水冷シェルアンドチューブ凝縮器
(3)がポイントかな。
第一種冷凍機械責任者試験 平成20年度（講習検定試験）
問3 ローフィン管を使用した水冷シェルアンドチューブ凝縮器があり、その仕様および運転条件は次のとおりである。
このとき、次の(1)～(3)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。
ただし、冷媒と冷却水との間の温度差は算術平均温度差を用いて計算せよ。また、冷却管材の熱伝導抵抗は無視できるものとする。
（20点）
(1) 凝縮負荷Φk (kW)を求めよ。
(2) 冷却管の外表面積基準の平均熱通過率K [kW/(m^2・K)]を求めよ。
(3) 冷却水側伝熱面に水あかが付着して汚れ係数が3倍に増大すると、凝縮温度tkは何℃になるか。ただし、冷却水汚れ係数および凝縮温度以外の凝縮器の仕様および運転条件は上記のとおりで、変わらないものとする。
解き方
与えられた条件と勉強して覚えた公式で上手に導き出しましょう。
与えられた条件
- tk＝39 ℃
- qmw＝1 kg/s
- tw1＝30 ℃
- tw2＝36 ℃
- ｍ＝4.2
- Cw＝4.2 kJ/(kg・K)
- αr＝2.5 kW/(m^2・K)
- αw＝9.0 kW/(m^2・K)
- f＝0.09 m^2・K/kW
覚えた公式
- Φk＝Cw・qmw(tw2 － tw1)
- Φk＝K・A・Δtm
(1) 凝縮負荷Φk (kW)を求めよ。
特に説明はいらないでしょう。
答え 25.2 (kW)
(2) 冷却管の外表面積基準の平均熱通過率K [kW/(m^2・K)]を求めよ。
特に説明はいらないでしょう。
答え 0.8034 [kW/(m^2・K)]
(3) 冷却水側伝熱面に水あかが付着して汚れ係数が3倍に増大すると、凝縮温度tkは何℃になるか。ただし、冷却水汚れ係数および凝縮温度以外の凝縮器の仕様および運転条件は上記のとおりで、変わらないものとする。
3倍になった汚れ係数をf'とすると、
f' ＝ 0.09 × 3 ＝ 0.27
設問より f
と K
以外は変化しない。変化後の凝縮温度をtk'とするとΦkは、
と、なる。
ここで、K'を求めましょ。
さて、条件に A
が与えられていないので、 tk'
が前途の式から導き出せません。
次のように解きます。
である。
K / k'は、以下のようになり、tk'を求められます。
答え 42.64 ℃
コメント
（3）のように、何らかの比を使って何らかの値を求める解答方法は、高圧ガスの試験では好んで用いられるように感じます。
訂正箇所履歴
【2018(H30)/09/08 新設】
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