1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問3:令和3年度

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空調用空冷凝縮器

 平成27年度以来の久々の空冷凝縮器が出題されました。空冷蒸発器や水冷凝縮器にある「霜」「水垢」がないので楽です。

第一種冷凍機械責任者試験 令和3年度(講習検定試験)

問3 空調用空冷凝縮器の使用および運転条件は、下記のとおりである。これについて、次の(1)~(4)にそれぞれ解答用紙の解答欄に計算式を示して答えよ。ただし、冷却管材の熱伝導抵抗は無視できるものとする。(20点)


(仕様および運転条件)
 凝縮負荷        Φk = 30 kW
 凝縮温度        tk = 45 ℃
 空気入口温度      ta1 = 32 ℃
 空気出口温度      ta2 = 39 ℃
 空気側熱伝達率     αa = 0.0527 kW/(m2・K)
 冷媒側熱伝達率     αr = 2.48 kW/(m2・K)
 有効内外伝熱面積比   m = 22.8
 空気の密度       ρa = 1.2 kg/m3
 空気の比熱       ca = 1.0 kJ/(kg・K)


 (1) 空気側有効伝熱面積基準の平均熱通過率K[kW/(m2・K)]を求めよ。

 (2) 冷媒と空気との間の算術平均温度差Δtm(K)を求めよ。

 (3) 送風機の送風量qva(m3/s)を求めよ。

 (4) 冷媒側有効伝熱面積Arを求めよ。ただし、冷媒と空気との温度差は、算術平均温度差を用いるものとする。

図と解き方

 与えられた仕様や条件と使用できる公式を記してみましょう。

空冷凝縮器の管概略図

 平成3年度1種検定問3 空冷凝縮器の図

仕様および運転条件
  • Φk = 30 kW
  • tk = 45 ℃
  • ta1 = 32 ℃
  • ta2 = 39 ℃
  • αa = 0.0527 kW/(m2・K)
  • αr = 2.48 kW/(m2・K)
  • m = 22.8
  • ρa = 1.2 kg/m3
  • ca = 1.0 kJ/(kg・K)
使用する公式
  • 空冷凝縮器:Kの公式
  • 空冷凝縮器:Δtmの公式
  • Φk = caρaqva(ta2 - ta1)
  • Φk = KAΔtm
  • 空冷凝縮器:mの公式

(1) 空気側有効伝熱面積基準の平均熱通過率K[kW/(m2・K)]を求めよ。

 基本式はこれ、
   空冷凝縮器:Kの公式

では、数値代入しましょ。設問にすべて指定されています。

   Kの公式に数値代入


   答え 0.0355 [kW/(m2・K)]

(2) 冷媒と空気との間の算術平均温度差Δtm(K)を求めよ。

 特に説明はいらないでしょう。

 基本式
   空冷凝縮器:Δtmの公式

 数値代入。設問にすべて指定されています。

   Δtmの公式に数値代入


   答え 9.5 (K)

(3) 送風機の送風量qva(m3/s)を求めよ。

 基本式はこれ、

   Φk = caρaqva(ta2 - ta1)

 よって、

   qva = Φk / caρa(ta2 - ta1)

 数値代入しましょ。設問にすべて指定されています。

   qva = 30 / 1.0 × 1.2 × (39 - 32)
    = 30 / 1.2 × 7
    = 30 × 8.4
    = 3.5714285
    ≒ 3.57


   答え 3.57 [m3/s]

choko-ame200.jpg(6863 byte)

(4) 冷媒側有効伝熱面積Arを求めよ。ただし、冷媒と空気との温度差は、算術平均温度差を用いるものとする。

 まず、次の基本式から伝熱面積Aを求めます。

   Φk = KAΔtm

 変形して数値代入しましょ。

A求める

 さて、次の基本式
   空冷凝縮器:mの公式

 ここで求めた伝熱面積Aは、外(フィン側)表面基準とするAaとして、冷媒側有効伝熱面積Arを求めます。

   冷媒有効伝熱面積Ar求める


   答え 3.90 (m2)

コメント

 空冷凝縮器に関する基本の公式を押さえてあれば楽勝の余裕でしょう。講習会で公式を教えてくれるでしょう。

訂正箇所履歴

【2021(R03)/06/12 新設】

  • 問3の答え誤植修正。→「答え 0.655 [kW/(m2・K)] → 「答え 3.57 [m3/s]」
  • 問題文「凝縮不可」→「凝縮負荷」に訂正。(2022(R04)/09/08)

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