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平成29年度と同等です。混合点のヒートバランス(熱収支)の式が組み立てられれば楽勝でしょう。
下図は蒸発温度の異なる2 台の蒸発器を1 台の圧縮機で運転する冷凍装置を示し、この装置の実際の運転状態は次のとおりである。このとき、次の(1)~(5)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。(20点)
(理論冷凍サイクルおよび運転状態)
蒸発器1 の冷凍能力 Φo1 = 150 kW
蒸発器2 の冷凍能力 Φo2 = 100 kW
圧縮機吐出しガスの比エンタルピー h2 = 495 kJ/kg
受液器出口の冷媒液の比エンタルピー h3 = 257 kJ/kg
蒸発器1 出口冷媒蒸気の比エンタルピー h5 = 428 kJ/kg
蒸発器2 出口冷媒蒸気の比エンタルピー h8 = 419 kJ/kg
(1) 蒸発器1 の冷媒循環量 qmr1 (kg/s)を求めよ。
(2) 蒸発器2 の冷媒循環量 qmr2 (kg/s)を求めよ。
(3) 圧縮機の吸込み蒸気の比エンタルピー h1 (kJ/kg)を求めよ。
(4) 圧縮機の理論圧縮動力 Pth (kW)を求めよ。
(5) 冷凍装置の理論成績係数 (COP)th.R を求めよ。
与えられたな数値や必要な記号などを書き込み、サクッと描きましょう。目をつぶって描けられるようであれば、たぶん合格!!
必要な数値がすでに与えられています。2冷レベルです。
蒸発器1 の冷媒循環量qmr1と冷凍能力Φo1
qmr1 = Φo1 / (h5 - h4)
= 150 / (428 - 257)
= 150 / (428 - 257)
= 150 / 162 = 0.8771929
≒ 0.877
答え 0.877(kg/s)
必要な数値がすでに与えられています。2冷レベルです。
蒸発器2 の冷媒循環量qmr2と冷凍能力Φo2
qmr2 = Φo2 / (h8 - h7)
= 100 / (419 - 257)
= 150 / (419 - 257)
= 150 / 162 = 0.6172839
≒ 0.617
答え 0.617(kg/s)
a点のヒートバランス(熱収支)式を組み立てます。あとは、小学生レベルの計算です。
a点ヒートバランス説明図
qmr = qmr1 + qmr2
= 0.877 + 0.617 = 1.494
a点の出るものを左辺、入るものを右辺にまとめます。
qmr h1 = qmr2 h8 + qmr1 h6
ここに、h5 = h6
1.494 × h1 = 0.617 × 419 + 0.877 × 428
1.494 × h1 = 258.523 + 375.356
h1 = 633.609 / 1.494
= 424.1024
≒ 424
答え 424 (kJ/kg)
2冷レベルです。(解説略)
P = qmr (h2 - h1) 説明図
(3)で求めた h1
を使いましょう。
Pth = qmr (h2 - h1)
= 1.494 × (495 - 424)
= 1.494 × 71
= 106.074 ≒ 106
答え 106 (kW)
2冷レベルです。(解説略)
(COP)th.R = Φo1 + Φo2 / Pth
= 150 + 100 / 106
= 250 / 106 = 2.3584905
≒ 2.36
答え 2.36
2台の蒸発器冷凍サイクルを把握して、熱収支式を組み立てられれば、超サービス問題です。
【2022(R04)/09/03 新設】