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最大引張応力と許容引張応力がポイントかな。
問5 下記仕様で製作された円筒胴圧力容器がある。
これについて、次の(1)および(2)の問に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
(20点)
なお、高圧部設計圧力は、冷凍保安器則関係例示基準にしたがって、次表の値を使用して設計されている。
(1) この圧力容器を基準凝縮温度50℃で運転されるR410A冷凍装置の高圧受液器として屋外に設置し、使用したい。使用の可否を判断せよ。
ただし、R410A冷凍装置の基準凝縮温度50℃における高圧部設計圧力は、2.96Mpaとする。
(2) この受液器を最小の必要耐圧試験圧力で耐圧試験を液圧で実施するとき、銅板に誘起される最大引張応力は使用鋼板の許容引張応力の何%になるか。
基準凝縮温度50℃においての、「板厚」と「最高使用圧力」による2通りの判定がある。どちらの解答でもよい。
必要板厚をtとすると、 (『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P178左 (12.5)式)><8次:P171左 (12.5)式)>)
(注:Diは内径)
この容器の必要厚さtを与えられた条件で求め。この容器の厚さtaが、必要厚さt以上であれば使用可能である。
答え この容器の必要厚さは8.86mmで、実際の厚さは9mmであるから使用可能である。
注)本番では、赤字は書かなくて良い、計算式など適当に短縮してください。
最高使用圧力Paとすると、 (テキスト<9次:P179左 (12.8)式><8次:P172左 (12.8)式>)
最高使用圧力Paが、基準凝縮温度50℃における設計圧力2.96Mpaより高ければ使用可能である。
答え 基準温度50℃における最高使用圧力は3.01Mpaであって設計圧力2.96Mpaなので使用可能である。
注)本番では、赤字は書かなくても良い、計算式も適当に短縮してください。
銅板に誘起される最大引張応力は円筒胴の接線方向の応力σtである。
(テキスト<9次:P176左 (12.1式)><8次:P169右 (12.1式)>)
設計どおりに制作されたと確認されたものは、設計圧力を許容圧力としてもよいので、
最小試験圧力Ptは、
Pt = 1.5P = 1.5×2.96 = 4.44 Mpa
以下、引用部分を参考にしてください。
テキスト<8次:P169左 ( (b) )>より引用
(b)設計圧力どおり製作されたもので、腐食などがないことが確認されたものは、許容圧力の計算(板厚からの逆算など)をすることなく、設計圧力を許容圧力としてよい。
↓ 9次では、以下が該当箇所 ↓
テキスト<9次:P175左 12.4.3 許容圧力>より引用
許容圧力とは、既存(既設)の設備が実際に許容できる圧力である。したがって、設計圧力をもとに計算して求められた最小の板厚と既存(既設)の圧力容器における腐れしろを除いた内厚が同じならば、その圧力容器の設計圧力と許容圧力は等しくなる(12.8参照。)
(テキスト<9次:P187右 (4) 試験圧力><8次:P181左 (4) 試験圧力> より引用)
耐圧試験の圧力は、液体で行う場合には設計圧力または許容圧力のいずれか低いほうの圧力の1.5倍以上の圧力とする。
なので、Ptで生じる最大引張応力は、
設問の鋼板の許容引張応力σa=100 N/mm^2との比は、
答え 89.3 %
【2016/03/19 新設】