二段圧縮二段膨張冷凍装置です。
珍しい二段圧縮二段膨張です。（二圧一膨帳と考え方は同じです。）熱収支必須です。 機械的摩擦損失仕事の熱は冷媒に加わらない
が、ポイントです。
第一種冷凍機械責任者試験 平成20年度（講習検定試験）
問1 下図は、R22を用いたある二段圧縮二段膨張冷凍装置の理論冷凍サイクルであり、その運転条件は次の通りである。
このとき、次の(1)～(4)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。
ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事の熱は冷媒に加わらないものとする。
（20点）
(1) この冷凍装置の実際の冷凍能力Φo（kW）を求めよ。
(2) 高段側圧縮機の冷媒流量qmrk（kg/s）を求めよ。
(3) 低段側および高段側圧縮機の実際の所要軸動力の合計P（kW）を求めよ。
(4) この装置の実際の成績係数を求めよ。
なにはともあれ、概略図と（線図）を描きましょう。
線図は設問に描かれています。数値を書き加えるとウッカリミスが減るかもね。概略図もサクッと描けられれば鬼に金棒です。 目をつぶっても描けるぐらいなら合格！
（1） この冷凍装置の実際の冷凍能力Φo（kW）を求めよ。
2冷レベルの問です。解説は略。（H19年度（1）と同等です。二圧一段も二圧二段も式は全く同じです。）
答え 52.25 (kW)
（2） 高段側圧縮機の冷媒流量qmrk（kg/s）を求めよ。
二圧一段も二圧二段も、熱収支の式は全く同じになります。（H19年度（2）を参照。）
左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。
qmrk・h5 ＋ qmro・h2´ ＝ qmrk・h3 ＋ qmro・h7
（h2は、h2´であることに注意）
qmroを左辺、qmrkを右辺にまとめます。
qmro・h2´－ qmro・h7 ＝ qmrk・h3 － qmrk・h5
qmro(h2´－ h7) ＝ qmrk(h3 － h5)
ハイ、qmroとqmrkを含んだ熱収支式の出来上がり。
よって、qmrkは、
h2´を求めましょう。
設問に ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事の熱は冷媒に加わらないものとする。
と、ありますのでηmは無視されます。
では、熱収支からqmrkを求める式に数値代入しましょ。
答え 0.324（kg/s）
（3） 低段側および高段側圧縮機の実際の所要軸動力の合計P（kW）を求めよ。
2冷レベルです。とりあえず、基本式。
一気に行ってみよう。
答え 21.04（kW）
（4） この装置の実際の成績係数を求めよ。
サクッと。
答え 2.48
コメント
二圧一段と二圧二段を把握して、熱収支を組み立てられれば、あとは2冷レベルで簡単です。さらに、講習でヒントがあるはずですから、19年度に引き続きこの年度も超サービス問題ですね。
訂正箇所履歴
【2018(H30)/06/25 新設】
- (2)のh2´を求める式で、「 ＝ h2 ＋ ...」を「 ＝ h1 ＋ ...」に訂正した。（変わってないという方は、画像履歴のキャッシュを消去してください。） （2018/07/30）