1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問5:平成24年度

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R22冷凍装置の高圧受液器

 オーソドックスな問題です。

 注)  最高使用圧力 は、『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』8次改訂版(H27(2015)/11/20改訂)より、  限界圧力 と変わっています。

第一種冷凍機械責任者試験 平成24年度(講習検定試験)

問5 次に示す設計条件で制作された高圧受液器を、R22冷凍装置の高圧受液器として使用している。この受液器に関して次の(1)~(3)について答えよ。   (20点)

平成24年度1種冷凍講習検定試験問5 R22冷凍装置の高圧受液器の設計条件

 (1) この受液器の最高使用圧力Pa(Mpa)を、解答用紙に計算式を示して小数点以下1桁まで求めよ。

 (2) R22の基準凝縮温度と設計圧力の関係が下表に示す値であるとき、この受液器の許容圧力Po(MPa)と基準凝縮温度T(℃)を理由を示して答えよ。

  平成24年度1種冷凍講習検定試験問5 基準凝縮温度表

 (3) この受液器に許容圧力が作用したときの円筒胴接線方向の引張応力σt(N/mm^2)を、解答用紙に計算式を示して小数点以下1桁まで求めよ。

(設計条件)と覚えた公式

 与えられた条件と勉強して覚えた公式で上手に導き出しましょう。

設計条件
  • STPG 370 E
  • σa = 78 N/mm^2
  • Do = 406.4 mm
  • t = 6.4 mm
  • α = 1 mm η = 1
  • 許容圧力Po 設計圧力P
覚えた公式
  • Paの公式
    (ta=t)
  • σtの公式
    (P=Po)

(1) この受液器の最高使用圧力Pa(Mpa)を、解答用紙に計算式を示して小数点以下1桁まで求めよ。

内径Diは、

 Di=Do-2t=406.4-2×6.4=393.6

Paは、

Paを求める

   答え 2.1 (Mpa)

(2) R22の基準凝縮温度と設計圧力の関係が下表に示す値であるとき、この受液器の許容圧力Po(MPa)と基準凝縮温度T(℃)を理由を示して答えよ。

答え

 許容圧力Poは、最高使用圧力Paである。
(参考 : 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』 <9次:P178右 「12.8 既存(既設)の圧力容器や配管を転用するときの許容圧力」>,<8次:P172左(12.8)式の下>)

 最高使用圧力  Pa=2.1 であるから、表より設計圧力は  2.1 より下位の  1.9Mpa を選択する。

 設計圧力を許容圧力として良い。故に、許容圧力Po=1.9Mpa、基準凝縮温度T=50℃である。


【付録】 引用部分を参考にしてください。

 設計圧力と許容圧力

 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P169左(b)>より引用

(b)設計圧力どおり製作されたもので、腐食などがないことが確認されたものは、許容圧力の計算(板厚からの逆算など)をすることなく、設計圧力を許容圧力としてよい。

 設計圧力と許容圧力

 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P175左 1.4.3 許容圧力>より引用

 許容圧力とは、既存(既設)の設備が実際に許容できる圧力である。したがって、設計圧力をもとに計算して求められた最小の板厚と既存(既設)の圧力容器における腐れしろを除いた肉厚が同じならば、その圧力容器の設計圧力と許容圧力は等しくなる(12.8参照)。

(3) この受液器に許容圧力が作用したときの円筒胴接線方向の引張応力σt(N/mm^2)を、解答用紙に計算式を示して小数点以下1桁まで求めよ。

   許容圧力Po は  設計圧力P であるから、

σtを求める

   答え 58.4 (N/mm^2)

コメント

 (2)がポイントかな。最高使用圧力、設計圧力、許容圧力の関係を言葉で説明できるようにしておきましょう。

訂正箇所履歴

【2018(H30)/09/29(台風24号接近中) 新設】

  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/05/31)


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