1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問1:平成30年度

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珍しい二元冷凍装置です。

 熱収支さえ把握できていれば、二元冷凍装置も簡単でしょう。講習時間でしっかり説明してくれることでしょう。

 解答に有効数字3桁という指定が登場しました。これで、何桁まで記述すればいいか迷うことがなくなるでしょう。 (有効数字に関しては、「Wikipedia:有効数字」でも見てください。)

第一種冷凍機械責任者試験 平成30年度(講習検定試験)

問1 下図は、高温側にR22、低温側にR23を用いる二元冷凍装置の理論冷凍サイクルである。その運転条件および各部の冷媒の状態は次のとおりである。

平成30年度1種冷凍講習検定試験問1冷凍装置の運転条件

 このとき、次の(1)~(4)について、それぞれ解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。解答は、有効数字3桁で答えよ。(20点)

平成30年度講習検定試験問1。問いの線図

 (1) 低温側冷凍能力Φo(kW)を求めよ。

 (2) 高温側冷媒循環量qmrk(kg/s)を求めよ。

 (3) 総理論圧縮動力Pth(kW)を求めよ。

 (4) この冷凍サイクルの理論成績係数(COP)th.Rを求めよ。

なにはともあれ、概略図と(線図)を描きましょう。

第一種冷凍機械責任者学識【講習検定】平成30年度問1線図(二元冷凍装置) 第一種冷凍機械責任者学識【講習検定】平成30年度問1概略図(二元冷凍装置)

二元冷凍装置の線図は、覚えてられないよね。講習検定ならではの出題かもしれない。

(1) 低温側冷凍能力Φo(kW)を求めよ。

 線図と概略図を見ながら解けば、成るヘソと思うと思うよ。

Φoを求める説明(参考)用線図 Φoを求める説明(参考)用概略図 Φoを求める式に数値代入。

  答え 84.2 (kW)

(2) 高温側冷媒循環量qmrk(kg/s)を求めよ。

 熱収支さえ把握できていれば楽勝です。

二元冷凍装置の低温側凝縮器と高温側蒸発器の概略図

 左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。

  qmrk・h8 + qmro・h2 = qmrk・h5 + qmro・h3

 qmroを左辺、qmrkを右辺にまとめます。

  qmro・h2 - qmro・h3 = qmrk・h5 - qmrk・h8

  qmro(h2 - h3) = qmrk(h5 - h8)
  ハイ、qmroとqmrkを含んだ熱収支式の出来上がり。

 よって、qmrkは、

熱収支からqmrkを求める式に数値代入。

  答え 0.714 (kg/s)

(3) 総理論圧縮動力Pth(kW)を求めよ。

 低温側理論圧縮動力Pth.Lと高温側理論圧縮動力Pth.Hを求め、Pthまで一気に生きましょう。

PthLを求める PthHを求める P = PthL + PthH数値代入。

 実際の試験では、3つの式をまとめて記述して短縮してください。

  答え 7.15 (kW)

(4) この冷凍サイクルの理論成績係数(COP)th.Rを求めよ。

(cop)th.R数値代入。

  答え 1.18

コメント

 二元冷凍装置の問題は特に難しいってことはありませんね。11月試験対策でも、一度じっくり解いておけば大丈夫かと。

 解答の数値に  有効数字 の指定が登場しました。これは良いことかも…、何桁までとか迷うことがなくなるでしょう。 (そのかわり、桁数が違うと減点になるかもしれませんねぇ。)今後の問題には定番の語句になるかもしれません。

訂正箇所履歴

【2018(H30)/07/22 新設】

  • 問題の線図がH29年度のものだったので、訂正アップ。(2018(H30)/07/21)
  • (3)の「Pth.H=qmrk(h4-h3)」→「Pth.H=qmrk(h6-h5)」に訂正。(2021(R03)/04/14)

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