比体積と蒸気密度の関係がわからないと撃沈。
問2 R404A冷凍装置が下記の条件で運転されている。このとき、冷媒循環量qmrと実際の成績係数(COP)Rについて、次の答の(1)~(5)の組合せのうち正しいものはどれか。
ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとする。また、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。
(運転条件) 圧縮機のピストン押しのけ量 V = 250 m^3/h 圧縮機の吸込み蒸気の密度 ρ = 10 kg/m^3 圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー h1 = 360 kJ/kg 断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピー h2 = 400 kJ/kg 蒸発器入口冷媒の比エンタルピー h4 = 230 kJ/kg 圧縮機の体積効率 ηv = 0.70 圧縮機の断熱効率 ηc = 0.80 圧縮機の機械効率 ηm = 0.90 (1) qmr = 0.486kg/s、(COP)R = 1.6 (2) qmr = 0.486kg/s、(COP)R = 2.34 (3) qmr = 0.486kg/s、(COP)R = 3.25 (4) qmr = 17.50kg/s、(COp)R = 1.64 (5) qmr = 17.50kg/s、(COP)R = 3.25
ぇ~っと、冷媒循環量といえば、ハイ!そうですね、(1)式。
はぁ!? いつもの比体積vがないでないの!吸込み蒸気の密度ρ(ロー)とな!?
と、いうわけで、いままで過去問には無いような気がする。ここで、撃沈してしまった方が多かったかと…(・。・;
つらつらと、テキストを見ますと。『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P211左3行目>に、比体積(密度の逆数)とある。
つまり、
1 比体積[m^3/kg]= ────────── 密度[kg/m^3]
なのだそうです。そこで、
V・ηv qmr = ────── 1 ──── ρ qmr = V・ηv・ρ
ところが、ここで単位に注意。ピストン押しのけ量は、250 m^3/hとなっていますので、秒に換算してください。
V・ηv・ρ qmr = ────── 3600 250×0.7×10 = ──────── 3600 1750 = ───── 3600 = 0.48611 ≒ 0.486
よって、冷媒循環量 qmr = 0.486kg/s (疲れた)
実際の成績係数を(COP)Rとして、一気に計算できる公式を組み立てましょう。
以下、公式は平成24年度問2からのコピペです。過去問こなしていれば楽勝です。
Φo (COP)R = ───── P qmr(h1-h4) = ────────── qmr(h2-h1) ──────── ηc・ηm qmr(h1-h4) = ───────── ηc・ηm qmr(h2-h1) h1-h4 = ────── ηc・ηm h2-h1
というわけで、これだけ公式(6)ができあがりました。
(ま、この式を覚えておけばいいんですけど。)
数値代入します。
360 - 230 (COP)R= ──────── × 0.80 × 0.90 400 - 360 130 = ───── × 0.72 40 = 2.34
よって、 (COP)R = 2.34
正解は、(2) qmr = 0.486kg/s、(COP)R = 2.34
「湿り蒸気の比体積と密度は逆数」ということを知っていれば(常識?)、楽勝でしょう。(汗
ご健闘をお祈りします。
【2016/08/30 新設】(← 履歴をここに作った日)
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