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コンパウンド圧縮機ですから、気筒数比が絡んできます。これに伴い、低段高段の冷媒循環量の比が求められます。
問1 下記仕様のR22コンパウンド圧縮機を用いた二段圧縮一段膨張冷凍装置があり、その理論冷凍サイクルにおける各部の冷媒の状態および運転条件は次のとおりである。
このとき、次の(1)~(4)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。
ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は熱として冷媒に加わるものとする。また、配管での熱の出入りはないものとする。
(20点)
(1) 低段側冷媒循環量qmro(kg/s)と高段側冷媒循環量qmrk(kg/s)との比qmro/qmrkを求めよ。
(2) 蒸発器入口の冷媒の比エンタルピーh8(kJ/kg)を求めよ。
(3) コンパウンド圧縮機の実際の駆動軸動力P(kW)を求めよ。
(4) 凝縮負荷Φk(kW)を求めよ。
設問を読みこの基本式が出てくれば合格。(基本式は2冷レベル)
よって、設問を基本式に当てはめると
となる。
気筒数比は 3
なので、
答え 0.682
なにわともあれ、中間冷却器の熱収支式を組み立てましょう。これが、この問1のポイント。
左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。
qmrk・h5 + qmro・h2´ = qmrk・h3 + qmro・h7
(h2は、h2´であることに注意)
qmroを左辺、qmrkを右辺にまとめます。
qmro・h2´- qmro・h7 = qmrk・h3 - qmrk・h5
qmro(h2´- h7) = qmrk(h3 - h5)
ハイ、qmroとqmrkを含んだ熱収支式の出来上がり。
ここで、h7 = h8であるから、h8を求めるには(1)の答えを利用して、熱収支式から次のように表す。
この式にすべての与えられた数値を代入すればh7が求められます。
では、h2´を求めましょう。
ここで、qmro/qmrkは(1)で 0.682
と求めたので、与えられた数値と一緒に熱収支式に代入します。
ここで、h7 = h8 ∴ h8 = 217.3
答え 217.3 (kJ/kg)
2冷レベルですが、基本式を並べておきます。
P = PL + PH
ぇっと、四捨五入してないのは模範解答とのズレを小さくするためです。こんなに長く記述できませんから、実際の試験では短縮して一気に計算してくださいね。
答え 41.7 (kW)
Φk = P + Φo = 41.7 + 60 = 102
別解で、qmrk(h4´-h3)でも求められますが、h4´を記すのが面倒なので略。
答え 102 (kW)
1冷の場合は熱収支を把握は必須です。コンパウンド圧縮機の問題は、気筒数比で解答を導くことが出来るかがポイントです。講習のときに勉強するはずです。。
【2018(H30)/07/07 新設】