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このページでは、圧縮機動力(P)を求める過去問題を解いてみましょう。
問題を作る側にとっては、圧縮機の動力を求める問題は楽しくて楽しくてワクワクしながら作っているかも知れません。 今年はこっちから攻めようかな、イヤイヤちょっとひねりを加えてあっちから攻めてみようかな。ウキウキ・・・・・。
前頁まで攻略したVやqmrやΦoの関連式を覚えていないとなりません。 機械効率ηm、断熱効率ηcの使い方も覚えましょう。
ぅ~む、p-h線図がありませんね、書いてみましょう。
図のようにノートに書いて見ましょう。
1-2-3-4と冷凍サイクルを頭で思い浮かべましょう。
qmr、ηc、ηmも書くと分かりやすいです。
線図のない問題は、このようにp-h線図を書くのは大切です。最初は、大変かと思いますがなんども書いているうちに、ペンを握る手がスラスラと動くようになるでしょう。
さて、問題では「実際の圧縮機の軸動力」とあります。ここで、動力といえば(3)式ですが、
この(3)式は理論圧縮動力ですね。
問題文には、「ただし、断熱後の吐出しガスの比エンタルピーは理論冷凍サイクルの値である。」とあるので、 ηcとηmを考慮した実際の圧縮動力を計算しないといけません。
はい!それは(4)式です。
パッと頭に浮かびましたか? じゃ、与えられている値を代入してみましょう。
あっ、という間にできてしまいました!(5)の44.4kWですね。
p-h線図がなくて難しく見えますが、サービス問題です。ただし、(1)4.4kWというチョットね(失礼)のような答が用意されているので、落とし穴に落ちないようにしてください。
ま、注意を怠るなと云いたいのでしょう。 問題や答え欄を良く読むことが大切です。
この問題も、線図がありません。イメージできるまで、ドンドン線図を書いてみましょう。
上図は、当サイト内からコピペしたものです。参考にしてください。
さぁ、線図を書きましょう。
こんな順番で、パパっと書きましょう。
さて、いつものごとく冷媒循環量qmrを求めれば難なく解けそうです。
(ぇ?という方は、「ピストン押しのけ量(V)を攻略する。」ページに戻ってジックリ勉強してみましょう。)
この式から、
ここにv=v1
数値を代入します。
では、ありません! 1800という値も何やらおかしいです。
V=180m^3/h ←の単位に注目してください…、まさに、引っかけです。
ピストン押しのけ量は、m^3/sで計算しなければなりません。
よって、1時間を1秒に換算するため、3600で除します。これは、冷媒循環量qmrは質量流量として[kg/s]を用いているからです。(ちなみに、ピストン押しのけ量は体積流量)
過去問をこなしていれば、数値的に「何か変」と気が付くようになると思います。あとは、できたも同然(4)式に、求めたqmrや与えられた数値を代入しましょう。
答えは、(3)17.4kWになります。
ちなみに、冷媒循環量qmrを1800で計算してみますと、
(5)62.5kWと、それらしい答えがちゃんと用意してあります。(汗)
62500 ÷ 3600=17.36とすれば良いんですけど、気が付かないと実に悔しいんですよね!
//コメント//
ピストン押しのけ量は、「SIによる上級冷凍受験テキスト(日本冷凍空調学会 )」5頁<7次改訂版>の一覧表によると、従来の単位ではm^3/hで、(8次改訂版からは従来の単位は削除されている。)SI単位ではm^3/sとなっています。 しかし、従来の単位で出題されるということは・・・、ま、引っ掛け引っ掛けなどと云わずポジティブ思考に考えて「そこまで考える必要がありますよ。実務でも気をつけてくださいね!」という優しい心持ちがあると考えることにしましょう。
こんどは、p-h線図が書かれている問題です。p-h線図を書かなくても(イメージしなくても)良い分時間短縮になりますが、そうは問屋が卸さない、少々頭を使わねばなりません。ま、とにかく解いてみましょう。
さぁ、いつものようにp-h線図から与えられているものをリストアップしてみましょう。
さて、実際の軸動力を求める式は・・・パッと式が浮かびますか?
はい、(4)式ですね。ツラツラと眺めますと、いつものように冷媒循環量qmrを求める必要がありそうです。
冷媒循環量qmrを求めるには、(1)式から、
ここに v=v1
上でリストアップしたものを見ますと、ピストン押しのけ量Vとηvがありません。
さて、どうする…。問題やリストアップしたものを良く見ますと冷凍能力Φoがありますね。
はい、そうです。Φo = qmr(h1 - h4).....(2)式がありました!
簡単ですね!
さ、(4)式に代入し一気に攻略しましょう。
答えは、(3)39kWになりました。
このように1つのものを求めるのに、あっちからこっちからと攻めて来ます。基本式をとにかく暗記しましょう。(1種冷凍になりますと、あっちこっちのものも、あっちこっちから、求めねばなりません。なので、公式まる覚えではだめで導き方を問われてきます。)
この辺で、一服しますか。
お茶でも飲んで、ついでに甘いものでも如何でしょう。
試験の前に、チョコレートやあめ玉を食べると脳が活性化するようです。
確かに、勉強ガンガンすると甘いものが無性に食べたくなります。
上記問題と同じくp-h線図がありますが、何やら変です。
蒸発圧力調整弁が作動し、冷媒は点5から点1へと絞り膨張され、圧力が下がり点1で圧縮機に吸い込まれています。
圧縮機軸動力は、圧縮機吸込み比エンタルピーh1と圧縮機吐出し比エンタルピーh2を考えればよいですから、いつもと違うp-h線図に惑わされないようにしましょう。
ピストン押しのけ量Vと比体積ηvが指定されていますから、はい、その通り!(1)式から冷媒循環量qmrを求めます。(公式(や説明)を少々省いてサクっと解きます。)
(1)式から、ここにv=v1
圧縮機所要軸動力Pは(4)式から、
最も近い答えは、(3)31kWになります。
平成11年度問2の問題と同じです。機械効率の値が少し変わっているだけです。サクッとやっちゃいましょう。
蒸発圧力調整弁が作動し、冷媒は点5から点1へと絞り膨張され、圧力が下がり点1で圧縮機に吸い込まれています。
圧縮機軸動力は、圧縮機吸込み比エンタルピーh1と圧縮機吐出し比エンタルピーh2を考えればよいですから、いつもと 違うp-h線図に惑わされないようにしましょう。
ピストン押しのけ量Vと比体積ηvが指定されていますから、いつものように(1)式から冷媒循環量qmrを求めます。
(1)式から、ここにv=v1
圧縮機所要軸動力Pは(4)式から、
答えは、(4)33kWになります。
まるで、平成11年度のコピペのようですね、問題制作者が楽したのでしょうか? まぁ、そんなことはないでしょうね。(私は、コピペして楽チンでした)ちなみに、成績係数ページ平成17年問2の線図を見てください。同類のp-h線図が出題されています。
これで最後にします、疲れましたね。でも、ここまで来た貴方は、( ̄ー ̄)ニヤリッと微笑んで、楽勝で解けるはずです。
なにわともあれ、冷媒循環量qmrを求めましょう。
冷凍能力が170kWとあります、そして、h1とh4がp-h線図からわかりますから、そうですこの式です。
変形して、
ぉっと、平成12年問1とまったく同じ。使いまわしするんでしょうかね? :-o
答えは(3)42.0kW に、なります。
如何ですか、ここまでピストン押しのけ量Vや冷媒循環量qmr、冷凍能力Φo、軸動力Pを攻略しました。 基本式さえ覚えれば大方の問題は解けるはずです。さぁ、次はこれらを使って成績係数を攻略しましょう。
【2017/10/12 新設】
全頁まで記述した→
前頁まで攻略した(2019(R1)/10/03)