1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問6:平成13年度

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R22用高圧受液器

 平成16年度まで容器圧力計算問題は  問6 です。(H13年度以前は各問の点数は記されていません。)

第一種冷凍機械責任者試験 平成13年度(講習検定試験)

問6 下記の仕様によるR22用高圧受液器について、次の各問に計算式を示した答えよ。

平成13年度1種冷凍講習検定試験問6 R22用高圧受液器の仕様

(設計圧力)
平成13年度1種冷凍講習検定試験問6 基準凝縮温度表

 (1) この受液器は基準凝縮温度何℃まで使用できるか。ただし、胴以外の部分は十分な強度があるものとする。

 (2) この受液器を制作後に冷凍保安規則による最低の試験圧力で耐圧試験を実施した。この際、胴板に誘起される最大引張応力は何N/mm^2か。

(仕様)と覚えた公式

 与えられた条件と勉強して覚えた公式で上手に導き出しましょう。

仕様
  • σa = 100 N/mm^2
  • Di = 510 mm
  • ta = 10 mm
  • η = 0.65
  • α = 1 mm
覚えた公式
  • Paの公式
  • σtの公式

(1) この受液器は基準凝縮温度何℃まで使用できるか。ただし、胴以外の部分は十分な強度があるものとする。

 この容器の設計圧力を求め、設問の基準凝縮温度表から読み取ればよいです。


 許容圧力は最高使用圧力Pa(限界圧力)である。 (『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P179左(12.8)式><8次:P172左(12.8)式>

最高使用圧力(限界圧力)Paを求める

 ここで少し復習。

 設計圧力と許容圧力

『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P169左(b)>より引用

(b)設計圧力どおり製作されたもので、腐食などがないことが確認されたものは、許容圧力の計算(板厚からの逆算など)をすることなく、設計圧力を許容圧力としてよい。

 設計圧力と許容圧力

 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P175左 1.4.3 許容圧力>より引用

 許容圧力とは、既存(既設)の設備が実際に許容できる圧力である。したがって、設計圧力をもとに計算して求められた最小の板厚と既存(既設)の圧力容器における腐れしろを除いた肉厚が同じならば、その圧力容器の設計圧力と許容圧力は等しくなる(12.8参照)。

 ということなので、設計圧力 = 許容圧力 = 最高使用圧力Pa = 2.24と、なります。表から、「設計圧力2.2Ppa、凝縮温度55℃」と読み取ります。(2.5Mpaとしないこと。

平成13年度1種冷凍講習検定試験問6 基準凝縮温度表

   答え この受液器は基準凝縮温度55 ℃まで使用できる。

(2) この受液器を制作後に冷凍保安規則による最低の試験圧力で耐圧試験を実施した。この際、胴板に誘起される最大引張応力は何N/mm^2か。

 ここで少し復習。

 耐圧試験圧力

 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P187右 (4)試験圧力><8次:P181左 (4)試験圧力>より引用

耐圧試験の圧力は、液体で行う場合には設計圧力または許容圧力のいずれか低いほうの圧力の1.5倍以上の圧力とする。

 (1)で求めた許容圧力(最高使用圧力Pa=2.24Mpa)と設計圧力(2.2Mpa)から、試験最低圧力は設計圧力2.2Mpaの1.5倍とする。

 よって、耐圧試験圧力Pは、

  P = 2.2 × 1.5 = 3.3 Mpa

 最大引張応力は、接線方向の引張応力σtであるから、(t=taとする)

接線方向の引張応力σtを求める

   答え 84.15 N/mm^2

コメント

 特に問題ないでしょう。(2つの公式が頭に浮かんでこないとお話になりませんが…。)

 ぁ、本番では文章や計算式を適にまとめて短くしてください。

訂正箇所履歴

【2018(H30)/09/22 新設】

  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/05/31)


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