1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問3:平成13年度

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空冷凝縮器

 あなたならスラスラ解けるはず、(3)がポイントかな。

第一種冷凍機械責任者試験 平成13年度(講習検定試験)

問3 空冷凝縮器の仕様および運転条件は次のとおりである。これについて、次の各問にそれぞれの計算の過程を示して答えよ。

平成13年度1種冷凍講習検定試験問3 空冷凝縮器の運転条件

ただし、伝熱管材の熱伝導抵抗は無視し、冷媒と空気との間の温度差は算術平均温度差を用いよ。

(1) 外表面基準の熱通過率K[kW/(m^2・K)]を求めよ。

(2) 空気側の熱伝達率αa[kW/(m^2・K)]を求めよ。

(3) 凝縮負荷が上記の90%、空気入口温度ta1=15℃になったときの凝縮温度tk(℃)を求めよ。ただし、送風量、熱通過率は変わらないものとする。

概略図です。

 こんな感じに絵を描くと理解しやすいかも

平成13年度1種冷凍講習検定試験問3 の図 平成13年度1種冷凍講習検定試験問3 の図

(1) 外表面基準の熱通過率K[kW/(m^2・K)]を求めよ。

 設問で与えられた仕様から、次の公式が浮かばないようであれば撃沈でしょう。

説明用図

基本式はこれ

  Φk = Caqvaρa(ta2 - ta1)

凝縮器のΔtmを求める公式

 Φk = K・A・Δtm


 Φkは、

  Φk = Caqvaρa(ta2 - ta1)

     = 1.00 × 6 × 1.2 × (37 - 27)

     = 72 kW

 Δtmは、

Δtmを求める公式に数値代入

 では、Kを。

Φk=KAΔtmからkを求める

   答え 0.04 [kW/(m^2・K)]

(2) 空気側の熱伝達率αa[kW/(m^2・K)]を求めよ。

空冷凝縮器のKを求める基本式説明用図

基本式はこれ、

K(αa)を求める式


 では、(1)で求めたKと設問の条件の値を代入しましょう。

K(αa)を求める式に(1)で求めたKと設問の条件の値を代入1 K(αa)を求める式に(1)で求めたKと設問の条件の値を代入2

   答え 0.05 [kW/(m^2・K)]

(3) 凝縮負荷が上記の90%、空気入口温度ta1=15℃になったときの凝縮温度tk(℃)を求めよ。ただし、送風量、熱通過率は変わらないものとする。

 凝縮負荷(すなわりΦk)が90%になった凝縮負荷をΦk’とすると、

  Φk’ = 72 × 0.9 = 64.8 kW と、なります。


 設問より、このとき  ta1’ = 15℃ なので、ta2’は、

  Φk = Caqvaρa(ta2 - ta1)より、
 Ca、qva、ρaは変わっていないので、

ta’を求める

 次に、設問より  伝熱面積A と  熱伝達率K は変わっていない。このときの平均温度差Δtm’は、

Δtm’を求める

 よって、凝縮温度tk’は、

tk’を求める

   答え 26.7 (℃)

コメント

 基本式さえ覚えていれば特に問題ないでしょう。(3)が少々パズル的ですが講習でたぶん勉強するでしょうし、落ち着いて考えれば大丈夫でしょう。(ただし、公式覚えていること必須。)

訂正箇所履歴

【2018(H30)/09/01 新設】

  • (1)、(3)の解説の中で、「σa」→「ρa」に訂正。(2022(R04)/02/17)


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