二段圧縮一段膨張の冷凍装置の問題です。
図がありません。概略図とp-h線図が書く事ができるようにしましょう。
第一種冷凍機械責任者試験 平成19年度（11月試験）
問1 R404Aを冷媒とする二段圧縮一段膨張の冷凍装置を、下記の冷凍サイクルの条件で設計したい。
（冷凍サイクルの運転条件）
圧縮機における機械的摩擦損失仕事は熱となって冷媒に加えられるものとし、配管での熱の出入りはないものとする。この装置について、次の（1），（2）および（3）の間に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
（20点）
（1）低段側冷媒循環量qmro（kg/s）を求めよ。
（2）実際の中間冷却器の必要冷却能力Φm（kW）を求めよ。
（3）実際の総圧縮軸動力P（kW）を求めよ。
なにはともあれ、概略図と線図を描きましょう。
ηcL＝0.70
ηmL＝0.85
ηcH＝0.75
ηmH＝0.85
Φo＝90kW
サクっと描き上げられるように何度も練習しましょう。
（1）低段側冷媒循環量qmro（kg/s）を求めよ。
この問はサービスかな、与えられているものは冷凍能力Φoとあとそれぞれの比エンタルピーをじっと見ていると、ハイそうです！
Φo ＝ qmro（h1 － h8） …（1）
（1）式より
答え qmro ＝ 0.652 (kg/s)
ハイ楽勝でした。
実際の解答欄では途中の計算はカットしましょう。（書くスペースがあまりないと思います。）
（2）実際の中間冷却器の必要冷却能力Φm（kW）を求めよ。
中間冷却器の熱収支の式を組み立てれば良いですが、気をつけてください。
機械的摩擦損失が熱となって加えられるとあります。それを、h2´とh4´とします。
この式を間違うと、このあと全て水の泡と化し涙目になってしまいます。
この式は覚えちゃってください。（線図を見てるとなんとなく覚えられます。）
Φm ＝ qmro{（h5 － h7）＋（h2´ － h3）} …（4）
又は、中間冷却器冷媒循環流量をqmro´とすると、
qmro´ ＝ qmrK － qmrL …（5）
Φm ＝ qmro´（h3 － h6） …（6）
この（5)と(6）式でも求められますが、qmrkを求めなければならないので、ここでは（4式）を使います。
じゃ、一気に行きましょう。（4）式に（2）式のh2´を組み込みます。
（この式↑が、だいたいの過去問題集には登場していると思います。）
答え Φm ＝ 39.6 (kw)
計算間違いをして (´；ω；｀)ﾌﾞﾜｯ に、ならないように…。
（3）実際の総圧縮軸動力P（kW）を求めよ。
低段側圧縮軸動力PL、高段側圧縮軸動力PHとすると、
P ＝ PL ＋ PH…（7）
ここで、
PL ＝ qmro（h2´ － h1）…（8）
PH ＝ qmrk（h4´ － h3）…（9）
いずれも、h2´とh4´の比エンタルピーを使います、注意しましょう。
さぁ、ここで分からないのは、高段側冷媒循環量qmrkです。いよいよここで、熱収支を考えます。
入るものを左辺、出るものを右辺にまとめます。
qmrk・h5 ＋ qmro・h2´ ＝ qmrK・h3 ＋ qmro・h7
qmrL とqmrKをまとめます。（大きい比エンタルピーから引き算するように）
qmro・h2´ － qmro・h7 ＝ qmrK・h3 － qmrK・h5
qmro（h2´ － h7）＝ qmrK（h3 － h5） …（10）
この（10）式が中間冷却器の熱収支です。さぁ、この式からqmrKを一気に求めます。
qmrkが分かりました、qmroは求めてあります、さぁ、PLとPHを求めましょう。（8）（9）式から求めます。
では、Pを求めましょう。 （7）式です。
P ＝ PL ＋ PH
＝ 28.5 ＋ 44.5
＝ 73.0（kW）
答え P ＝ 73.0 (kw)
まとめ
実際はこんなに細かく記述する必要が無いので、適当にまとめてください。以外に解答欄が少ないです。ぜひ、時間を測って解いてください。
こんな感じにまとめればよいかと…。
この問題の要点は、
- h2´、h4´を、把握しているか。
- 中間冷却器の必要冷却能力を、求められるか。
- 熱収支でqmrkを、求められるか。
ご健闘をお祈りしています。
訂正箇所履歴
【2016/02/11 新設】
- 問題文「計算式を示せいて答えよ。」→「計算式を示して答えよ。」（2016(H28)/10/28）
- スマホなどで崩れる計算式などを、自動で大きさが変化する画像にした。（2017/04/20）