の冷媒回路数n=8、管の内径がdi=15mmであれば、1回路当たりのコイルの長さL(m)はいくらか。

(1)蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K[kW/(m^2・K)]はいくらか。

楽勝かと。 熱通過率K (『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P101 ((8.5)式 )(<8次:P97 ((8.5)式 )>)

H15年度問3(1)のKの計算式

 答え  K = 0.0293 [kW/(m^2・K)]

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(2)蒸発器の必要とする空気側伝熱面積A(m^2)はいくらか。

 基本式はこれ。

 『上級 冷凍受験テキスト』<9次:P104~105 (例題8.1の(解))(<8次:P100~101 (例題8.1の(解))>)を、読む


 Φo = K・A・Δt (テキストはΔtm)


 Kは(1)で求めてあり、ΦoとΔtは設問で指定されているので、Aがわかる。

 では、に外表面伝熱面積Aを求めましょう。

H15年度問3(2)A=…に数値代入


  答え 25.6(m^2)

 楽勝ですね。

(3)蒸発器の冷媒回路数n=8、管の内径がdi=15mmであれば、1回路当たりのコイルの長さL(m)はいくらか。

 さてと、内径di=15ミリの配管が8本あって、(2)で求めた総外表面積が25.6m^2(8本の総外表面積)である1本の配管の長さLmを求めるわけだ。

 もしかして、中学か小学校高学年の数学か算数のレベルですか?

 天下の冷凍試験(しかも1冷)ですからね、そうは簡単じゃないでしょ。そうです、配管の厚みが分かりませんからね。

 どうするかって、そうです、そうです、その通り、有効内外面積比を使うんです。
  こ、これには、さすがの中学生でも気づかないでしょう!?

内径とmと総管長の図

冷媒回路数n=8 菅内径di 1回路L

 この図は、イメージ図ですから実際の冷蔵庫フィン蒸発器とは違います。はぃ。


 基本式
 『上級 冷凍受験テキスト』<9次:P90右下~ (例題7.3)(<8次:P89右下~ (例題7.3)>)

 有効内外面積比mは、

H15年度問3(3)のm、Ao、Aiの基本式

 1本の内表面積をAi1とすると、

H15年度問3(3)のLとAi1とnの式

H15年度問3(3)のAiとdiとn(8)の式

 問題集などの模範解答では、太字の部分がいきなり書かれています。ま、頭の体操的な感じでよく考えればできるでしょうけど。

 もちろん本番では、模範解答通りの式記述だけでよいでしょう。


 では、数値代入して一気に。

H15年度問3(3)のAiとdiとn(8)の式に数値代入

  答え L = 9.06 (m)

訂正箇所履歴

【2016/03/08 新設】

  • 数式の画像など全般的に見直し。(2017/05/01)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/06/08)

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